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2008年02月29日

ボーナス日

 今日は2月29日・・閏年の“ボーナス日”にあたります。一年でもっとも日数の少ない2月なので、ちょっとお得な気分。もっとも、それでも「29日」はまだ最小ですが。

 2月は例年、とても慌ただしいのです。月末にかけていろいろな仕事があります。そしてインフルエンザやウイルス性胃腸炎などが大流行し、外来は混雑していることが多いので、よけいです。

 でも今年は勝手が違うようです。インフルエンザの流行も2月の上旬がピークで、その後減少傾向。外来にこられる子どもたちも、しだいに少なくなってきました。

 そして「プラス1日」があります。最短の月ということで、早めに準備をしていたからでしょうか、いつもの月よりもスムーズに仕事が片付いたようです。

 「こども通信」3月号はすでにできあがり、メルマガとして配信も終わりましたし、このHP内にもアップしました。どうぞご覧下さい。

 今日はお天気も良く、気持ちよく仕事をすることができました。数日前の吹雪がウソのようです。さあ、このまま春になってくれればいいのですが・・そこは“お天気屋さん”のこと。まだ油断は禁物といったところでしょう。

投稿者 tsukada : 18:29

2008年02月27日

講義は無事終了

 午後、市内のある小学校で小学生や保護者の方を対象にした講義は、何とか無事終了しました。

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 主に子どもたちが相手なので、何をどのように話したらいいか、直前まで悩みました。やってみて、やっぱり難しいものですね。

 目の前に子どもたちがいるので、私の話の反応がすぐに分かります。ちゃんと伝わったと思えると嬉しいものです。

 「あれ? 分からないのかな?」そんなふうに思えるときには易しい言い方にしたり、分かりやすい例えを入れてみたり。それができそうにないときには、すぐに撤退(^^;)

 1時間のほどの講義でしたが、慣れないことで疲れました。でも・・子どもたちがちゃんと聞いてくれたので、私にとっても良い体験になりました。

 最後までまじめに聞いてくれた子どもたちに、ありがとうという気持ちです。

 学校をあとにして帰ろうと駐車場に行くと・・

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 自動車は雪だるま状態(>_<)

 数年前にもある保育園で講演会が予定されていた日に大雪になり、延期になったことを思い出しました。私は“雪男”なのかも・・。

投稿者 tsukada : 18:40

2008年02月26日

民間だから補助しない?

 今から10年ほど前の話。まだ「病児保育」という言葉にもなじみがなく、実際に新潟県内では実施している施設はありませんでした。

 小児科医として何か子育て支援をしたいと思っていろいろと考えている中で、他の地域では先駆的にされているところもあることを知りました。国による病児保育を行う市町村への補助制度ができていることも知り、ぜひ当院で病児保育を実施したいとの願いを市の方に伝えました。

 市では病児保育についての要項を作成し、県内で初めての実施に向けて動き出しました。しかし、医師会と協議する中で、開業医がこの事業を行うのは好ましくないということになりました。公的な補助金を使う事業なので、公的な医療機関で行うべきだ、というのです。

 当院は手をあげていましたが、あえなく却下。かわりに公的な病院が委託を受けて実施することになりました。大きな挫折でした。

 市としては市内に2か所の病児保育施設を作ろうという方針でしたが、もう1か所は受託する医療機関は見つからず、市の単独事業として実施することになりました。

 その数年後、2か所の施設の利用状況がさほど多くないことを知り、ビックリしました。親御さんの本当の希望はそんなものじゃないはず。利用が少ないのはニーズがないのではなく、利用しにくい要素が施設側にあるからなのではないか。そんなふうに思い、それなら当院独自で病児保育施設を作ろうと一大決心をした次第です。それが2001年の春でした。

 当院に併設したわたぼうし病児保育室の利用状況は年々活発になり、今では年間のべ約2,000人の子どもたちに利用してもらっています。市の2か所よりも多い数です。私たちは病児保育に対する自分たちの考えや、今まで行っている子育て支援に、自信を深めることができました。

 しかし利用が多くなるにしたがい、当初予想していたよりはるかに多くの支出が必要になりました。医院からの補填でまかなっていますが、これ以上の規模にすることには限界も感じています。

 市の方とは折に触れ、病児保育のあり方についてお話をしてきましたが、助成していただけるような状況には至っていません。

 今でも昔と同じ意見を耳にします。あれから十数年たっているのに、まだ同じ議論をしなくてはいけないことに、疲労感を感じます。

 民間が独自に行っている病児保育のほうが多く利用されている・・このことだけでも、民間を補助対象としない方針に妥当性がないことを実証しているように思います。

 それに・・市が委託しておこなっていたはずの一つの病児保育施設は、今では市の直営になっています・・いつのまにか。その経過を聞きたかったのですが、市の担当者からはっきりお聞きすることはできませんでした。

 市の病児保育事業がスタートする時点で、あれだけ「公的医療機関が受託すべき」といっていたのに、どうして?という思いです。

 民間だから補助はしない・・もうそんな呪縛から解き放されてもいい時期にきているのではないでしょうか。むしろ民間が不採算で、公的な正確をもつ大切な事業を一生懸命おこなっているのだから、行政からの補助があっても良いと思うのですが。みなさんはどう考えられますか?

投稿者 tsukada : 18:33

キャンセル率

 今月6日の「院長ブログ」で話題にした「病児保育--利用妨げるマナー違反」(新潟日報2月5日)という記事について、もう一度取り上げようと思います。

 先日のブログでは当院のキャンセル率はそんなに高くないとお話ししました。前日予約に対して約10%、実際の利用者全体に対しては約5%。そして病児保育という事業においては、キャンセルはある程度つきものですし、場合によっては喜ぶべきことであること。そして、キャンセルが出てもそれによって他の方の利用が妨げられないような保育体制を作ることこそ、大切だということ。(詳しくは前回のブログをご覧下さい)

 改めてこの記事を読んでみたのですが、一つ重要な問題を見逃していました。キャンセル率そのものの解釈です。

 この記事が書かれたきっかけは、記事の主題になっている通り、キャンセルがとても多いという実態です。新潟市の予約キャンセル率は06年度32.4%とあります。

 これは確かに大きな数字です。予約していったお子さんの3人に1人は利用していないということ。当院の数倍に上ります。

 記事中で紹介されている新潟市内のある病児保育施設は定員が4人。そこに3分の1のキャンセルがあるとなれば、運営に混乱が生じることは容易に想像できます。何とかキャンセルが減らせないものか、と考えるのも当然でしょう。せめて、キャンセルをするのであれば早めに連絡をいれていただき、ほかのお子さんに利用してもらえるようにしてほしいとも。

