MENU

院長ブログ

頑張れ、上越市!

子育て支援策は様々なものがありますが、医療費助成もその一つ。子どもが病気や怪我をして保険医療を受ける時に一定の(2割〜3割)窓口負担が生じます。親御さんの経済的負担を軽減するために、自治体が独自に助成を行なっています(国ではありません!)。

したがって、子ども医療費助成の内容は自治体ごとに異なっています。手厚いところもあれば、まだ手薄のところもあります。都道府県によっても、市町村によっても異なっています。住んでいる場所(住民票のある市町村)がどこかで、助成内容も変わってきます。

当院を受診される方は、最も多いのが上越市。加えてお隣の妙高市や糸魚川市からも来院されます。この3市では助成内容が違っています。

この度、糸魚川市の医療費助成が拡大することになりました。外来の窓口負担が高校卒業まで完全に無料化されます(10月から)。これまでは窓口負担は1回530円でしたので、思い切った改善になりました。

窓口負担ゼロとなるのは、上越市は小学校入学前まで(未就園児のみ)、妙高市は中学生まで(義務教育終了まで)。糸魚川市が高校卒業まで無料になったことにより、一挙に逆転。あえて順位をつけるとすると・・1位糸魚川市、2位妙高市、3位上越市。

かつては「子育てするなら上越市」というキャッチコピーとして使い、子育て支援を当地でリードしてきた上越市ですが。どうしたんでしょう。いつの間にか、後塵を排するようになってしまいました。頑張らないと!

もっとも、こうした自治体間の「競争」が起きるのは、いいことではありません。国がしっかりと制度を作り、全国で実施されるべきです。自治体の財政状況が子育て支援を左右するのは問題です。

なぜ国はしないのか? 国が作った保険制度では一定の窓口負担を課することになっています。小学校の就学前までの乳幼児は2割、小学生以上は3割です。その負担を、もし医療機関の判断(好意?)で徴収しなければ、医療機関側が指導を受けることがあります。

国は自分が作った制度に従わせることが最優先です。実際、自治体のこうした医療費助成を好ましく思っていません。つい最近まで、一定以上の助成を「手厚く」助成している自体体に対しては、地方交付税を減額するというペナルティーを課していました。

それだけ裕福な自体体なんでしょうというのが国の言い分ですが、そんなことはないですよね。子育て支援にかける思いの違いです。国って、自分が作った建前は大切にするけれど、国民の生活を大切に考えるってしないんだな。そんなことを実感していました。

国が「こども家庭庁」を作り、少子化対策に本腰をあげ、子育て家庭の負担軽減を積極的に考えているのなら、子どもの医療費助成についても、国としてきちんとした制度を作るべきです。でも、やる気なし? 言葉では言っているだけで、真剣味が足りないと感じてしまいます。

今は、それぞれの自治体が努力していて、独自の支援策をまとめています。医療費助成だけではなく、様々な方策が必要です。子育て家庭が前向きになれるよう、さらなる支援の拡充を願っています。

とりあえず・・上越市さん、高校卒業までの無料化を早急に実現してください!!