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院長ブログ

読了

☆読了

私にしては珍しく小説本を読みました。
GW中に、どこにも出かけず、誰とも会わず、ただただコロナワクチンの副反応を心配して大人しくしている私にとって、有り余るほどの時間ができました。
そんなことは、医者になってから1度たりともなかったんじゃないかな。

現役の臨床医が、コロナ治療の最前線を描いた小説。
おそらくご自身の経験が十分に活かされているのでしょう。
臨場感あふれる描写は、とても想像だけのものではないでしょう。
小説というフィクションですが、ノンフィクションといってもいいのではないかと思います。

読み進み、思わず涙を堪えきれない場面もありました。
ある重症患者さんが、リモートを使ってご家族と面談できたのですが、この時は嗚咽になりました。
主人公の主治医の温かくて優しい思い、直接の面会が叶わなかったご家族の思いに心詰まるものがありました。
ハッピーな気持ちだけではなく、そんな状況に陥れているコロナの恐ろしさに改めて戦慄を覚えました。
そこに、自分が臨床として何ができているのか、これから何ができるかといった、自身の内面も見透かされたような思いも加わっていたのでしょう。

この小説は、色んなことを問うているのだと思います。
医療と関係のない人にとっては、現実はこうなんだと知ってもらうだけでもいいです。
ぜひ読んでほしい。

医療人の中でも、実際にコロナ診療に関わっている方にとっても、自分の立ち位置を確認し、後押ししてくれることでしょう。
やはり読んでいただきたいですが、もちろんコロナ禍が落ち着いてからでけっこうです。

私のように、医療人とはいえ、直接コロナ診療に関わっていないものは、反省を込めて読んでほしいです。
さてこれからどうしようか。
そんなビジョンが少しは見えてくることでしょう。