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2007年08月31日

学歴詐称

 学歴を偽って問題になるケースはときどきあります。大学を卒業していないのに「大卒」と書いたり、大学名を変えたり、留学して学位を取ったかに見せかけたり。

 これまでに問題になっているのは、自分を「大きく」見せようとして学歴詐称をするというものでした。でも、ときには「小さく」見せようとして、問題になる場合もあるのだということを知りました。

 いくつかの自治体ですでに問題化していますが、今回、横浜市では学歴詐称で466人が懲戒処分されたそうです(最終的にはもっと増えるとのこと)。その全てが、大学卒なのに高校卒とするなど、学歴の上の方を申告していなかったとのこと。

 採用条件に「高校卒業まで」という条件が付いた職種へ応募する際に、それを超える学歴を正直に履歴書に書かなかったための処分です。正しくないことを履歴書に書いてはいけない。それが「学歴詐称」だというのは、確かに根拠のある話のように聞こえますが・・でも納得できません。

 そもそも、高校卒業までなどとする採用条件が問題にはならいのでしょうか。高校を卒業したあと、さらに大学や専門学校に行って学ぶことで何が問題になるのか、理解できません。学問に対して向上心をもって、もっと勉学に励んだことを、どうしてマイナスの評価をされなくてはいけないのでしょう。

 私は大学卒ですが、医学部ですので高校卒業後6年間勉学をしてきました。幸い医師国家試験に合格し、こうして医師として仕事をしていますが、もしその試験に受からなければ、ただの大学卒業生です。医療の中で専門的な仕事ができません。医療以外で仕事をしたいと思ったとき、このような「高校卒まで」とする職種に応募できない状態はおかしくないですか? 長く学んだことを、給与面や待遇面で生かすことができそうにありませんが、それを分かって応募しているのですから本人の責任。それよりも「門前払い」にされることに、きっと納得できないでしょう。

 運転免許にたとえると分かりやすいでしょう。原付自転車の運転が必要な職種だとします。私は普通自動車の運転免許を持っていますので、当然原付も乗ることができます。しかし、それはダメだというのが、この採用条件です。あくまでも「原付免許だけ」を持っている人が対象。それ以上の免許を持ってしまっているのは不可。もちろん、自動二輪の免許で原付を運転することもまかりならない、ということです。

 採用されたあとにさらに勉強を重ね、大学卒などの資格をとるというのも認めないのでしょうか。昼間働きながら夜学に通ったり、通信教育を受けたりしながら頑張っている学生さんはたくさんいます。社会に出て働いてみることで、もっと学問を学び、それを自分の教養や人格形成に役立て、結果としては仕事面でも資することは多々あるように思います。

 今回の懲戒処分はどうしても納得できません。何も私に対してなされた処分ではないことは分かりますが、しかし大学で6年間学び「高学歴」を持っている者としての私の存在を否定されたような気持ちでいます。今回の処分にどうしても承伏できない方がおられると思います。ぜひ裁判で闘って、採用条件そのものが社会通念に反するもので無効だ、という判決を勝ち取ってもらえませんか。そこまで勇気のある方、ぜひお願いします。若干のカンパも差し上げたいと思いますので、どうぞご連絡下さい。

投稿者 tsukada : 23:59

振り込め詐欺被害

 先日(8月24日)の「院長ブログ」で、振り込め詐欺に気をつけて、と書きましたが、そこ訴えもむなしく(?)被害に遭った方がおられました。今日の新聞の記事です。

「裁判所通知装う振り込め詐欺
糸魚川市の50歳代の女性が振り込め詐欺にあい、440万円をだまし取られたとして、8月31日までに、糸魚川署に被害届を提出した。
 調べでは、女性は自宅に郵送された「民事訴訟裁判通知書」と書かれたはがきを見て、連絡先に電話したところ、「東京地裁にあなたの書類が回っている。一刻の猶予もない。弁護士に解決してもらうしかない」などと言われ、指定された弁護士事務所に連絡。弁護士を名乗る男に「訴訟取り下げのため、供託金が必要だ」などと言われ、同市の金融機関から指定された口座に、16回にわたり、合計440万円を振り込んだ。
その後、女性は不審に思い、インターネットで調べたところ、詐欺の手口だと気付いた。
(新潟日報2007年8月31日)」

 写真などはありませんが、記事の内容から推測すると、私のところに来たものと同じ葉書のようです。きっと大量に郵送しているのでしょう。ときに善良な方のもとに届くと、こんなとんでもない事件に巻き込まれてしまいます。

 一見すると、どうしてそんなにも大金を送ってしまったのか、途中で気づかなかったのか、などと疑問に思わなくもありません。でも、犯人グループは動揺するターゲットに向かって、執拗に魔の手を伸ばしてくるのでしょう。その手口は、プロの犯行集団のもの。被害に遭われた人には、同情を禁じ得ません。

 かつての「オレオレ詐欺」は、その手口が知れ渡り、次第に被害にあう人が少なくなってきたのか、最近はあまり聞きません(実際のことは分かりませんが)。その後は様々な悪知恵を働かせ、新種の詐欺が次々と生まれてきているようです。今回のような手口がだんだん通用しなくなれば、また新しい騙しの手法を編み出すことでしょう、もっと巧妙な。

 被害に遭わないよう、私たち市民の方がしっかりと相手をみすえなくてはいけません。でも、それって限界がありますよね。疑うことを知らずに生きてきたお年寄りの方に向かって、人を見たら泥棒と思え、と猜疑心を進めているのですから、おかしな世の中です。

 もっと重要なことは、一つひとつの詐欺事件をしっかり立件し、犯人らを逮捕、そのグループを根こそぎ無くすことです。「一罰百戒」という言葉がありますが、それではダメ。捕まらなかった99%は公然と詐欺を続けていくでしょうから。

 全ての犯人を捕まえ、刑に処するという「百罰百戒」だけが振り込め詐欺を根絶する方法です。1%の取り残しもしない! そんな決意を警察から聞くことができないのは、残念なことです。

投稿者 tsukada : 23:45

暑い夏でした

 8月が今日で終わりです。振り返ってみると「暑い・暑い」と毎日文句を言っていたような気がします。「猛暑日」という言葉が今年から使われるようになりましたが、今年は連日「猛暑日」のオンパレードだったのは、ご祝儀?

 確か春には、今年の夏は「冷夏+渇水」になりそうだという予報が出ていたように思います。梅雨入り後の大雨で水不足はなくなり一安心。しかし7月はなかなか梅雨があけず、8月に入って梅雨があけたと思ったら、この通りの激しく暑い毎日。結果としては「猛暑」だったわけで、気象情報ってどこまで頼りになるか、分からなくなってきました。

 ここ数日はやっと気温が下がっているようです。早くも秋雨前線が発達しているのだとか。またまた大雨の心配があります。涼しくなるのはいいのですが、すっきりしないお天気は、やはりいやですね。

 今週は、早い学校ではすでに2学期が始まっているところもありますが、多くは来週からのスタートのようです。長いお休みで生活リズムや食生活が変わっていた子も多いでしょう。猛暑で夏ばて気味だったお子さんもいるかも。体調を整えて、縁や学校の集団生活を再スタートしてください。

投稿者 tsukada : 23:30

2007年08月30日

500,000アクセス達成

 このHPへのアクセス(正確にはトップ・ページへのアクセス)が本日、500,000を突破しました。ときどき私自身も見ていましたが、確か午後4時前だったようです。

 1999年の開設から8年。HPを始めたのが8月の確かほとんど末日に近かったように思います。ちょうど同じくらいの月日になったようです。偶然ではありますが、それもシンボリックな出来事で、嬉しいです。

 さっそくお祝いのメールなどもいただきました。その中には私が師と仰ぐ方もおられます。何か分からないことや、新しいことを始めようとするとまずは相談してみる方。そして、いつも丁寧に教えてくださり、とくに技術的なことでも、コンピューターやウェッブ・デザインに素人である私が何とかHPを作成し、維持できるようにしてもらっています。ありがたいことです。

 多くの方にHPを見ていただいていることをとても嬉しく思います。なにかしらのお役に立てていれば、光栄です。

 GoogleやYahoo!の検索サイトから直接アクセスしてくる方も多いですね。今の季節では「ヘルパンギーナ」「プール熱」など、夏かぜに関する用語の検索が多いです。これが冬になると「インフルエンザ」「タミフル」といった単語が上位にならびます。そんなところをみても、季節を感じるのが小児科医療の面白いところでしょうか。

