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院長ブログ

新型コロナが5類になったけれど

新型コロナ感染が始まって3年数か月が経過。これまでの公的な対応が、8日から5類に変わりました。

療養期間は7日から5日に短縮。濃厚接触者の特定はせず、健康状態に問題なければ家族の方でも通常の生活が送れます。

コロナの検査や、診断確定後の治療などは公費で行われていましたが、それはなくなり、今後は普通の感染症と同じく、医療保険の中で行われます。自己負担が増えるわけですが、子どもたちは自治体の医療費助成があるので、親御さんの窓口負担は変わりません。

新しい制度になって数日。やはり新型コロナの患者さんは出ています(もしかして連休前より増えている?)が、特に大きな混乱は起きていないようです。

行政の関与がなくなるので、療養期間などの説明は医院で行なっています。もしも入院が必要な患者さんが出たら、病院への依頼は医院で行うことになります。これまで行なっていた保健所の入院調整がなくなるので、この点は不安があります。今後また大きな流行になったら、通常の外来診療をしながら対応できるだろうか。

ある意味で行政はもう手出しをしません。医療機関も、患者さん自身も自分で解決していきなさいと。丸投げ? これでいいのかな??

5類になっても、新型コロナウイルスの性質が変わるわけではありません。当初より軽症化しているようですが、伝染しやすさは悪化。免疫をすり抜ける「狡猾さ」が増し、再度かかってしまったり、ワクチンの効果も減弱しています(重症化は予防できるようです)。

5類になったのは、国の対策を変えただけ。医療的な側面は、やはり慎重に進めるべきかと思います。高齢者や基礎疾患を持っている方がかかると重症化する可能性があります。若い方々も、罹患後の後遺症は相当出ています。子どもたちは、基礎疾患がないのに亡くなる例が散見されています。

やはり新型コロナはかからないに越したことはありません。そのためには、流行を広げないこと。やはり、それなりの感染対策は引き続き必要です。

ただ、闇雲に何でもやればいいということではありません。周りに他の人がいなければ(十分に間隔が取れていれば)マスクは不要です。大きな声を出すのもOK。でも、密集した中では、やはり気をつけなければいけません。

飛沫飛散防止のアクリル板も、実際の効果を確認しながら設置されていたとは言えません。行政の指導があったからやっているだけ。効果がないどころか、むしろ換気を邪魔しているのではと思うところもあります。スーパーマーケットなどでは8日に一斉に取り外しましたが、それもどうかと思うのです。化学的根拠があっての設置ではなかったと、暗に認めていることになりますよね。

これからもまだ新型コロナ感染は続きます。さらに次の9波流行も起きるでしょう。その時にしっかりとした対策ができるのか、心配です。5類になったことで、より感染が広がりやすくなっていくでしょうし、個人の感染対策も行われなくなっていくからです。

心配の種は尽きません。