 運営にあたるものとして、このキャンセル率の高さを何とかしなくてはいけないという問題意識はそうとう強いものだと思います。

 逆に、私どものわたぼうし病児保育室におけるキャンセル率は、新潟市よりもはるかに小さい・・それはなぜだろうと考えてみました。もともとキャンセルそのものを問題視していなかったので、あまり疑問にも思わなかったことです。

 保育士にも聞いてみて分かったのですが、前日予約を無理にしておく必要性があまりない、ということです。当日になって利用を申し出ても断られることがないことが、利用される家族の方々に広く伝わっています。

 夜間に留守電に録音しておいてもいいですし、当日の朝、直接電話を入れてもけっこう。場合によっては直接連れてきてもOK!(ほんとうは事前に情報はほしいのですが)

 もしも「定員」が決まっていて、それも小さな枠であれば、先を争って予約しておくようになるでしょう。記事中には、軽症で「様子見」予約をすることを問題視していますが、親御さんがそんな心理になるのは、やむを得ないのではないか、と思うのです。

 買い物をするとき、すごく人気があって(あるいは日常生活にとってとても重要なもので)品数が少ないと分かれば、我先にと確保に走ることはあるでしょう。少しずつ分け合えばみんなに行き渡るとは分かっても、でも自分の分がなくなったらどうしようと不安になるもの。

 買い物にたとえるのは失礼かもしれませんが、子どもが病気だという時、翌日の容態を的確に予想することがむずかしいわけですので、念のためという気持ちで病児保育利用の予約をすることは当然のことだと思います。

 やはり問題にすべきは、利用しにくい体制のまま運営している病児保育施設のほうでしょう。「ぜったいに断らない体制」をつくることができれば、親御さんが無理に「様子見予約」とする必要がなくなるのですから。

投稿者 tsukada : 06:05

2008年02月25日

ただいま勉強中!

 今週水曜日、ある小学校で講義をすることになっています。学校保健委員会で生活習慣について学習しているのだそうです。

 私に与えられたのは「子どもの睡眠とメディア」という演題。学校では子どもたちの様子を見ていて、夜遅くまでゲームをし、朝なかなか起きられなかったり、昼間眠そうにしていることが目に付くのだそうです。

 ゲームこそしていませんが、夜遅くまでパソコンを前にしてネットを使っている“メディア漬け人間”である私に、こんな話をさせていいのかなって思っています(>_<)

 最近よく耳にする「メディア脳」「ケータイ・ネット依存症」などについて、いくつかの本を読んでみました。小さい頃からゲーム漬けになっていると脳の働きに大きな問題がおきることなど、ばくぜんとは知っていましたが、今回の勉強でその怖さがよく理解できました。

 ゲームなどのメディアとどうつきあっていけばいいか、なぜ睡眠を十分にとる必要があるのか、より良い生活習慣を身につけるためにはどうすればいいか・・そんなことをお話してこようと思っています。

 講義の対象は4年生以上の子どもたちと親御さん、教職員。さて、どんなふうに伝えればいいのか、むずかしいですね。子どもたちが主人公ですから、簡潔なメッセージを分かりやすくお話するつもりです。大人の方にとっては、当たり前のことかもしれませんが。

 家族の役割、子どもたちが「自信」をもって、自分を信じて力強く生きていけるように・・そんな思いをこめて、講義を行ってきます。さて結果はどうなるやら。

投稿者 tsukada : 23:59

「四季」がそろいました

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 油絵画家・渡部 等(わたなべ ひとし)さんは昭和31年(1956年)上越市高田の生まれ。中学生まで高田ですごし、その後東京に転居。現在は福島県只見町に在住です。

 心に残るふるさとの景色を描き続け、数多くの展覧会も行っています。

 このたび渡部さんに、塚田こども医院にふさわしい絵画4点の作成をお願いしました。春夏秋冬、それぞれの情景の中に、子どもたちをテーマに入れたものを作っていただきました。

 いずれもふるさとの郷愁を感じる力作です。どうぞご鑑賞下さい。

 ※渡部さんは院長と中学時代の同級生です。


【渡部 等/砂地絵の世界】
 展示されている作品はすべてキャンパスの下地に砂やマチエルを塗り固めた上に描かれています。もともとは雪の質感を表現するうえで、表面が比較的似ていることで使ったのがきっかけです。

 砂地の凹凸が色の多角的反射によって微妙に変化し、それが陰影をもつことによって幻想的な雰囲気をかもしだしてくれます。全体的なイメージはぼんやりとしたものになりますが、反面、柔らかく優しい発色によって観る人の心をほっと和ませてくれるものになっています。

 モチーフはおもに、時代の流れに取り残され、押し流されて消えていく前近代的な風物からとっています。いわば消えていく日本の原風景でしょうか。茅葺き民家だったり、越後のはさ木だったり、雁木だったり、山奥の廃村だったり・・。

 それらの作品の中にはおおかた雪蛍や蛍が舞っています。それらはまさに時間的動きを表現するのとともに、ほのかに、はかなく消えていくものの美の象徴として描かれています。その一片一片の中に、それぞれの人生や歴史を観ていただけたら幸せです。
                          渡部 等


【作品紹介】
 春 幸福な風景
 夏 螢のさと
 秋 柿もぎのころ
 冬 またあした!

投稿者 tsukada : 17:36

2008年02月24日

ブータンからの便り

 JCV(NPO法人「世界の子どものワクチンを」日本委員会)の方から葉書をいただきました。

 JCVではこれまで主にミャンマーでポリオなどの感染症から子どもたちを守る活動を支援してきました。これから活動範囲を拡げていこうということで、現在はブータンでの支援を検討しているのだそうです。

 現地調査に出かけたJCVスタッフの方から届いた絵葉書(写真葉書?)の裏(表?)がこれです。

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 ブータンの子どもたちがそのまま写真になっています。とてもかわいいですね。目が生き生きと輝いています(最近、こんなきれいな目をした子どもに会わなくなっているかも)。そして・・何と日本人の子どもたちにそっくりなこと!