 さて、こうなると次の目標はもう一桁多い「1,000,000アクセス」です。何年で達成できるか分かりませんが、引き続きこのHPを作り続けていきたいと思います。

 HPは終わりがありません。一度書き込んでも、新しい知見が分かって書き直す必要がときどきでてきます。加除訂正はしょっちゅうです。新しいテーマへの記述も次第に増えていきます。何よりブログはほぼ毎日書き込んでいます。

 変化を続け、そして進化し続ける・・このHPを通じて、それがインターネットの世界のセオリーなのだと感じているところです。

 これからもどうぞよろしくお願いいたします。

投稿者 tsukada : 23:14

2007年08月29日

カウント・ダウン

 私がホームページ(HP)を作ったのが1999年8月。ちょうど8年になります。今では医療機関のHPはあまた多数あります。ほとんどの病医院は何らかのHPを持っているとってもいいかもしれません。そんな中では「老舗(しにせ)」になってきたのかな、などと若干の自尊心も芽生えています。

 トップのページにカウンターを設置していますが、もうすぐ50万に達します。一つの大台に乗るのも、もう少し。毎日300ほどカウンターが進んでいるので、おそらく明日には50万アクセスを超えることのなるでしょう。いよいよカウント・ダウンが始まりです。

 といってもこのカウンターがHPへ訪れる方の総数を示しているわけではありません。あくまでのカウンターの設置してあるページ(左のフレーム)にアクセスした方の数ということになります。

 このHPのウリは2つほどあると思っています。一つは子どもの病気や薬などについての知識がある程度まとまっていること。実際にGoogleやYahoo!で検索すると、けっこうこのHPが検索結果の上位になっていることがよくあります。嬉しい限りです。

 もう一つはこの「院長ブログ」。できるだけ毎日書き込んでいます。内容は私の周りの日常的なことから始まって、政治や社会の問題についても、自分の目線で思うことを書き綴っています。一つのテーマを決めて書いていることが多いのですが、最初から知識や結論がちゃんとしているわけではありません。ブログを書きながら自分の考えをまとめたり、深めたりしています。そんな意味では、自分自身のために書き続けているようなところもあります。

 HP全体の閲覧は、最近は毎日15,000ページービューほど。1ページだけを見る人もいれば、数ページをお読みになるかたもおられるでしょう。HPにお越しになる人の正確は数はなかなか分かりませんが、1日あたりおおむね10,000人ほどではないかと推測しています。

 それぞれのページ毎にどれくらいアクセスされているか、毎日の統計が管理者である私に報告されてきます。一番多いのは「Q&A」で1日あたり7,000ページほど。次が「薬の情報箱」で約5,000ページ。3位は「ヘルス・レター」で2,500ページ。以下、「院長ブログ」が約3,000ページ、「医院紹介ビデオ」が700件・・と続いています。

 季節的な変動が大きいのも特徴です。子どもの感染症が多くなる冬場は、この数字の倍程度になっているようです。いずれにせよ、日本中から、ときには海外から多くの方が毎日HPを訪問していただいていることに、大変感謝しています。

 これからも、どうぞよろしくお願いします。

投稿者 tsukada : 22:13

2007年08月28日

4本のナット

 昨日のこと、当院の目の前で自動車のタイヤがはずれる(!!)という信じられない事故がおきました。走行中に乗用車の左前タイヤが完全にはずれ、タイヤはブロック造りの花壇に乗り上げて止まり、自動車は急停車しました。

 幸い乗っていた女性の方にケガはなく、はずれたタイヤが人に当たったりするようなことはありませんでした。しかし、もし数メートルでもその場所がずれていれば、当院の駐車場にタイヤが飛び込んできて、患者さんなどに当たって一大事になるかもしれないところでした。あるいは、交通量の多いところで起きていれば、大きな交通事故になっていたかもしれません。

 思わず身震いするような事故ですが、問題はなぜタイヤが外れたのかということ。1本のタイヤは4組のボルトとナットで留められています。そのナットの全てが外れたわけですが、それらのナットの全てはタイヤ脱落位置の数十メートル前から転々と落ちていて、全て回収されました。ボルトには傷はなく、スルスルとナットが外れていたそうです。

 タイヤ脱落はそれほど珍しくはないのだと、自動車整備業の友人が教えてくれました。当地では冬用のタイヤと夏用のタイヤを交換しながら使います。年に2回は着脱するわけですが、それを素人が行うと締め付け力(トルク)が緩くて、走行中に脱落してしまうこともあります。それもだいたいは左側が多いのだそうです(左側タイヤの回転方向が、ネジの緩む方向と一致しているから。そのため大型車は、左側タイヤは左ネジを採用しています)。

 しかし、そのようなケースでは1本のナットが先にはずれ、その後次第に他のナットも外れていき、最後にタイヤが脱落する経過をとるので、やや時間がかかるようです。また、ボルトのねじ山も傷が付くことでしょう。一挙に4本がほぼ同時に外れてしまうという今回のトラブルは、異質のようです。

 実は事故を起こした自動車は、ディーラーから貸し出された“正規の”代車でした。素人がタイヤを取り替えて締め付けが甘かったなどということとは全く違います。プロの整備士が、専用の電動ドリルを使ってナットを取り付けたものです。

 ではいったい何がおきたのでしょう。今日この会社に問い合わせてみましたが「調査中」とのこと。直接の関係者ではないから事実を明らかにしないという姿勢かもしれません。それでは、私が推理してみましょう。

 全てのナットが同時に外れたということは、4本とも「同じ程度に」緩く取り付けられていた、ということになります。一挙に全てが同時に外れたとすれば、ボルトのねじ山が無傷だったことも説明できます。問題は、どうしてそんなことがおきたかということ。

 タイヤを取り付けるとき、4本のナットを仮止めします。それをせずに、いきなり1本のナットを最大のトルクで締め付けてしまうと、タイヤが曲がって装着されてしまいます。タイヤはそうとう重いので、ゆがんでついてしまうのです。その後、電動ドリルを使って十分なトルクでネットを締めます。その順番も決まっていて、対向するナットを順に締めていきます(例えば上のあとは下、右をしたら次は左)。

 この手順を途中まで守っていたとしたら、今回の事故は十分説明がつくように思います。つまり、仮止めはちゃんとしたけれど、そのあとの本締めをしなかった、ということです。

 以上はあくまでも私の推測です。もしそうだとしたら、明らかに人為ミス。大きな事故には至らなかったけれど、あってはならないこと。それをプロたる自動車整備士が行い、正規の代車として一般の方に貸し出しました。

 事実がどうであったか、この会社がどれくらい丁寧に対処していくか、推移を見守りたいと思います。トラブルはすでに起きてしまいました。その事実をきちんと調べ、今後同様なことが起きないようにするには何が大切で、何をすべきか。それをしっかりと明らかにしてほしいものです。

 それができなければ、いずれまた同じ事故を起こしてしまうかもしれません。あるいは、もっと重大な事故に至るかもしれません。後悔しないように、今すべきことをしっかりとしておきましょう。

投稿者 tsukada : 21:17

2007年08月27日

1枚のワッシャー

 たった1枚のワッシャーが、重大な事故を起こしてしまいました。それは先日(8月20日)に起きた中華航空の事故。まだ記憶に新しいです。

 ボーイング737ジョット機は那覇空港に到着直後、燃料が漏れて爆発炎上。幸い乗客157名と乗員8名は全員無地脱出できましたが、避難直後に大きな爆発とともに、機体は全焼しました。

 乗客の避難する様子、そして炎上する様子がほぼリアルタイムに流され、とてもショッキングでした。そして、燃料タンクに突き刺さった1本のボルトと、それによって空いた数センチの穴を、タンクの中から撮影した1枚のスチール写真も、また衝撃的でした。

 フラップと呼ばれる制御装置を固定しているボルトが脱落し、着陸後に格納されたフラップと燃料タンクの壁との間に押しつけられ、タンクに穴を開けたと推測されています。その穴から大量のジェット燃料が漏れ、大事故につながりました。

 ボルトはナットで留めますが、それだけでは締め付けが安定しないので、ナット側にワッシャーを敷きます。5円玉に似た形で、真ん中に穴の空いた円形の金具です。そのワッシャーが、今回の事故機にはつけられていなかったというのです。

 写真を見ましたが、確かにそうです。ボルトにナットだけが付いていて、そのナット側がタンクに突き刺さっていました。フラップを固定する箇所は、ナットの直径より大きな穴だということで、ワッシャーをつけなければ容易に脱落してしまいます。

 では、このミスがどの時点で起きたのか、議論になっています。製造段階から着いていなかった可能性は、どうもないようです。というのは、もし最初から着いていなかったのなら、もっと早い段階で脱落していただろうからです。就航後の整備で見つかっていないということもあります。

