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院長ブログ

世界で一番美しいパソコン

「世界で一番美しいパソコン」と言われたあの名機! いや「迷機」というべきか。

アップル社のG3Cubeが生まれて20年になるのだそうです。そして、生産中止になってから19年にも・・。

スティーブ・ジョブズが、彼の審美眼にかけて制作したパソコンです。本体は透明で四角い箱。透明度にもこだわって、相当特別なプラスチックを使ったようです(そのために失敗率が高く、生産コスト上昇になりました)。

DVDを入れるのは、上部に口があり、そこに差し込むと自動で中に入っていきます。トレイはありません(DVDが出なくなり、困ったことがたびたび)。

電源のスイッチはありません。そんな不粋なものをジョブスが選ぶはずはないんです。上に手をかざすと、それを感知して電源が入ります(周りで仕事をしていると、意図せず電源が入るのは良くありました)。(今でもiMacのスイッチは本体の後面に隠れていて、操作しやすいとは言えません)。

ファンもありません。そんな機械音がするのは、ジョブズは大嫌いです。自然冷却方式。本体の下から空気が上昇し、内部を冷やしながら、上に逃げていきます。よくぞそんな方式を考えたものです(本体の上に紙を一枚載せたら、冷却はしません。その結果は??)。

見た目だけではなく、その機能も考え尽くされたものだったようです。スティーブ・ジョブズのこだわりが詰まっています。

自信を持って世に送り出したのですが・・あまり売れなかったのだそうです。そうでしょう、高い買い物になるのですから。

でも、スティーブの思いを買ってしまった人たちがいました。私もその一人です(笑)。

診察室の中に鎮座し、数年間は実際に使っていました。今ほどパソコンの作業が多くはなかった時代なので、それで何とかなっていたのでしょう。

でも売れないパソコンをいつまでも作り続けるわけにはいきません。わずか1年で生産終了。私のCubeは貴重な一台となったようです。

その後はiMacのシリーズが始まりました。Cubeは引退になったのですが、このパソコンを捨てることができず、今でも持っています。

押入れの中にあって、普段見ることはないのですが、時々見かけると、やっぱり美しい! 見とれてしまいますね。

アップルのパソコンを、当初のものから保存していれば、博物館ができるくらいあったんじゃないかな。10台以上はありました。でも、Cubeを除いては皆捨ててしまいました。もったいなかった・・。

初代iMacも好きでした。カラーはボンダブルーが最も売れていたようですが、私のはグリーン。綺麗な色でしたよ。

イギリスで洋服を手がけているポール・スミスさん(彼のブランドも大好きです)も、同じグリーンのiMacを持っていました。東京で開かれたポール・スミス展で、彼の仕事場を再現した会場に、そのグリーンのiMacが置いてありました。

この時、捨てなければ良かった!と後悔したものです(涙)。

さて、私とアップルとの長いお付き合いについては、また別の機会にお話をしたいと思います。

今日のニュースにCubeのことが取り上げられていて、昔のことを色々思い出していました。