 きっとルーツはとっても近いのでしょうね。民族としての遺伝子がこれほど似通っているのに、ブータンのことをほとんど知りません。恥ずかしいことですね。

 JCVの活動は当院も応援させていただいていますが、そんな民間レベルの支援活動が2つの国の交流を深めてくれることでしょう。子どもたちにワクチンを送るだけにとどまらず、両国を結ぶ大きな架け橋に育っていくことを祈っています。

投稿者 tsukada : 14:56

2008年02月23日

わたぼうし病児保育室の登録更新

 わたぼうし病児保育室のご利用に際しましては、事前に会員登録をお願いしています。お子さんの健康状態や予防接種の接種状況を把握しておく必要がありますし、親御さんの連絡先などもあらかじめ知っておくためです。

 子どもたちは年度がかわると入園や入学するため、登録内容が変わってくることが多いので、一年に一度、登録の更新もお願いしているところです。

 次の20年度にむけて、登録更新についての書類を現在登録しているお子さんのご家庭に送らせていただきました。

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 記載する内容が多く、これまでのものと重複するところもあるかとは思いますが、新しい用紙にご記入いただきますようお願いいたします。今年度の登録内容についてはコピーを同封しましたので、参考にして下さい。

 また、もしこれから新しく利用したいとご希望の方はわたぼうし病児保育室までご連絡下さい。必要な書類をお送りいたします。

 なお登録や更新については料金はかかりません。

※賛助会員は別途募集しておりますので、ご賛同いただける方はどうぞ宜しくお願いいたします。ご家族単位で、1か月200円(税込)となっています。

投稿者 tsukada : 15:52

2008年02月22日

インフルエンザやや下火に

 このところインフルエンザ流行は下火になりつつあります。当地では2月上旬がピークでした。

 今シーズンは12月に1回目の流行があり、冬休みをはさんで小休止しましたが、例年通り1月下旬より2回目の流行になりました。

 いずれもAソ連型が大半だということです。ということは今後A香港型やB型の流行があっても不思議ではありません。

 明日は急速に低気圧が発達し、大荒れの天気になるとのこと。体調管理にも十分にお気をつけ下さい。

投稿者 tsukada : 23:59

2008年02月21日

一番のプレゼント

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 外来を受診したお子さんからいただいたものです。さっそく診察室に飾っています。

 今日一日、楽しく過ごすことができました。長生きはするものですね(^_-)

PS 私の右に描いてあるのは我が家の愛犬=クッキーです。ワンちゃんもきっと喜んでいることでしょう。

投稿者 tsukada : 17:19

2008年02月20日

 インフルエンザ流行が2週間ほど前をピークに、今は減少傾向です。期間が多少前後してはいるでしょうが、これは全国的にも同じ傾向かと思います。

 お子さんがインフルエンザにかかってしまったり、もしかしたら親御さんもいっしょに寝込んだりしてしてしまったご家庭も多かったことでしょう。“一家全滅”なんてこともあったかもしれませんね。インフルエンザが下火に向かい、ようやく安心できるようになったところかも。

 でも油断はできません。今回はおそらくはAソ連型単独による流行のようなので、今後A香港型やB型の流行がやってくるかもしれません。第2波、第3波も警戒が必要なのは、まるで津波のようです。

 冬場に多いのはインフルエンザだけではありません。ウイルス性胃腸炎(嘔吐下痢症)は昨年の秋に大流行したあと、1月はやや少なかったのですが、先週くらいからまた増えているような印象です。インフルエンザが少なくなったために目立っているのかもしれませんが、流行が続いているのは事実です。春先まで発生が続くことの多い感染症です。引き続きご注意を。

 その他にも溶連菌感染症、RSウイルスによる急性細気管支炎、マイコプラズマ感染症(気管支炎)などもそうとう発生しています。

 もしかしたら小児科外来は、インフルエンザ流行時よりも混雑するかも。患者数ではインフルエンザは爆発的に多く、迅速検査の“手間”はありますが、治療は抗インフルエンザ薬(タミフルやリレンザ)の投薬ですみます。ところが胃腸炎や気管支炎などでは、どうしても点滴治療が必要になることあります。一人あたりの時間や“手間”は、インフルエンザよりもずっと多いわけです。

 当院では点滴のできるベッドを10台ほど用意していますが、朝から夕方までその全てがフル稼働といった日も少なくありません。以前であれば入院しなければ治療できなかった病気も多いのですが、今ではけっこう外来治療ですませることができるようになりました。

 小児科外来の風景は様変わり。各種の検査や点滴治療は当たり前。それを行う看護師や検査技師などのスタッフも多数必要になり、“人海戦術”で治療にあたっています。点滴治療も半日ほどかけて行う子もいますし、連日通ってもらう場合もあります。中にはほとんど入院しているのと同じ治療内容のことも。

 一日中バタバタとしているのが小児科外来の日常。そして今は子どもたちがいろんな感染症にかかりやすい季節で、いわば“繁忙期”。大変さはありますが、それだけ小児科医や小児医療が必要とされ、期待されているのだと思って頑張っています。

 私はもうすぐ51歳になりますが、こんな毎日をまだしばらくは続けることになりそうです。子どもたちのことを思うと、まだ頑張れそうです。

 毎日出会う子どもたからもらえる元気が、私のエネルギーになっているのでしょう。小児科冥利に尽きる話です。

投稿者 tsukada : 23:59

2008年02月19日

1週間のご無沙汰でした

 昔、玉置宏というアナウンサーが口にしていたセリフです。日曜に放送されていた「ロッテ 歌のアルバム」の冒頭部分です。(これを知ってる人はそうとう昔の人)

 この「院長ブログ」も一週間ご無沙汰してしまいました。毎日のように書いていたものが急に“空白”ができたので、どうしたことかといぶかしがる方もおられたことでしょう。

 中には実際にメールや電話で「院長はどうしたの?」「具合が悪いの?」というお尋ねもいただきました。ご心配をおかけし、申し訳ありませんでした。別に病気になったわけでもありませんし、医院の診療もいつもどおり行っていました。

 ただ・・ちょっと疲れていたのでしょうね。自分で言うのもヘンですが、体は問題ないのですが、どうも心の余裕がなかったようです。

 一つにはインフルエンザの大流行。2月上旬にそのピークが来て、先々週から先週の連休明けが大変な忙しさでした。先週後半から減少傾向になり、外来の様子もやっと落ち着いてきました。

 私の密かなプライドなのですが、開業してから一日たりとも休んでいません(あらかじめの休診日は除いて)。風邪を引いたり、疲れていたりして体調を悪くすることもないわけではありませんが、それでも診療は完璧にこなしています。

 インフルエンザが流行すると、突発的にふだんの外来の数倍の規模にまで受診者がふくらむことがありますが、今シーズンも(!)何とかきりぬけました。もちろん私一人の力で全部出来るわけではなく、スタッフの全員が頑張ったおかげでもありますし、それだけの人員をあらかじめ整えておいた成果でもあります。