 おそらく航空会社の整備ミスでしょう。それも、直前に起きたことのようです。なぜなら、着けるべきワッシャーが問題の箇所から発見されたというのですから(他にボルトの脱落を防ぐ部品2つも一緒に見つかっています)。

 高速で空を飛んでいるジェット機から、厚さがわずか数ミリ、直径数センチの金具がこぼれ落ちることなく、その場にとどまっていたということは・・整備ミスは、おそらくごく最近起きたものだと想像できます。

 そのミスとは、一度外したボルトを着け直す際に、最初は着いていたワッシャーと脱落防止用部品の3点を装着することなく、ナットだけ締めたということになります。そのナットが、空いている穴より小さいものだということは、先にお話ししたとおりです。

 明らかに整備員の人為的なミスですが、どうしてこのようなことをしてしまったのか、理解ができません。ボルトにナットを使うときには、ワッシャーは必ず使うものだということは、私は中学校の技術家庭で習った記憶があります。一般人の常識でもありますが、プロとして教育を受けた者が知らなかったということは、ないでしょう。

 わざとそうした、という可能性はとても考えにくいです。推測ですが、作業の途中でワッシャーなどが落ちてしまい、それを拾うことをさぼって、残ったナットだけ締めた・・。

 こんなことが起きていたとすると、戦慄する思いです。わずか1本のワッシャー(きっと1円もしないでしょう)を着けなかったために、100億円くらいするジェット機が灰になってしまいました。乗客乗員に負傷者が出なかったのが不幸中の幸い。しかし、ほんの数分でも爆発炎上するのが早かったり、避難が遅れていたら、大惨事になっていたことは十分に予想できます。

 技術の粋を集めた最新鋭ジョット機であっても、それを整備する者がほんのちょっと間違ったことをしただけで、とてつもない大きな事故につながってしまいます。私たちの社会がより高度になればなるほど、こういったことが起きてしまう可能性がさらに増えてくることを、しっかり肝に銘じておく必要があります。

投稿者 tsukada : 23:59

2007年08月26日

Gackt人気

 謙信公祭が昨日と今日、当地(新潟県上越市)で催されました。今年はGacktさんが謙信公としてパフォーマンスを見せてくれたので、異常なほどの盛り上がりになりました。

 昨日は何と8万人もの人が集まったのだとか。毎年行われている祭ですが、もちろんこんなにフィーバーしたのは初めて。そして・・最後かも(-_-)

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(謙信公祭を伝える地元『上越タイムス』)

 会場近くに駐車場がないということで、少し離れた場所を臨時駐車場にし、シャトルバスで送迎していましたが、満員御礼状態。それに乗れなかったのか、歩いて会場を目指している方も少なくありませんでした。

 若い女性が多かったのですが、真っ黒の上下の服を着ていて、きっとGacktファンなんだろうな、ってすぐに分かりました。炎天下を黒装束(?)で歩いているのですから、熱中症にならないか、心配(老婆心?)。

 聞いた話ですが、昨日は当地のタクシーはパンク状態。頼んでも受けてくれない、電話もつながらない・・。そんなこと、上越市始まって以来かも。

 近くのお店には、段ボールをもらいに来る人が多かったのだそうです。カンカン照りの中、アスファルトやコンクリートはそうとう暑くなっていたのでしょうね。ただの敷物ではお尻がやけどになってしまいます。段ボールは優れた熱遮断効果があることを、実証してくれました。

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 ということで、私も地元の人間として行かないわけにはいきません。Gacktさんを一目見ようと馳せ参じようと・・多少は思ったのですが、猛暑の中、外に出るのは危険だと医者に止められています(ウソ)。クーラーの良く効いたところで、土曜の午後をゆっくりと過ごさせていただきました。

 何人もの方からお聞きしましたが、やっぱりGacktさんはカッコ良かったそうです。彼が白馬に乗って現れると、会場が騒然としたとか。Gackt人気、恐るべし!

PS 写真は知人からいただいたもの。Gacktさんが白馬にまたがって行軍しています。Gacktさんが出演(?)することになり、急きょ警備が数百人に強化されたそうです(きっとNHKも気がかりだったでしょう)。でも写真で見る限り、警備員は会場を向かず、Gacktさんを見ています。急ごしらえの警備だったようですね。プロだったら失格ですよ。

投稿者 tsukada : 21:14

2007年08月24日

振り込め詐欺にご用心

 皆さん、こんな葉書が届いても何も心配はいりません。

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 「振り込め詐欺」集団が作っている、安っぽい詐欺道具です。気にせず破り捨てましょう。どうしてもご心配な方は警察か、消費者保護のための団体などにご相談下さい。くれぐれも、この電話にかけてしまうことのないように。相手の手中に陥ってしまいます。

 それにしても、こんな葉書がいきなり届けばビックリしますよね。もっともらしい(実際は下手くそな文ですが)言葉が並んでいるので、ほんとうに訴訟でも起こされたのかと思ってしまう方もいるかも。

 普通の人にとって、裁判とか訴訟などという言葉に縁がありません。そんな法律関係を装っているのですから、面食らうのは当然です。

 でも、もし裁判に関係した重要な文書であれば葉書で届くことはありえないでしょう。印刷されているのも、いかにも大量に作って投函しているというのが良く分かります。この写真では修正しましたが、印刷は斜めに曲がっていました。ちゃんとした印刷屋を使っていないことも分かっちゃいます。

 実は全く同じ葉書が、半年か1年前にも届いています。最初にこれを見たときは、正直に言って私も一瞬「何だ!?」と思ってしまいました。もちろんそれが新手の「振り込め詐欺」だとすぐに分かり、放っておきましたが、気にしてはいました。でもその数日後、また同じ葉書が到着。次の督促状のような形式であれば、向こうもそれなりに工夫していると認めてあげてもいいのですが、文面も全く変わりなく、「裁判取り下げ期日」のところだけ先の日にちになっていました。

 それからもうそうとうたっているのに、まだまだ同じ手法で詐欺をはたらいているですね。あきれかえります。きっとこの間で、「美味しい思い」をしていたのでしょう。逆に言えば、被害に遭った人がいるから、まだ続けているのですね。

 この文面だけでは刑法犯罪にひっかかるかどうか分かりません。しかし、振り込め詐欺を働いているのは確かでしょうし、実際にその被害者もいます。これまでの経過から、こういった葉書を作って送りつけることだけでも、詐欺の未遂にあたるのではないでしょうか。

 これまで、しっかり振り込め詐欺の捜査をして、犯人グループを検挙し、これらの犯罪者集団を一つひとつつぶしていくことがどれくらいできているのでしょう。疑問です。

 警察もそれなりの対応をしていると言うかもしれません。でも敵は手強いです。推測ですが、アンダーグラウンドの組織、つまり暴力団などの資金源になっている可能性もあります。一筋縄ではいかないのは見えています。それだけに、一般の市民を守ることに全力を挙げてほしいのです。

 善意の人たちを、悪意をもつ者どもや団体からの触手にかからないようにすること・・それは、安心して過ごすことのできる社会を作ること、そのものであり、警察や行政、司法、あるいは立法など、あらゆる「権力」が権限を尽くして行うべきことです。

 警察などに相談しても、こんな葉書にいちいち反応しなくてもいいと言われそうです。でも、違うんですよ。こんな葉書くらいのことも解決できなくて、どうして私たちを守ることができるのですか!?

