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院長ブログ

検食の思い出

数日前のニュースです。ある学校で給食に異物が混入されたようですが、それを校長先生が気づき、止めたために被害が出なかったということです。

給食の検食って、そういう意味だったんですね。ただ味見をするというのではなく、異物や毒物などが混入していないか、食中毒を起こすような状態ではないかを「身を以って」検査するということなんですね。

以前、子どもが小さい頃に学校にお邪魔する機会があり、たまたま昼食前だったので、一緒に給食を食べていきましょうと誘われました。学校の先生方と、その時確かソフト麺だったと記憶しているのですが、美味しくいただきました(昔の給食とはずいぶん違って美味しくなったものだと感慨深いものがありました)。

この時も、私はただ食べただけですが、その前に校長先生は先に食べていました。「早弁だ」などと思ったかどうか覚えていませんが、その意味あいは知りませんでした。検食をするって、皆より早く食べるから意味があるわけですね。

このニュースによれば「大腸菌が検出」されたそうです。ということは、誰かがウ○コを混入したということ?? そうだとしたら、確かに味も臭いもおかしいですよ。

それを食べた校長先生は、大丈夫でしたか? 体調を崩していませんか? メンタルもやられそうですが。本当に「身を挺して」子どもたちを守ってくれたのですね。感謝です!!

何が起きていたのか、誰が何をしたのか、何が目的だったのか。ぜひ続報を知りたいですし、その校長先生がお元気でおられることを願っています。

「検食」・・私も勤務医時代はしていました。当直になると、夕食と朝食が医局に運ばれ、それを食べるというものです。そんな重要な意味があるとも知らず、ただ当直医が食事に困らないように作ってくれているものくらいの気持ちでいました。

基本的に病院の検食は入院患者さんのもの。食べてはみますが、量は少ない、味は薄い(減塩)、副菜の種類は少ない、ご飯は軟らかい、メニューはワンパターン、おまけに和食なのか洋食なのかも不明なオリジナルメニュー(組み合わせがおかしい)などなど、ツッコミどころ満載。これでまた一晩働き続けろというのかよ、などと不満も口から出てきました。

何より、食べるのは勤務が一息ついてから。夕食は当時は夕方5時くらいから配られていましたが、そもそも勤務中。日勤の仕事が終わり、その宿直業務が始まりますが、すぐに休めるわけではありません。早くて6時台。遅いと8時とか9時は当たりまえ。その時間に食べても「検食」の意味はないですね。何か違和感を感じても、患者さんはみんな食べ終わった後ですから。

給食課にそんな話をしても、患者さんのための食事ですから、と一蹴。こんなのを食べていると病気になっちゃうぞ、と訳のわからない抗議をしたとか、しないとか。

もう何十年も前の話です。今では病院の給食もずいぶん改善され、向上したようです。きっと検食を食べている勤務医の方々も、勤務に臨む気持ちがさぞ向上するようになっていることでしょう(皮肉??)。

ということで、私の「検食」にまつわる思い出はその程度。その校長先生には、頭が上がりません。