 いずれにしても、一人の患者さんもお断りすることなく、来院者の全てを診療していることをすごいことだと自分でも思っています。まだしばらくはインフルエンザ流行が続くでしょうが、このままの体制を維持できるよう、引き続き努力していくつもりです。

 話はそれてしまいましたが、とにかく忙しかったです。それに加えていくつかの問題もありました。その一つは、以前にもお話ししたことがありますが、当院が子育て支援として行っている病児保育に対して、市からの助成が来年度も見送られたことです。

 この問題では経営的な厳しさはあまり気にしていません。これまでも毎年千数百万円の赤字を医院から補填していましたので、それを続ければいいだけです(半べそをかきながらですが)。問題なのは、結局市当局も、医師会も「病児保育」という事業に対して理解を示してもらえなかったことです。市にいたっては、自ら市民に約束していた病児保育の早期実施を反故にしてしまっています。

 事実はそれだけなのですが、私たちがこれまで多大な努力を傾注して作り上げてきた病児保育の実践に対して、それを否定しているように受け取れてしかたありません。それは私の“ひがみ”なのかもしれませんし、そうとらえてしまう私の考え方に問題があるのかもしれませんが・・。

 そう思うと、どこか疲労感が出てきます。でも生来の負けず嫌いなのでしょうか。そんな逆境に自分が立たされている思うと、これまで以上に力をこめてこの事態をやり抜こうという気持ちにもなります。

 以前の「院長ブログ」でも書きましたが、別に市当局のためにやっている仕事ではありません。病児保育を必要としている親御さんのために、そして子どもたちのために行っています。その立場を忘れることなく、再確認しながら引き続き当地における病児保育に取り組んでいこうと思います。

 そして、市がかかわってこない分、もっと良い保育内容を作っていこうと決意しています。今行っているわたぼうし病児保育室の仕事は、その全てが私と塚田こども医院が企画し、実行しているものです。全責任は、つきつめれば私にあります。であれば、今後の方向も私の考え方一つにかかっています。

 行政に口出しされず、医師会からも関わってもらわない分だけ、経営的な大変さはあるにせよ、私がこれが最高の子育て支援の方法だと考える通りに行うことができます。ここまで頑張って来れたのですから、これからもただひたすら子どもたちとその親御さんの方だけを向いて、ひた走って行こうと思っています。

 そんな“決意表明”をさせてもらいましたが、やっぱり心の片隅には寂しさや悲しみ、あるいは無力感があるのは確かです。ネガティブな気持ちを少しは整理できてきたかとは思いますが(だからここに文章として表現できたのでしょう)、これから毎日の診療や保育の中でポジティブな気持ちに変わっていけることでしょう。

 それは、子どもたちからパワーをもらっているからかもしれません。本当は具合が悪くて来ている子どもたちなのに、大人に力を与える・・やっぱり子どもたちはすごいです。仕事の中で元気をもらえるなんて、小児科医として一番嬉しいことです。

 一番のご褒美は、診察が終わって帰り際の“ハイタッチ”。最高に元気がもらえますよ(^^)/

投稿者 tsukada : 21:36

新メンバー

 ご紹介します。先日、当院に加わった新しいメンバーです(*^_^*)

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 ディズニーストアで見つけて、即購入。かわいいでしょう。今は診察室で、患者さんを待っています。会うことがあったら、よろしくね!

投稿者 tsukada : 17:52

2008年02月12日

連休明け

 春のように暖かかった連休が終わり、今日はまた冬型のお天気に逆戻り。明日は大雪になるとのこと。まだ冬真っ最中だったんですね。

 インフルエンザの流行がまだ続いています。いや、さらに拡大中といったほうがいいかもしれません。

 連休明けの今日のインフルエンザ患者数は55名。新しく診断した患者さんだけの数です。治ったあとに登園(登校)許可証をもらうために再診している子どもたちや、なかなか熱や咳が収まらないで再受診している患者さんもいるので、インフルエンザ患者さんの総数は軽くその倍を超えるでしょう。

 全体の受診者数も今日は平日の2倍ほど。休み明けは多くなりますが、ここ数週間の月曜の1.5倍くらいほどはありました。一日あたりではおそらく今年度の最高になったのではないかと思います。

 小児科外来ではこんな日は時々あります。インフルエンザが流行するととくにそうです。同じペースで、ゆったりと診療をしてあげられればいいのかもしれませんが、とてもそんな余裕はありません。時間との勝負です。

 必然的に患者さん一人あたりの診療時間は短くなります。限られた時間の中で、必要なものは全てやり抜き、密度の濃い診療をすることも、小児科医の務めです。粗末になってはいけませんし、手を抜いてもいけませんが、時間を極限まで短くすることが求められる時もあります。

 4月から保険診療の点数(医療行為別の料金表のようなもの)が改訂されます。その検討をしている最中で、今週中には厚生労働省から原案が提出されるでしょう(だいたいはそのまま決まります)。

 その中で再診の際の料金を診療時間によって決めるという案が出ています。「外来管理加算」という点数(520円)を、5分以上診察した際にだけ認めるようにする、というものです。

 この点数自体は以前からあるものですが、その算定要件に時間制限を設ける、というものです。5分未満は算定できなくなります。今より520円少なくしますよ、というものです。

 患者さんとゆっくり話をし、診療の質を高めようという考え方そのものはそれでかまいません。その方が良いことは分かりきっています。できるのならそうしてあげたい。

 そしてそれをした時には料金の上乗せをします、というのならまだ分かります。違うのです。現在ある料金に変化はなく、増額するのではありません。5分かけなければ減額います!という厳しい内容です。

 今日の外来のように、1分、2分を争って診療せざるをえない時もあります。時間が短いからそこで行っている医療内容が劣っているとでもいうのなら、納得できません。

 ちなみに一人5分の診療時間をかけるとすると1時間あたり12名の診療。1日6時間診療するとしたら1日で72人の患者さんを診る計算です。

 今回の「短時間診療は減点」という発想は、ゆったりとした診療が可能な科から出ているのでしょう。例えば内科とか外科とか。小児科のような小さな科もいっしょに見渡して作られたものではないように思います。

 当院に限らず全国のどの小児科医院も、内科に比べたらきっとより多くの患者さんを診ていると思います。それは一つには小児科専門医がとても少ないからです。小児科医が不足している現状があり、必然的に一人あたりの小児科医が診療する子どもたちの数は多くなっています。

 例えば当市(新潟県上越市)は人口が約21万人。小児人口を15%とすると、子どもたちは3万人ほど。その中で開業している小児科専門医は6名。単純に計算して、小児科医一人あたり5,000人の子どもたちの「かかりつけ医」をしていることになります。

 毎日の診療に余裕をもちたくてももてず、一方で今日のような「緊急事態」の日にあっても、受診される患者さんをお断りすることなく最後まで診療する・・そんなギリギリの体制でなんとか頑張っている小児科医に対して、今回の「時間制限」案はあまりに過酷すぎるものがあります。

 もし厚生労働省がおすすめするようにたっぷり時間をかけて診療することが正しいのだとしたら、それを上回る患者さんは断っていいとでも? それを他でも診療できるよう、小児科医を増やしてくれるとでも?