 今の警察ではなかなかできないというのであれば、動ける警察を作るべきだし、他の組織を使ってでも直ちに解決すべきです。今の法律で取り締まることができないというのであれば(実際にはやればできると思うのですが)、必要な法律を作ればいい。国会や政治家はいったい何をしているのでしょう。

 振り込め詐欺の葉書を手にとって、直接この犯罪者集団に対して怒りを覚えます。それだけではなく、それを“放置”しているこの国(一応「法治国家」と呼ばれているが)のあり方に対しても無性に腹を立てています。

投稿者 tsukada : 14:46

2007年08月22日

大停電の危機

 今日も猛暑の1日。東京は電力不足も心配されていました。柏崎の原子力発電所が地震の影響で運転停止になっているところに「予想外」の猛暑が加わり、電力供給量がギリギリだったということです。

 使用していない水力発電所を稼働させる一方で、工場の操業をやめてもらうなどの対策をとって、何とか切り抜けたようです。まさに綱渡りの1日でした。

 もしもどこかの発電所でトラブルがあれば、一挙に電力不足になってしまいます。もしもそんなことがおきてしまうと、都会を大きなパニックが襲うことになったでしょう。

 真夏の昼間、電気がこなければクーラーを使うこともできませんし、自家発電をもっていない営業所などでは仕事が全くできなくなります。市民生活に大混乱が生じますし、もしかしたら熱中症などが多発して、生命の危険を伴う高齢者などが続出するかもしれません。

 そんな事態にならなくて、本当に良かったですね。明日以降もまだ暑い日が続きます。少しでも電力消費量を少なくするよう、都会の人たちもぜひ協力していてほしいと思います。

 今回の電力不足のきっかけになったのは、中越沖地震によって原子力発電所が止まったこと。以前も書きましたが、私のすぐ隣の市に、それはあります。そこで作られる電力は、新潟県では使われず、東京電力が首都圏に供給しているもの。

 原子力発電所のもつ大きなリスクを背負うことなく、その“恩恵”だけを享受していることを、どれくらいの方がご存じなのでしょうか。電気を節約しようと、どれくらいの企業や家庭が努力しているのでしょうか。

 そんなふうに考えると、今日のような「危機的な状況」をトラブルなくやり過ごすことができたことは、良かったことと手放しで喜んでいてはいけないような気持ちもあります。人間は痛い思いをしないと、なかなか自分のこととして思いめぐらしてくれないものですから。

 そうは言っても、やっぱりこの暑さは異常ですね。実は私は今日の午後、東京にいました。急な所用があり、午前の外来が終わったあと午後一番の新幹線に飛び乗り、出かけました。

 午後3時20分、東京駅のホームに降りたとたん、ムッとするような猛烈な暑さ!気分が悪くなりそうでした。こんな天気が続いているのであれば、冷房をぜんぶ止めてしまったら本当に大変なことになってしまうだろうということも実感。

 ちなみに今日の東京出張は正味の滞在は3時間。出かけて帰るまで7時間半、往復で600キロ。「首都圏大停電」の心配もありましたが、明日の診療には差し支えないように帰ってこれました。

投稿者 tsukada : 22:44

2007年08月21日

馬インフルエンザ

 「馬インフルエンザ」が日本で流行しているとのこと。競走馬の中で感染が広がり、各地で競馬が中止になっています。ファンにとっては一大事でしょう。

 「馬のインフルエンザ」については、私も知りませんでした。調べてみると、けっこう昔から問題になっているようです。これまでも競馬が中止になるような事態が、ヨーロッパなどでも繰り返しているのだそうです。

 症状は人間に似て、咳、鼻水、発熱などの呼吸器症状が主のようですが、全身状態が悪くなることはそれほどなく、それほど重症にはならないようです。そうは言っても、集団発生してしまい、運動させられなくなるので、やはり予防は必要になります。このあたりは、人間と似ています。

 確実な予防法はワクチン接種・・これも人間と同じです。ワクチンは競走馬に義務づけられ、定期的に接種していないと登録を抹消されるのだそうです(この点は馬の方が厳しいよう)。

 ワクチンの効果が限定的なのも似ています。残念ながら予防接種を受けて100%の効果があるわけではないようです。しかし、ワクチンをしていない馬に比べて発症率は低くなることも分かっています。

 「鳥インフルエンザ」の発生がこの春はさかんに報道されていました。鶏などがインフルエンザにかかると、ずいぶんと死んでしまうようです。致死率が高いという意味でも問題ですが、もう一つ心配なことがあります。それは鳥のインフルエンザ・ウイルスが変異して人に対して感染を起こし、そして人間の間での流行につながらないか、という点です。これが「新型インフルエンザ」です。

 馬インフルエンザが同じように人へも悪さをしては困るのですが、幸いそのような問題は指摘されていません。馬のインフルエンザは馬の間だけで感染をしているのだそうです。少しほっとしました。

 馬のインフルエンザを心配していましたが、私たち人間のインフルエンザのことも忘れないようにしなくてはいけません。毎年秋の終わりから真冬、そして春先にかけて流行します。流行の規模の大小はあっても、流行しない年はまずありません。

 人間のインフルエンザの予防も、まずはワクチン接種が基本。流行が始まってからワクチンを受けてももう遅いので、先回りしておく必要があります。例年、10月下旬から始めますが、ぜひ年内にはすませておいてほしいとお願いをしています。

 毎日猛暑に悩まされていますが、もうインフルエンザ予防接種のお話をしなくてはいけない時期にもなっています。当院も例年と同じように、今年もインフルエンザ予防接種の体制を作りました。10月22日スタートです。

 来月4日からは、その予約を受け付け始めます。まだまだ先のことと思われるかもしれませんが、早めに対応されますようお願いします。

投稿者 tsukada : 18:16

2007年08月20日

小児皮膚科

 暑い日が続いてはいますが、大気が不安定になって、雷雨になっているところもあるようです。当地(新潟県上越市)でも、夜中から朝方にかけて、雷がなり、大雨が降りました。

 ワンちゃんが不安そうに泣くので、私も目が覚めてしまい、しばらくお付き合いしていました。ワンちゃんはぐっすり眠れていましたが、私はなかなか寝付けず・・今日は寝不足ぎみ(-_-)

 暑さが厳しいと、小児科外来も様相が変わってきます。心配している熱中症や食中毒、水の事故などは、私のような開業医には来ませんが、皮膚のトラブルでの来院はとても多くなっています。

 あせも(汗疹)も、中にはそうとうひどくなっている子もいます。あせもも立派な湿疹ですので、ちゃんとケアしてあげないといけません。

 そしてとびひ(伝染性膿痂疹)がますます増えています。夏場の弱くなった子どもたちの皮膚に、化膿菌(黄色ブドウ球菌)が繁殖しておきている皮膚の感染症です。治療は抗生物質の使用。程度に応じて外用薬と内服薬を使いますし、中には点滴をしたり、処置(消毒)をしたりする場合もあります。

 皮膚の汚れがとびひを悪化させますので、たえず皮膚がスベスベとなるようにしておいていただく必要があります。夜の入浴はもちろん、昼間もシャワーを浴びたり、冷房も適宜使ったりして下さい。

 プールに入るシーズンなので、水いぼを心配されて来院する子どもたちも大勢います。いずれは自然治癒することが多いのですが、この夏にすぐ治るとはいえず、ピンセットでつまんでとることもよくあります。

 皮膚のトラブルというと皮膚科の先生の出番ですが、子どもについては小児科医も対応しています。というより、小児科の方が向いていることも良くあります。とびひの点滴も小児科では普通に行っていますし、水いぼの処置もそう(皮膚科の先生は、子どもに泣かれるのがイヤなのでしょうか・・なかなかしてくれないようです)。

 もし「小児皮膚科」という科があるとしたら、夏場の小児科はそちらに看板を掛け替えておいた方がいいかもしれませんね。

投稿者 tsukada : 18:08

2007年08月19日

残暑お見舞い

 お盆が過ぎても、まだまだ猛烈な暑さが続いています。「残暑」ではなく、猛暑そのものです。

 日本列島が太陽の熱で焦げてしまいそう。熱中症で亡くなる方も数十人でているということです。どうぞご自愛下さい。

 当地の蓮は、全体にはお花が少ないのですが、今朝はその中でもわりと多く咲いている場所を見つけました。

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 先日話題にした「90分×2回」の散歩はとてもムリですが、それでもできるだけたっぷり散歩をさせてあげようと思い、今朝は1時間歩いてきました。

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 とりあえずは愛犬のためですが、自分の健康のためでもあります。まだそれほど暑くなる前でしたが、帰ってくると汗びっしょり。さっそくシャワーを浴びて、すっきりしました。

 でもワンちゃんの方は、ちょっと食欲がないよう。熱中症にはなっていないはずですが、やっぱり猛暑の中では運動量は減るのでしょうね。

 1日も早く涼しくなってほしいのは、人間だけではなく、犬も同じようです。

投稿者 tsukada : 20:32

2007年08月17日

メールの洪水

 夏休みの間、私あてのメールをそのままにしておいたところ、6日間で583通になりました。1日あたり約100通。けっこうな数です。

 しかし、その中で必要なメールは27通のみ(約4%)。残りの556通(約96%)は不必要なメール(いわゆるジャンク・メール)でした。その数の何と多いことか。

 ジャンク・メールの2/3ほどは海外からのもの。内容は英語なのでよく分かりませんが、バイアグラなどの薬を紹介しているものが多いようです。

 日本語のジャンク・メールもそうとうあります。こちらはいわゆる「出会い系」が大半。言葉巧みにいろいろなメールを送りつけてきます。困ったものです。

 あまり露骨で不愉快なメールも少なくないので、着信拒否にしているアドレスも多くなりました。今見たら、なんと667件もあります。それでも毎日100件ちかくのおかしなメールが来るのですから、アタマにきます。

 到着するメールの中から、以前は不要なメールを捨てていました。でも今は、必要なメールを探し出しています。残ったものは全て廃棄。その作業は時間的にも無駄ですし、精神的にも良いことがありません。

 インターネットの世界は今や無限に拡大し、メールもほとんど無料で使えるようになりました。その恩恵は大きなものがあったのですが、逆に不便さや不利益も目立ってきました。

 雑誌には、もうメールは辞めた、などという話も載るようになりました。ジャンク・メールの洪水の中で、溺れ死んでしまわないようにするためには、いったいどうすれば良いのでしょう。何か妙案はあったら教えてください。

 余談ですが、ジャンク・メールの発信元として、「yahoo.co.jp」がとても多いです。この6日間で届いた「yahoo.co.jp」は34通ですが、その全てがジャンク・メールであり、かつ全てが出会い系!! いい加減にしてほしいものです。「yahoo.co.jp」からのメールは特別のファイルに入るようにしています。発信者名かタイトルをちらっと見て、そのほとんどをそのまま削除しています。「yahoo.co.jp」は、私にとっては要注意なのです。

 あまりに迷惑なので、以前「yahoo.co.jp」からのメールを全て着信拒否にしたことが一時期ありましたが、この時は大切なメールが私あてに届かないというクレームがあり、中止しました。今は一応受け取っていますが、「管理ポスト」に入っているので、もし間違えて削除してしまっていたら、すみません。できれば「yahoo.co.jp」以外のアドレスから送信していただくと、確実に届きます。

投稿者 tsukada : 20:28

2007年08月13日

Gacktさん

 猛暑日が続く毎日です。もうぐったりしてきてはいませんか? 「夏ばて」という言葉はもう死語になっているのかな、と思っていましたが、どうもそうではないようです。

 今週いっぱいはまだ猛烈な暑さが続くとのこと。お盆で帰省や行事などもあるかと思います。体調の管理に十分にお気をつけ下さい。

 当地では今は「蓮祭り」の真っ最中。この暑さで蓮の花もさぞ多く咲いているかと思ったのですが、残念ながら、今年は“不作”のようです(根っこのレンコンは豊作かもしれませんが)。

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 見渡す限り、蓮の“葉”が茂っていますが、その華麗な花は少しだけ。ちょっとがっかりしてしまうかもしれませんね。

 当地(新潟県上越市)の夏祭りは、もう一つあります。「謙信公祭」です。郷土の名将・上杉謙信公にちなんでのお祭りです。当時の武士の姿を再現。甲冑(かっちゅう)を着て、市内を巡り歩きます。

 今年はGacktさんがお見えになることになりました。彼はNHK大河ドラマ「風林火山」で上杉謙信公を熱演中。あまり歴史物を見ることのない私も、けっこうはまってみています。

 謙信公を「義に生きる男」として描いているのは嬉しいです。地元にいるにもかかわらず、謙信公のすばらしさをそこまでは知りませんでした。

 またGacktさんが演じているという点でも、興味深いところがあります。謙信公は仏門に帰依し、思慮深い方だったようです。もしかしたら女性だったのではないか、という説(俗説?)もあるくらい、民衆への温かい思いやりにあふれていたとも言われています。

 そんな謙信公をたたえるお祭り=謙信公祭にGacktさんがお越しになることで、地方の小さな祭りがいきなり全国区デビューを果たしました。

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 今日のお昼のテレビ番組「笑っていいとも!」にゲストでGacktさんが出演されましたが、謙信公祭の大きなポスターを持参されていました。テレビに大きく映ったので、知名度も一挙にアップです。(このポスターがネットオークションに出品され、1万円近くの値をつけたとかいう話もあります。)

 上越市の夏は、さらに暑くなりそうです。

投稿者 tsukada : 22:14

2007年08月12日

ある塾長との出会い

 昨日は日帰りで東京に行ってきました。高速道路を使いましたが、往きは逆方向、帰りは深夜だったので渋滞に巻き込まれることはありませんでした。それでもいつもよりずいぶんと交通量が多く、パーキングエリアも混雑気味。

 往きの反対車線は東京から地方に向かう自動車で大渋滞をしているのを横目で見ながら、やっぱり日本人にとってお盆の帰省や行楽は「民族的行事」なのだと再認識しました。

 そんな中、交通事故も各地で多く発生しています。暑さも半端ではありません。猛暑日が続き、各地で熱中症や水の事故も多発しています。十分にお気をつけ下さい。

 今日はお世話になった学習塾経営者を偲ぶ会に出席させていただきました。当地(新潟県上越市)で「井手塾」を主宰されてきた井手信久先生が、過日病気でご逝去。先生を偲んでのご葬儀が執り行われました。

 先生がたった一人で始めた個人塾が、いまや塾生2,000名を超える大きな学習塾にまで成長しています。子どもたちへの教育にかける情熱が、大きく花開き、実を結んできた証です。

 私の子どもたち3人は、みなこの塾でお世話になりました。それぞれ中学や高校の受験を通して、教えられたものがとても大きかったことでしょう。単に受験に役立つ学習だけではなく、学ぶということは何であるのかを考えさせられ、その中から生きるということについても、きっと何かをつかんでいったのではないかと思いっています。

 実は私は最初から塾での学習に賛成していたわけではありません。むしろ否定的だったかもしれません。私自身が受験勉強をしたのは公教育である学校が中心であり、予備校や通信教育は補助的だったからです。学校での学習にしっかり取り組んでいればそれで十分だとさえ思っていました。

 しかし、私の子どもの様子を見ていると、どうも違うようなのです。学校教育の現場では「落ちこぼれ」が問題になり、文部省(現在の文部科学省)は教える内容を平易なものにするという「ゆとり教育」を始めたことでした。そんな中で、学校の授業だけではなかなか学力が育ってこないことを感じていました。しかし、それがどうしてなのかが分からず、釈然としない思いをもっていました。

 それが良く分かったのは、中学の授業参観に行った時でした。英語の授業でした。英語を話せる外人が助手になっていますし、生徒たちに興味を持たせようと授業内容に変化をつけている様子が良く見て取れました。先生方もいろいろと工夫され、努力はしているようでした。でも・・。

 生徒たちに楽しく学習させようというねらいは十分に達成できているけれど、でもそれで英語の実力ができるのだろうか、という疑問を同時に持ちました。

 「日本の子どもたちは中学や高校で英語は習ったのに、英語で会話することができない」という批判もさかんにされていた頃です。聞き取ったり話したりする力も、英語教育の中で重視しようという考えが出てきているのは当然のことです。

 でも、英語を勉強するのはそれだけではありません。母国語とは異なった言語である英語を学ぶことを通して、英語圏内の人たちがどんなふうに考えたり、物事をとらえているのかを知ることも大切です。私たちの精神活動が言語を作ってきましたが、逆に言語によって制限されたり誘導されたりしている面も多々あります。「異文化」を知るための一つが、その国や民族の言語を学ぶことです。

 また、英語の文法を身につけることによって、論理的な思考力が育つようになります。「英語は文系の人間よりも理系の人間の方が良い点が取れる」と言ったら、多くの方は賛成しないでしょうね。受験英語では論説文の方が多く出題されるということなのですが、ある程度理詰めで回答していくことができるのです。

 余談になりますが、これは国語も同じ。受験ではやはり論説文が多いので、理系が得意の人の方が解きやすいのです。理系の受験生はそのことに気づかず、国語や英語を毛嫌いしているのはもったいない話です。

 しらない単語や熟語が出てくると、それを前後関係から類推しなくてはいけません。その能力というのも、直感の部分もありますが、やはり論理的な考え方が必要となってきます。つまり、英語文を多く読むことは、論理的な思考が育つということになります。

 単語や熟語をたくさん覚えなくてはいけないというのも、英語が嫌われる点かもしれません。イヤでしょうが、ある程度は覚えなくては英文を読むことはできません。この部分はあきらめて記憶してもらうことしかありませんが、でも英単語を記憶しようとすることが、頭の構造を変え、記憶能力を向上させることにつながります。けっして単語を1,000個覚えたから、他の勉強からその分の知識を忘れてしまうことはありません。記憶能力は、トレーニングによってさらに高まるのです。

 そんなことを、自分の受験勉強などから感じていましたが、当時の私は塾や予備校に悪いイメージをもっていました。学習のやり方だけを教えて、試験の点数はあがるかもしれないが、学校教育の中で求めているさまざまな能力の向上には必ずしもつながらないではないか、と。