 お役人の考えそうな机上の空論に愕然とし、怒りを通り越して、力が抜けてしまっている状態です。4月からこの案の通りに診療報酬が改訂されるとしたら、ほとんどの小児科医院は大幅な減収になるでしょう。

 小児科医の不足が社会問題になり、小児医療の充実を図らなければいけないとされている中で、それに真っ向から反することをしようとしていることに、まさかまだ気づいてはいないというのでしょうか。

 そうはいっても、明日はまたインフルエンザをはじめ、多くの患者さんが来られることでしょう。きっと「時間をかけないこと」をモットーに診療せざるをえません。それが厚生労働省にとっては「悪い診療」だと決めつけられようとしても、現実には仕方のないことなのです。それが医療の現場です。

 せめて患者さんには分かってもらえると思っています、時間をかけなくても必要で的確な医療が提供できていることを。別に国のためにやっていることではないので、それで十分です。

投稿者 tsukada : 23:59

小次郎・旅に出る

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 当院には赤ちゃんの“等身大人形”があります。身長や体重はもちろん、お腹を空かせれば泣き始めるのも赤ちゃんそのものという優れもの。

 優しくあやしてあげれば“いい子”にしていますが、乱暴にすると火を付けたように大泣きします。専用のほ乳瓶でおっぱいを飲ませると“クック”と音をたてて飲む仕草もします。

 当院に時々いらっしゃる看護学生や保育学生さんたちの実習用に購入してあるものです。誰が呼んだか(職員ですが)「小次郎ちゃん」と名前が付けられています。院長の“次郎”を小さくした赤ちゃん??ということだそうです。

 先日、地域の小学校に出かけてきました。子どもたちがとても喜んで、小次郎ちゃんの世話をしてくれたそうです。

 その様子を学校でまとめてくれたのがこの写真。子どもたちからはお礼の手紙もいただきました。その内容はまた別の機会に紹介しましょう。

 小次郎ちゃんはお役を務めて医院に帰ってきました。満足そうな顔でした(^^;) お疲れさま。少しゆっくりお休み下さいね。

投稿者 tsukada : 18:35

2008年02月08日

明日は・・

 わたぼうし病児保育室のおたのしみ会だよ!!

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 寒い日が続いていますが、みんな元気かな? 今月もたくさんの子どもたちが来てくれて、楽しく過ごしてくれるといいな、と思っています。

 保育士一同待っています。ご興味のある方、ぜひ遊びに来てください。

 なおわたぼうし病児保育室に登録していない方も大歓迎です。「病児保育って何?」「わたぼうしってどんなところ?」「保育士さんは優しいかな?(^_-)」そんな疑問(?)を持っている方もご遠慮なく。わたぼうし病児保育室の全てをお見せしますよ。

投稿者 tsukada : 19:00

2008年02月06日

キャンセルは悪?

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 これは「新潟日報」という地方紙の記事です(昨日付け、家庭欄)。県内で行われている病児保育(ここでは「病後児保育」を含めます)の運営にあたって、問題点が浮かび上がっている、と指摘しています。

 その内容についても「おや?」と違和感を感じるのですが、その前に、同じ活動をしている私たちのわたぼうし病児保育室が取材対象になっていなかったことを不思議に感じました。県内で最も大きな規模で病児保育を行っている、それなりの実績がある施設です。

 他と違う点は、自治体からの公的援助を受けていないこと。その点で「公的な存在」ではないということなのでしょうか。

 でもヘンですよ。例えば医療に関する調査をするとき、公的な医療機関だけでそれを行うことはないでしょう。民間の診療所(いわゆる開業医)や、民間の病院も当然対象にするはずです。

 実はわたぼうし病児保育室は、別の意味合いで公的な性格を持つとして認定されている施設です。児童福祉法では保育所の施設基準を定めています(定員が60名以上の認可保育所)が、定員がそれより少ない保育施設に対しても厚生労働省は同じ基準を満たすよう求めています。それが「認定外保育施設」です。わたぼうし病児保育室も県知事からその認証を受けていますし、そのために利用料については消費税を免除されています。

 そんなわたぼうし病児保育室にもぜひ取材に来てほしかった、というのが私の率直な感想です。それでなくても行政から冷たくされているのですから。次からはぜひ一人前に扱ってくださいね。

 記事の内容についても、私たちが病児保育に取り組んでいる中で感じているものとは違うようです。タイトルにあるように、病児保育をめぐって、利用者のマナーが悪いために迷惑している、という内容です。とくに予約のキャンセルが問題にされています。その数は少なくなく、運営に支障を来しているというのです。

 確かにキャンセルはあります。わたぼうし病児保育室では年間2,000人ほどの利用がありますが、予約のキャンセルは毎年100名前後でています。率にして約5%。前日に予約している利用者は半数ほどですので、予約者の中では10%くらいが実際には利用していないことになります。確かに少ない数ではないでしょう。

 これがホテルなら、当日の予約キャンセルは代金の全額支払いを求められるかもしれませんが、病児保育ではそれをしているところはないでしょう。もちろんわたぼうし病児保育室でもしていません。それが経営の圧迫要因になる、などと了見の狭い小児科医はきっといないと思います。

 むしろキャンセルは大いに歓迎!というのが私たちの考えです。軽い病気なら、翌日に治っていることもあるかもしれません。お子さんの健康状態が良くなったのですから、こんな良いことはありません。

 お子さんは病気のために登園や登校ができないけれど、親御さんが仕事を休めるようになったかもしれません。具合の悪いお子さんに親御さんがいっしょについていてあげられるのですから、ちっとも悪いことではありません。あるいは、遠くにいるおじいちゃんやおばあちゃんが駆けつけて来てくれたのかもしれません。

 問題があるとしたら、それほど病気が良くなっていないのに、無理に園や学校に連れて行ってしまった、という場合でしょう。あまりそこで無理をすると、また病気が悪くなってしまうかもしれません。親御さんに対しては、私はよく「丸一日の余裕」が必要だとお話ししています。しっかり良くなってから集団生活に戻るようにしておかないと、またぶり返したり、こじれさせることをよく経験しているからです。