 ところが学校の授業を目(ま)の当たりに見て、180度変わりました。自分が受けた学校教育とは、もうずいぶんと違っているのだと。子どもに興味をいただかせようとしてはいるけれど、そもそも英語教育の形ができていない。それを家庭学習で補うことも無理。

 当時はまだ塾での教育に「半信半疑」ではありましたが、井手塾長にお会いして、先生の語る教育観にいたく感心をし、共鳴しました。先生は、私が受けていた当時とは公教育は全く変わってしまっていると指摘されました。そして、基礎的な学力すら学校では作ることができていないと。塾で取り組んでいるのは、むしろオーソドックスな学習法でした。

 数十人の子どもたちを対象に、一つの教室で、先生が板書をしながら講義していく・・そのスタイルは、学校の授業そのものです。その内容も、問題の解き方を教えるのではなく、基本的な内容から一つひとつ積み上げている方法をとっています。これは、むしろ学校教育の中でできなくなってきたことを、あえて塾で行おうという姿勢です。

 ここまで来て、私の塾に対する考え方は正反対のものになりました。「否定的な考え方」から、学校でできないのだから仕方なく塾に通うというような「消極的な肯定」に、そして最後は「積極的な肯定」へ。

 塾長先生には何度かお会いする機会がありました。直接には子どもの成績についての面談でしたが、それだけにとどまらず、教育観についても、社会問題についても、私の取り組んでいる医療の世界についても、多くをお話ししていただきました。稚拙ですが私なりの考えを述べさせていただくこともありました。そんなことを通して、私の考え方も理解していただいていたようにも思います。実は何度か先生は私の医院に診療に来られていますが、私を信頼していただいたからだとすれば、この上ない喜びです。

 学校では出会えなかったような、教師らしい先生でした。私の子どもたちも、みな塾長先生を慕っていました。その恩師が病気で亡くなられたのは、とても残念なことです。まだまだ多くの子どもたちが、先生の直接のご指導を待っていたことでしょう。私のように、親なのに先生と接することでたくさんのことを学ぶという機会も、もうありません。

 井手信久先生。享年72歳。言葉では表せられないほどお世話になりました。心より、ありがとうございました。

投稿者 tsukada : 22:37

2007年08月10日

保育士という資格

 大阪のある保育園で腸管出血性大腸菌O157の集団発生がありました。亡くなったお子さんも一人出ています。とても怖い感染症ですので、一刻も早く終息することを願っています。

 今回の件については大きく取り上げられ、報道の中でいろいろなことが指摘されています。まだ事態が終息したわけでもありませんし、事実関係がはっきり分かったわけではありませんが、今のところは、この大腸菌に感染したお子さんが園の中で他のお子さんに伝染させたようです。給食による食中毒ではないとされています。

 登園してくるお子さんの中にはすでに感染症にかかっている子もいますし、その潜伏期で発症間近の子もいることでしょう。その子から他の子や、ときには保育士などの職員が感染を受けることもあります。集団生活をしている限り、その可能性はたえずあります。

 お子さんの健康管理、園内での手洗いやうがい、食品の衛生管理など、しなくてはいけないことが多々あります。しかし、そういったことをきちんとしていても、残念ながら感染症の発生や流行を完全にゼロにするのは、難しいことです。

 その点で、今回の園でのトラブルは不可避のものかもしれません。もちろん、その後の対応がきちんとできていたか、など、検証すべき問題はありますが、感染症の集団発生だけをとって園を非難すべきではないように考えています。

 私が施設長をしている「わたぼうし病児保育室」は、実はこういった感染症の集団発生のリスクは、通常の保育園よりそうとう大きいと認識しています。通常の保育園が「健康と見なされる子どもたち」を預かるのに対して、病児保育室では「病気をしている子どもたち」を預かっているのですから、当然です。その分、お預かりしたお子さんの健康状態のチェック、他にお子さんや職員への感染防止の対策(隔離、手洗いの徹底、マスクの着用など)など、できる限りの対策を講じなくてはいけないと考えていますし、実際に実行しています。その結果、これまで6年余の中で、園内での二次感染をほとんど防止できているように考えています。

 その対応の一つに、保育にあたる職員の資質向上と、スタッフ数の確保があります。当院ではお預かりする病児の増加にともない、保育士も年々増員してきました。現在は常勤4名、非常勤3名の合計7名の体制で日々の病児保育を行っています(そのほかに、医院から医師である私や看護師が健康管理に仕事を受け持っています)。

 行政からの補助が得られていない中で、これだけの体制を作るというのは、経営だけを考えればありえないことですが、でも本気で病児保育をしようとすると、やはりこれくらいの規模にはならざるをえないと思っています。

 ところで、病原性大腸菌の集団発生があった園では、保育士が必ずしも充足していなかったそうです。開園当初はゼロ(信じがたいことですが)。市当局からの指摘を受け、現在は2名の保育士がいるとのこと。それで30数名の子どもたちを預かっているのですから、いったいどんな保育体制なのか、はなはだ疑問です(他に職員がいますが、無資格者です)。

 この園を経営している会社のHPを見て、ショックを覚えています。保育士を採用しなかった(できなかった)理由を、とうとうと述べています。以下はその引用です。

「保育者の数等についての行政指導についてですが、全園ともスタッフ数については全く問題がないと認識してはいますが、資格者については、若干数において資格者所有者が足りない状況の園があります。天六園については当社としてスタッフの品質重視の考えから開園当初は資格よりも人間性という判断で採用活動を行っていた時点で資格者が不足している時期がありました。ただし、皆様もご存知のように市の監査指導により現在では資格者については充足しております。ただ、これについては、資格所有を重視することで基礎能力や人間性といった本来の保育者の品質を併せ持つスタッフの採用は非常に難しい面がありますが、この両条件を満たすスタッフを配置するべく、これについては、今年度の特別課題として全園ともに当社の最優先事項として進めているところです。」(タスク・フォースのHPより)

 まずもって「品質」という言葉に、違和感を覚えます。いつから物に対してではなく、人に対して使う言葉になったのでしょうか。人を物扱いしている? 当然「資質」でしょう。

 採用にあたって、「資格よりも人間性」を判断したのだとか。その結果、保育資格を持つ者を採用できなかったし、保育士を採用したら「基礎能力や人間性」に問題があったというのです。そこまで言ってしまっていいの?と心配なります。

 確かに資格を持つことだけで、完璧に保育に関わるに値するとは言えないでしょう。実際の保育をしながら身につけていく能力や、資質の向上もあります。

 しかし、保育士の資格をとるということは、保育学についての勉強をまがりなりにも数年間してきたということです。基礎から始まって多くの講義を聴いてきたことでしょう。実習にも参加し、実際に子どもたちを保育する場面を経験していることでしょう。保育学の教諭陣から、保育とは何か、子どもたちの成長の中でその役割はどんなことであるか、そういった「神髄」を教えてもらうこともあったでしょう。そして、国家試験を受け、国が一定の能力を持つと認定したのが「保育士」です。

 資格をもっているだけでは十分ではない・・それは分かります。でも、資格がなくてもいいんだとする考え方が、理解できません。保育士の資格をとった者は、人間性に問題があるかのような言い方が、どうしてできるのか、不可思議でなりません。

 資格だけあればいいというような「形式主義」におちいるのは問題ですが、資格なんてどうでもいいとばかりに形式を全く無視してしまうことはもっと問題です。資格がなくても保育のまねごとはできるでしょうが、それが保育の質に大きな問題をはらむことを見落としています(見て見ぬ振りをしている?)。

 この会社はHPの中で「利益だけを目的にはこの事業や仕事は出来ません」「決して商売主義ではないということを信じて欲しいと思います」と書いています。本当にそう考えているのであれば、保育の体制を根本から作り直すようにしてはいかがでしょう。

 行政から指摘されたから保育士を仕方なく雇った・・そんなふうに公言してはばからない姿勢を、まず見直してほしいと思います。

投稿者 tsukada : 21:44

2007年08月09日

草原を夢見て

 我が家の愛犬=コーギーは、もともとはイギリス・ウエールズの草原地帯を走り回っていた犬種。暑さは得意ではないはずなのですが、でも元気にやっています。暑い時間帯はひたすら眠っていますが、涼しくなるとベランダを走り回ります。食欲も、今年は衰えていません。朝の散歩もそう。

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 先日『いぬのきもち』という雑誌(ベネッセ発行)に、散歩の「適正時間」がでていました。1日2回として、小型犬では20分程度。大型犬では90分以上が必要だということです。

 コーギーは・・大型犬と同じ扱い! つまり1回90分を1日2回。毎日3時間以上は散歩させる必要があるということ。驚きです。

 確かに元々は牧牛犬。あの小さい体で草原を駆け回り、とてつもなく大きな牛を誘導していたのですから、ちょっとした運動では運動のうちにはいらないのでしょう。(足が短く、尾がないのも牛の間をコチョコチョと動いたり、牛に踏まれないようにするにはピッタリ)

 確かにそうでしょう、犬の立場に立てば。でも、犬を飼っている家庭の中で、どれくらい1日に3時間も散歩にあてられるところがあるでしょう。少なくとも、私たちには無理。

 犬にとっては長い時間を散歩させないとストレスになるということですが、あまりに長時間であれば、それをしなくてはいけないことが飼い主にとってはストレスになり、散歩を楽しむことができなくなるかも。犬は元気に生きたけれど、人間が不健康になる、ってこともあるかもしれません(オーバーかな)。

 犬と一緒に、犬も人間もともに楽しく過ごすことができればいいですね。そのためには、散歩量が少なくなっても、楽しく散歩してこれるのが一番。量より質、ってことでしょうか。

 そうはいっても、我が家のワンちゃんも散歩に連れ出してもらえることを心待ちにしています。齢(よわい)50を超えた私にとっても、散歩にでかけることは良い運動になります。そう思って、このところ毎朝、散歩を楽しんでいるところです。

 もっとも、コーギーは短足犬ですから、まだアスファルトの暑さが残っている時間帯は、足の裏だけではなく(やけどすることあり)、胴体にとっても良いことではありません(熱中症のおそれあり)。やっぱり朝の涼しい時間帯が、お互いにとって一番良いようです。

投稿者 tsukada : 23:09

2007年08月08日

プロとしての保育士

 先日来お話をしている北九州市での園児熱中症死事件ですが、詳しい経過が分かるに従い、そのあまりにおそまつな保育体制にあきれかえるばかりです。

 公園への散歩のあとに全員がバスから降りたことを確認しなかったことが、この事件(もう「事故」ではありません)の根本的な原因です。それに加えて、その後の対応の間違いが、この事件をさらに悲惨なものにしてしまっています。

 お昼寝から起きて、おやつを食べさせたところ、一つ残っていることで、やっと暖人(はると)ちゃんがいないことに気づいたということ。それ自体も、とうてい考えつかないことです。自分の受け持ちの子どもたちの様子を、たえず確認しているのが保育士の業務の基本のはず。人数を確認するまでもなく、どの子がどこでどのような状態かを認識していれば、遠足から帰ってきた段階で、仮に点呼をとらなくても気づいたはずです。おやつを食べ終わるまで3時間ほども「忘れられて」しまっていた、ということが、そもそもプロである保育士の仕事として許されることではありません。

 暖人ちゃんがいないことに気づいてからの対応も、おかしなことだらけです。数時間前に公園にでかけていたのですから、常識的に考えて、まず公園からきちんと連れて帰ってきたかどうかを心配するでしょう。そうであれば、バスの中を探しに行ったり、公園まで行ってみることを、真っ先に行うはず。それをすぐにはしていない、ということだけで、何を考えていたのか、不可解です。

 園児が一人行方不明! 一大事です。ただちに園内外を探し始めなければいけませんが、自分たちだけでそれができると思ったことも信じられません。7名の職員の中で、暖人ちゃんがいないことを知っていたのは、わずか3名の保育士だけだったということ。そして園長にも連絡・報告していません。なぜ!?

 誘拐されたかもしれない。何が起きたかはすぐには分からないにせよ、猛暑の中を、何時間も所在不明になっている2歳の幼児がいる・・それは、命の危険があることを認識できなかったのでしょうか。不思議でなりません。

 当然、職員全員で情報を共有し、知恵を出し合い、みんなで探し始めることも必要です。もちろん、他の園児がいるわけですから、保育園から保育士がみんな出て行くことはできませんが、そうだからと言って、他の職員に秘密にする理由は全くありません。

 園長への報告をしていなかったことも、やはり理由がよく分かりません。自分たちの責任を叱責されることを恐れたのでしょうか。そうだとしたら、暖人ちゃんの命よりも自分の「保身」を優先させた判断だと言わざるをえません。

 その後、もしかしてバスの中に取り残されているのではないかと思いつき、バスの鍵を他の保育士から借りてきたそうですが、その段階でも暖人ちゃんがいなくなっていることは伏せてあったそうです。伝えたのは「園児の帽子を車内に忘れてきたから取りに行く」。あきれます。

 車内で暖人ちゃんが見つかったあとも、救急車を呼ぶまで40分ほどかかっています。これについても以前に触れていますが、瀕死の状態の子どもを前にして119番通報することをためらう理由がどこにあるというのでしょう。

 自動車を日陰に移動し、車内のエアコンでクーリングしたということですが、それが病状の改善に結ぶ付くとはとうてい思えません。発見した保育士は携帯電話をもっていたそうですが、園への連絡はしても、119番はしていません。

 園側が市に提出した報告書には、関係者に連絡していて時間がかかった、とあるそうです。関係者って誰? 40分もかかるほど、多数の連絡をしていたの? かりに連絡をしていたとしても、電話がそれで使えなくなることもありえません。それぞれの保育士はきっと携帯電話をもっているでしょう。それを使えばすみます。もちろん、真っ先に119番通報をして、その後に「関係者との連絡」が必要ならすればいい。どう考えても、ただ単に言い訳を言っているだけのようです。

 ちなみに、親御さんへの連絡は救急隊が到着し、病院に運ばれてからのようです。なぜ行方不明になった段階で「第一報」を入れていないのか。起きていることの重大性を認識していないと同時に、関係している(受け持っている)保育士が責任逃れをしていたということなのでしょう。

 今回の事件から学ぶべき点は多くあります。園の保育についての体制がきちんとできていなかったという点で、すでに刑事責任を問われています。それだけではなく、やはり一人一人の保育士や職員の問題も重大です。何人もの職員が関わっていながら、誰もきちんとした対応ができていませんでした。

 園としてマニュアルがあるかどうか、こういった事故にならないよう指導してあったかどうか、事故がおきてしまったあとの対応を指示していたかどうか・・それも問題ですが、それ以前にそれぞれの職員がしっかり物事を考え、対処できる能力がなかった、という点を問題にせざるをえません。

 そんなに難しいことを言っているわけではありません。預かっている子どもが「行方不明」になったのですから、急いで探し出さなければいけないという、それだけのことです。職員みんなで手分けして探し、警察にも、親御さんへも直ちに連絡する。普通の人たちでも当然するはずのことが、保育のプロである保育士にどうしてそれができなかったのか。

 それぞれの保育士や職員が、自分で物事を考え、対処することを普段からしていなかったのではないか、と思ってしまいます。みんなと同じことをしていればいい。上から指示されたことだけをしていればいい。親御さんからの頼まれたことだけをしていればいい。・・疑問に思ったこと、改善した方がいいと思ったことも、それを口にすることはいけないことだと、教え込まれていたのでしょうか。

 個人の保育士の責任ばかりを強く追求するのは酷な話かもしれません。そのように教育されてきたのでしょうから。でも、それでは子どもの命が守れないことは、今回の事件が教えてくれています。私には、そう思えてきます。

投稿者 tsukada : 21:19

朝の公園

 暑い日が続いています。真夏日または猛暑日の毎日。梅雨明けこそ遅かったですが、やっぱり今年は「暑い夏」のようです。

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 それでも朝方は涼しい方ですね。愛犬の散歩も、少し早起きして出かけるようにしています。

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蓮も花も朝のあいさつをしてくれているよう。もっとも、ワンちゃんにはちっとも関係のないですが。

投稿者 tsukada : 08:17

2007年08月07日

職場体験

 学校が夏休みの間、当院は若い学生さんたちが次々に来られます。「職場体験」や「保育実習」です。

 今夏は例年以上の賑わい。ここ1か月ほどで5グループ、7名の学生さんたちです。

 今日は市内の中学生がお二人、職場体験で来ています。若くて元気な人たちと一緒にいると、こっちも元気をもらいますね。

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投稿者 tsukada : 15:45

2007年08月06日

ノー・モア・ヒロシマ&ナガサキ

 今夜は夜間診療所勤務。主に子どもたちの急病に対応するために控えています。季節柄、それほど混み合うこともなく、わりとゆっくり過ごしています。存在することに意義がある、ということでしょう。

 今日は広島に原爆が落とされた日。記念式典が行われ、総理大臣も原爆をなくすために努力すると誓っていました。でも、それが本気なのか疑わしいところもあります。

 先日の久間元防衛大臣の「しょうがない発言」がその象徴でしょう。個人の失言ですますことはできません。実際に日本政府は、一度たりともアメリカに対して、広島や長崎に原爆が使われたことを抗議していないのですから。