 そんな時こそ病児保育を遠慮なく使ってください、とも伝えています。朝になったら具合が良くなったかのように見えても、必ずしも治ったとは言えないからです。

 子どもは急に病気になるもの。事前の予約をしなくては病児保育を利用できないとするならば、使い勝手はとても悪いものになるでしょう。そして、具合が良くなったり、家庭で看てあげられるようになったならば、キャンセルをためらう必要はありません。

 記事の見出しにある「連絡せずキャンセル」は、確かに感心しません。困ります。でも、今わたぼうし病児保育室では、そのようなことは皆無といっていい状態です。予約者の1割ほどのキャンセルが出ますが、親御さんはちゃんと連絡をしてくれます。

 実は私たちも数年前から同様なことを経験していました。予約してあったお子さんを待っていても、なかなか現れないことがあったのです。でも、そのままにしておくことはしませんでした。保育士に指示して、親御さんと連絡をとらせ、利用の有無を確認するとともに、何よりもお子さんの様子がどうか、お聞きするようにしました。それを繰り返すうち、最近は無連絡のキャンセルはなくなったという次第です。

 先にお話ししたように、キャンセルをとがめるつもりはありません。ほとんどの場合はキャンセルは良いことなのですから。でも、お子さんや親御さんがどうされているか、それが心配ですし、その情報を的確に把握することも、私たちの仕事です。

 例えば、小学校である子どもが連絡のないままに登校してこなかったらどうするでしょうか? そのままにしておくことはないでしょう。やはり家庭に連絡をとったりすることは当然しています。

 「明日、子どもを預かってください」と頼まれていながら、そのお子さんが来ない時、そのままにしておくこともまた問題なのだと思います。家から来る途中で不測の出来事に巻き込まれたのかもしれません。もしもの時に、連絡がないことをきっかけに、早くその事態に対処できる可能性もあります。

 病児保育についての民間保険があり、わたぼうし病児保育室も利用しています。お預かりしているお子さんがケガをしてしまった時などに補償してくれるものです。この保険は、家を出てから保育室に来るまでと、お子さんを迎えに来て、家に帰り着くまでもその補償範囲にしています。

 そんな意味でも、「連絡せずにキャンセル」する親御さんも問題ですが、それを「連絡せず」にそのままにしておく保育室側もまた問題だといえます。また私たちの経験から、そんなケースがあっても親御さんに丁寧に対応していくと、親御さんとの関係も次第に密になり、お互いの信頼も生まれてくるものなのです。

 見出しにもう一つ、「軽症で『様子見』予約」とありますが、これについても直ちに問題視することはできないと思います。お子さんの具合が悪いとき、翌日どんなふうになっているかは、なかなか分かりません。子どもの病気は急に変化するものです。急に良くなることもあれば、急に悪くなることもある。

 正直に言って、診察している小児科医だって、目の前のお子さんの病状が完全に把握でき、その後の経過を完全に予測できるわけではありません。私の技量が低いのかもしれませんが、少なくとも私はそうです。医療については素人(しろうと)である親御さんに、その判断を求めるのは酷なのではないかと思います。

 記事の見出しに「受け入れ断る場合も」とありますが、これはキャンセルが出たとき、定員に余裕ができているのに、一方で利用できずに断っている事実があり、矛盾した対応になってしまう、という意味だと思います。でもそれは理論的ではありません。何もキャンセルが出たから別のお子さんの予約を断ったのではありません。予約数が定員を超えたから、先に断っていたわけです。キャンセルの有無にかかわらず、予約を受け付けることができなかった、というだけのことです。

 何が問題なのかといえば「定員」です。その地域で病児保育を行うために必要な規模が確保されていないのです。つまり、それは施設側の問題。公的な運営をしているのであれば、行政の問題ともいえます。けっして利用者のマナーに帰する問題ではありません。

 ちなみにわたぼうし病児保育室はこれまで利用希望をお断りしたことはありません。いつ、どんな形で申し込まれても、全て受け入れることを原則としていますし、それを完全に実行できています。

 わたぼうし病児保育室の「定員」は今は8名。平均の利用者数は今年度は一日あたり8〜9名程度になっていますが、しかし最高で23人という日もありました。「定員」はどうなっているの?と疑問をもたれることでしょう。

 病児保育では通常は子ども2人に対して保育士や看護士1人を配置するのが通例です。厚生労働省は市町村がこの事業を行っていると補助を出すのですが、そのときの基準としているものです。法的な根拠のある数字ではありません。

 わたぼうし病児保育室では保育士が常勤4名、パート3名で運営していますが、そこに医院から看護師がいつでも応援に入れる体制になっています(メディカルチェックは常時行っています)。正確な数はでませんが、病児保育としては「定員」が10数名ということになります。

 一方で児童福祉法に定める職員の配置基準から計算すると、今の保育士の体制で数十人の子どもをお預かりすることができます。この数字がアバウトになるのは、子どもの年齢によって保育士の必要数が変わってくるからです。ゼロ歳では「3:1」ですので、ゼロ歳児だけの利用だとすれば定員は20名ほど(パート職員の就労時間数によって変わってきます)。4歳以上は「30:1」ですので、4歳児以上の利用とすると定員は何と200人ほどになります!

 あからじめ保育士を余裕をもって確保し、施設設備も十分に整備しておくこと、そして毎日変わる病児保育のニーズにフレキシブルに対応できるよう柔軟な運営を確立しておけば、この記事で問題にされた「受け入れを断る場合」はおきなくてすむのではないか、と思います。

 私たちが公的な援助をもらわず(もらえず?)に、でもここまでの運営ができています。自治体から補助をいただいている施設に、どうしてそれができないのでしょう。よ〜く考えてみて下さい。

投稿者 tsukada : 19:25

2008年02月05日

これからも補助なし

 病児保育のことを少し書こうと思います。“あのこと”からもうすぐ1週間。そのことをどうとらえればいいか、今後はどうしていけばいいのか、なかなか整理がつかず、この「院長ブログ」でも触れずにいたことです。少しずつ考えがまとまってきましたので、今日は思い切って書こうと思います。

 “あのこと”というのは、私たちの施設=わたぼうし病児保育室に対して市からの助成が、来年度は見送られることになった、ということです。

 わたぼうし病児保育室は2001年6月開設。以来6年半ほど、市などからの公的な補助を受けることなく運営してきました。お預かりするお子さんは年々増加し、昨年度(18年度)は約1,900人、今年度はおそらく2,000人以上になるでしょう。この規模は新潟県内10数か所の同様の施設では最多です。

 保育士の人数もそれに連れて増やしてきました。当初は2名の常勤保育士から始めましたが、現在は常勤4名、パート3名。それに加えて医院から医師(私)や看護師などが健康管理などを行っていますし、事務職も兼務しています。

 収入は保育料が1日あたり一人2,000円。年間2,000人の利用があるとすると総計で400万円ほどになります。必要経費は人件費が主ですが、保育料だけではとても足りません。これまでは医院から補填してきました。その額は年間1,000万円以上。その他に保育室を新築していますので、それらの施設設備をあわせると、開設以来の累計は1億円になろうかというほどです。

 上越市は現在は「病後児保育施設」を2か所設けています。その利用は必ずしも多くなく、2か所をあわせて年間数百人程度とお聞きしています。定員を12名としていますが、利用数が少ないのは「必要性が少ない」わけではなく、「親御さんの必要性を満たすことができない」ということが主な理由ではないかと、私は考えています。

 中でも最も大きなものは、急性期の病児に対応できない、という点です。子どもは急に病気になるもの。そして、その急な事態にすぐに対応できないのは、共働きや片親の家庭では致し方ないこと。多少良くなり、病気の回復期になれば、仕事をやりくりしたり、家族に頼んだり、地域で受け入れてくれたりと、何とかなることが多いでしょう。

 その意味で、急性期の病児をお預かりすることが子育て支援にはとても大切なことです。その実現のためには小児科医の存在は必須であり、当院のように小児科に併設していなければできるものではありません。

 また、親御さんからの急な依頼に応じられるようにするためには、十分な数のスタッフが必要ですし、施設設備も余裕がなければいけません。当院は開設から今日に至るまで、依頼のあったお子さんを一人もお断りすることなく、全員受け入れています。それが私たちの誇りです。

 困難な中でも親御さんの立場を考え、地域の子育てのあり方を考えながら、民間としてはできるだけのことをやってきているつもりです。親御さんのニーズはもっともっとあります。今後もさらに利用者は増加するでしょう。それだけ必要性の高く、公共性も高い事業です。

 でも、これ以上はもう限界。というより、もうとっくに限界は過ぎています。そもそも、民間団体が任意で行う性格の事業ではないのかもしれません。こういった事業にこそ、税金をしっかり使って運営すべきでしょう。それによって事業の安定性や、さらなら需要に対応できるよう事業の拡大も可能になります。

 ところで上越市には「次世代育成支援5か年計画」があります。政府の主導で全国の自治体が策定したものですが、具体策は自治体ごとに練り上げられ、行政の責任で実行するとしています。上越市の計画には、この病児保育についても触れています。

 現在行われている2か所の病後児保育施設をさらに拡充するとともに、21年度には「病児保育」を始めるとしています。さらに、昨年の市議会で市長は、この計画に積極的に取り組み、前倒しして実施すると答弁しました。21年度を前倒しするというのですから、20年度中には実施すると約束したと、私たちは思っていました。

 先にお話ししたように、病児保育には協力する小児科医が必要です。それそうとうの施設設備もなければなりません。上越市が病児保育を新たに始めるとしたら、病後児保育施設のような小児科医のいないところで単独で実施することは不可能です。小児科医のいる医療施設に依頼し、委託することになるのは、当然のことでしょう。

 すでに当院にはわたぼうし病児保育室があり、それなりの実績をあげています。つまり、市として病児保育を実施する段階で、まずはわたぼうし病児保育室の事業を市としての取り組みとしてとらえ、必要な経費を援助する・・そんなふうになるものと考えていました。

 市の担当部局とはそんな経過をふまえてお話をしてきたのですが、最後の結論は「わたぼうし病児保育室への助成は20年度はしない」というもの。

 その決定の意味することを、市の方々は十二分にご存じだと思います。民間団体への補助をどうするか、というレベルの問題ではもうありません。市として市民に約束した「病児保育の実施」という方針を破棄することです。少なくとも20年度についてはそうです。

 どうしてこんなことになってしまうのでしょう。地方財政が逼迫しているから? 少子化社会をふまえて、次世代の育成に積極的に取り組むという姿勢が、そこには見えてきません。

 話の筋道を間違えているのかな、とも思います。わたぼうし病児保育室への補助をするために「次世代育成支援5か年計画」ができたわけではありません。それは市として独自に練り上げ、作ったものです。それを実行に移すにあたって、わたぼうし病児保育室の存在を認め、その運営費の一部に公費を導入してはどうか、という提案が市役所の中で検討されてきた・・そんな経過を、もう一度思い起こしてほしいのです。

 わたぼうし病児保育室は次の年度も補助なしでやっていきます。もともといただいていなかったのですから、これまでと同じ運営方法をとっていくだけです。利用者の方に、このことでご迷惑をおかけすることはありません。それは私がお約束します。

 ただ残念なのは、市の施策として病児保育に取り組むことが先延ばしされたこと。「もうすでに民間でおこなっているのだから、市として行う必要はない」・・そんな声が市役所から聞こえてきそうです。困ったことです。

 私たちは民間でやっているので、お役所仕事はしていません。これも誇りに思っています。たえず業務を見直し、フレキシブルに対応することもできています。親御さんの必要性と子どもたちの健康や幸せが第一の関心事です。そんな「思い」をこれまでも育ててきましたし、これからも真心をもって育てていきます。

 お役所の論理は分かりません。どんな交渉術をすればいいかも知りません。というより、知りたいと思いません。そんなことに時間とエネルギーを浪費するのは、もうやめます。

 市政を担っている方々へ。上越市における病児保育はどうあるべきか、すでに活動しているわたぼうし病児保育室をどう位置づけるか、それらがしっかり固まって、必要だと思うのでしたらどうぞお声かけして下さい。私たちは今と同じスタンスで、病児保育を実践し続けていますから。

投稿者 tsukada : 23:19

週刊「アエラ」

 私がまず必ず読んでいる週刊誌に「アエラ(AERA)」(朝日新聞社)があります。日曜の朝刊といっしょに宅配されるので、タイミングもバッチリ。日曜の朝は、この週刊誌を読みながら過ごしています。

 その内容も興味深いものが多く、読んでためになるものも少なからずあります。政治や経済などは医者である私には門外漢の話ですが、勉強になります。

 そんな週刊「アエラ」の今週号です。

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 表紙は有名人の顔写真を使っています。今週はポール・スミス氏。彼の名を冠した男性衣料品はとても人気があります。

 私も大好きで、ときどき着ています。先日も東京に出張した際、用が終わって新幹線に乗るまで1時間ほど余裕があったので、タクシーで銀座に急ぎ、気に入ったブレザーやシャツを何着か買ってきたほどです。

 そんなポール・スミス氏のお顔を拝見するのは初めてです。なかなかの紳士で、かっこいいですね。

 もうお気づきかと思いますが、週刊誌のタイトル「AERA」がポール・スミスのカラーになっています! 何とおしゃれ(*^_^*)

 こういった週刊誌の誌名は、一説では“神聖”なものだというのです。誌名が他の文字でかぶってしまったり、崩れてしまったら“その筋”(どのスジ?)からおとがめがあるのだと、ある編集者がTVで語っていました。

 そんな“常識”から考えたら、誌名をポール・スミスのカラフルなカラーで描いてしまったなんて、天地がひっくり返ったような出来事。今週号が発行されたあと、大問題になっていないか、ちょっと気になりました。(私が心配することでもないのでしょうが)

 日曜の朝、配達された「アエラ」を手にして、どこかいつもと違うな・・。誌名に気づいたあとは、お堅いと思っていた朝日新聞にもしゃれっ気が通じるんだと思い、ちょっと嬉しくなりました。

 そんなつまらない報告です。

投稿者 tsukada : 14:54

2008年02月04日

ハンドボールの兄弟子!?

 先週、ハンドボールの大会で日本中が大盛り上がりしていました。日本対韓国戦。男女とも負けてしまったのは残念ですが、これだけハンドボールが注目され、大勢の観客から応援されたのはかつてなかったことでしょう。

 この“大会”が開催されるきっかけになったのはアジア大会での不正な審判があったから。「中東の笛」と呼ばれているジャッジが問題にされたからです。

 初めてこの「中東の笛」という言葉を聞いたとき、耳障りの良いものでした。優雅な響きで、高貴なイメージがありました。でも内容を聞いたら幻滅。最低、最悪(>_<)

 スポーツマンシップという言葉を持ち出す以前の状態。とてもスポーツだはいえません。“前近代的”な状態は、いずれ改善されることでしょう。そのためにも、正常な試合を世界中で展開することです。それができないチームや国は相手にするのはやめましょう。

 ところでこの問題が注目されてから、日本ハンドボール協会会長の渡辺氏がよくニュースに出てきます。どこかでお会いしたことがあるような気がしていましたが・・やっと思い出しました。私の大学時代の体育教師でした。

 渡辺先生はその当時からハンドボールの専門で、確か全日本チームの監督をしていたと記憶しています。なかなかの方だったのですね。

 その渡辺先生から私もハンドボールを習いました! 今活躍中のハンドボール選手よりも私の方が“兄弟子”!!

 もっとも私は授業で少しやっただけで、今はルールも忘れてしまっているほど。大きな顔をしてすみません(-_-)

投稿者 tsukada : 22:56

病児保育の子どもたち

 今日は暦の上では立春ですが、まだ春は遠いようなお天気です。今週いっぱいは寒気がいすわり、新潟は明日からまた雪になるようです。

 今日は当院に併設しているわたぼうし病児保育室で、一日遅れの「節分」を子どもたちに楽しんでもらいました。保育士の手作りです。

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 病気になって保育園や学校やお休みしなくてはいけない子どもたちですが、体調の許す範囲で遊んだりしながら、楽しく時間を過ごすことは必要です。それがまた元気を取り戻すエネルギーになるのでしょうね。

 インフルエンザは当地では大流行中。今日一日で67名の新しいインフルエンザ患者さんを診療しました。まだまだ増えそう。

 全国のどこでもこの傾向は同じでしょう。ちょうど受験シーズンにもあたっています。どうぞ体調に気をつけてお過ごし下さい。

 くどいようですが、マスク、うがい、手洗いをこまめに。もしかかってしまったら無理をせずゆっくり休むこと。そして、咳やくしゃみをする時には口や鼻をおおうという「咳エチケット」もお忘れなく。

投稿者 tsukada : 18:08

2008年02月03日

頂き物

 先日、ある方から贈り物を頂戴しました。

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 まるで桐の箱のように見え、何が入っているか興味津々。開けてみるとそれはイチゴでした。ずいぶんと高価な物のようで、大粒のイチゴは大切にくるまれていました。

 最初は桐だと思ったのですが、そうではありませんでした。フタの裏には・・

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 熱帯の樹木から作られているの物だそうです。きっと安価で大量にとれるのでしょう。それを見て安心しました。

 イチゴごときに・・と言ってはイチゴに失礼ですが、本当に桐の箱に入れるとしたら、やり過ぎですよね。

 でも、こんな木がほしいな(^_^) 自宅に植えておけば、いくらでも材木がとれそう。私の場合はもちろんストーブ用の薪にします。1本あるだけで毎冬の薪は十分まかなえそう。

 もっとも、熱帯の樹木を日本にもってきて、それも雪国でまともに育つことはないでしょうね。お粗末でした。

 それにしても木の箱を使うのはもったいない。紙のパッケージで十分ではないのかな。多くの家庭では、そのまま燃えるゴミとして捨てられてしまいそう。

 しかし、我が家にとっては「貴重な資源」。箱を崩して、薪ストーブの焚き付け用に使うつもりです。第2の役割を果たすことができるだから、我が家に来た木の箱は良かったですね。

 もっとこのイチゴをもらってあげてもいいですよ(^^;)

投稿者 tsukada : 10:29

2008年02月01日

如月(きさらぎ)

 今日から2月。一年で一番寒さが厳しく、過ごしにくい月かもしれません。インフルエンザの流行も、例年2月の上旬がピークになります。今年もそんな気配です。

 いつも思うのですが、最も短い日数である2月が、どうしてこんなに“虐げられる”のだろうと。とても可哀想な月に思えてきます。

 今年は4年に1回の「閏年(うるうどし)」ですが、それでも他の月より2日か3日足りません。何だか不公平な感じがしてしまいます。

 でももしかしたら、そんな「不幸を背負った月」だから、早く終わるように短くしてあるのかも。

 真相は分かりませんが、そんな2月が始まりました。今日も冷え込みがきつく、春はもう少し先までおあずけのようです。体調に気をつけながらお過ごし下さい。

PS 今月の「こども通信」をHP内にもアップしました。「インフルエンザと行動異常」、「難聴を防ぐワクチン」などのお話もしています。どうぞお読みになって下さい。

投稿者 tsukada : 23:59