 核兵器の問題は、その破壊力にあります。一般の市民を含む多数の人たちと、広範囲の地域に壊滅的な打撃を与えます。「大量破壊兵器」の代表として、その非人道性が問題なのです。

 通常の兵器は(鉄砲などの小火器や、大砲などの重火器ともに)、その効果(人の殺傷や物の破壊)は限定的です。それでも人を殺すわけですし、物を壊します。しかし、通常兵器がさほど問題にならないのは、それが戦闘員に向けられるものであり、戦闘地域だけで使用されるからです(建前の上ではそうです)。

 もちろん、戦争はなくしていきたいし、戦いのない世界は理想です。でも、とりあえず今すぐそれが実現されることはありません。(理想を捨てる必要はないし、やはり理想としてたえず人類の進む先に掲げておくべきだと思いますが)

 戦闘員・・つまり兵士は戦争をすることが「職業」です。そして兵士同士だけの間で戦闘行為をすることは、戦争としては「許される範囲」と見なされています。戦争を正当化するつもりはありませんが、でも戦争とはそんなものかもしれません。

 問題になるのは非戦闘員に対する殺傷行為です。市民を巻き込んでしまう戦争は避けるべきです。女性や子どもたちを直接ターゲットにすることは最悪の行為。もしそういったことが起きているのであれば、その兵士たちのモラルが問題にされ、それを行っている軍や国はその責任を厳しく追及されることになるでしょう。

 通常兵器ですら、その「使い方」によっては問題になります。核兵器にいたっては、どのような使い方をしても、多数の一般人を犠牲にすることは明らかですし、広大な地域を灰同然にしてしまいます。つまり「大量破壊兵器」であることが、それ自体でその存在を許すことはできないのです。

 広島と長崎に原爆が炸裂しました。その時に、とても多くの市民が犠牲になっています。非戦闘員をねらい打ちにした戦闘行為は、どんな理由をつけても許すことができない・・そんな強い意志を、世界で唯一の被爆国である日本政府が、どれほど持っているか、疑問です。

 核兵器をめぐっては「非拡散」という考え方が世界の主流です。しかし、新しい保有国を認めないというだけであり、以前から保有している国はそのままでかまわないというのは、おかしな考え方。大国の身勝手な論理です。

 核兵器は使うことはもちろん、作ることも、持つこともお互いが認めない。やはり核兵器を完全に「廃絶」する方向で進んでいくべきです。実現はそうとう困難です。でもまったくの絵空事でしょうか。私たちには、それを実現するための知恵と勇気はないのでしょうか。

 広島や長崎の原爆の日になるといつも疑問に思います。何のために追悼するのでしょう。ただ「悲惨な出来事」が起きたということで終わってはいないでしょうか。

 本当に核兵器が廃絶されるために何をすれば良いか、良く考えてほしいと思います。

投稿者 tsukada : 21:48

2007年08月05日

年金の疑問

 日本列島が猛暑日になった今日の日曜日、各地で水の事故が起きてしまいました。読売新聞(インターネット版)では「11人が死亡し、3人が行方不明、3人が重体」と伝えています。それ以外にも、昨夜から行方不明になっていた子どもたちが、水死体で見つかってもいます。

 猛暑の中、熱中症の発生も心配ですが、こういった水の事故はどうして避けることができなかったのでしょう。何か対策をとれば防ぐことができたのではないかと、悔やまれます。

 今日の新聞を読んでいて、大きな疑問にぶち当たりました。日本の年金制度について述べている、新潟日報のコラム「経済私評」(経済評論家・紺谷典子氏)です。

 コラムによれば、現在日本の公的年金には230兆円余の積立金があるというのです。民間の年金は、若い時に積み立てておき、老後になってから取り崩す仕組みだから、もし積立金が不足しては一大事。

 しかし、公的年金は世代間の助け合い。現役世代が払う保険料で、その時点の高齢者に年金として支払う制度になっている。巨額の積立金があるというのは、これまで必要以上の保険料を徴収してきたということであり、それを上手に使えば、これからの少子化社会にあっても、保険料の値上げ、年金受給額の減額、あるいは消費税率アップも必要ないのではないか、というものです。

 以前にも「巨額の積立金」の話を耳にしたことはあります。でも、それが正しい金額なのか、どんな形で蓄えられているのか、実態が見えてきません。「江戸時代の埋蔵金」ではないのですから、うわさ話のように語り継がれているだけ、というのも、おかしな話です。

 コラムの中にも出てくるのですが、年金についての正しい情報がきちんと公開されていないということです。出てくるのは、役所に都合の良い数字や、それを使った見通しだけ。そのため、こういったお金についても、まともな議論ができていないのだそうです。

 そもそも日本の年金制度が、ここに書かれているように「世代間の助け合い」制度なのかどうか。私にはそれすら良く分かっていません。先の参議院選挙で「年金問題」は大きな争点になりましたが、制度そのものをどうとらえて、今後どうしていけばいいか、という議論は、残念ながらなかったようにも思います。

 年金については「消えた記録」が大問題になっています。でも、もっと大きな見地から見直してみる必要があります。とりあえず、今日の「疑問」について、調べてみるつもり。成果があればこの「院長ブログ」でもお話をしていきますね。

投稿者 tsukada : 23:01

蓮祭り

 当地(新潟県上越市)では、市内の高田城跡公園で蓮祭りが行われています。東洋一と言われている蓮の花を、どうぞお楽しみ下さい。

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 今朝も犬の散歩で出かけてきましたが、例年より花の数は少ないですね。葉の様子を見ると、とくに病気にやられたということではないようです。背丈も高く、立派に育っています。いつもの年以上にも見えます。

 蓮は暑いのが大好き。今年は梅雨明けが遅かったので、まだ眠りから覚めていない? 先週から夏本番になっています。猛暑で、これからどんどんと咲いてくれることでしょう。

 ちょうどお盆の頃が見頃になります。今年は咲き始めが遅くなった分、今月いっぱいか、もしかしたら来月も蓮の花を楽しめるかもしれません。

 花の数が少ないこと以外にもう一つ、いつもと違うことがあります。それは訪れる人たちも少ないようなのです。「蓮祭り」とは言っているものの、見物に来られる方が今年は減少しているという印象があります。(「近くに住む住民の証言」です)

 例年ですと、朝早くから多くの方々が蓮の花を見にいらっしゃいます。そのきれいな姿を見ると写真を撮りたくなるものです。プロの写真家かと思わせるような、高級なカメラを持ち、大きな三脚を使いながら熱心に撮影している方も大勢います。

 散策する方も多くおられるのがいつもの年。日の出から間がないのに、もう人が出ています。昔から「蓮の花が、朝日とにポンと音を立てて咲き始める」という言い伝え(?)があるからかもしれません(それが本当かどうかは、ぜひ確かめにいらっしゃってください)。中には、お友達などとけっこう大きな声でおしゃべりをしながらの人たちもいます(近隣の迷惑になっているという「住民の証言」もあります)。

 でも、今年はそんな風景をあまり見かけません。確かに蓮の花が少なめですから、当然なのかもしれませんが・・。もしかしたら、先月におきた「中越沖地震」が影響しているのかも。

 新潟県へは観光に行かない方がいいというような「風評」がたっているのかもしれません。海水浴客も、今年は例年の10分の1だという悲惨な状況も伝え聞いています。

 蓮祭りも海水浴も、例年と同じようにやっていますよ。全ての海水浴場が地震の被害を受けているわけではありません。ほとんどの所は変わりありません。もちろん、原発の事故があったけれど、日本海が放射能で汚染されたという事実はありません。その点でも全く大丈夫です。

 今月25日(土)〜16日(日)には上越市で謙信公祭が開催されます。どうぞお越し下さい。なお、今年の謙信公祭では、今NHK大河ドラマで上杉謙信役をしているGacktさんも来られることになっています!

 そんなこんなで、ちょっとさびしい蓮祭りですが、歩いていたらカモが水辺で遊んでいました。「枯れ木も山の賑わい」ならぬ「鴨も蓮祭りの賑わい」ということでしょうか。

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 もう一枚、岡にあがって散歩を楽しんでいたアヒルさんたちです。

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 今日も暑い一日。熱中症などには十分気をつけてお過ごし下さい。

投稿者 tsukada : 08:38

2007年08月03日

猛暑日

 梅雨明けと同時に猛暑日になったと、昨日の「院長ブログ」に書きましたが、訂正があります。昨日の最高気温は「38.0度」でした。午前中にすでに36度台になり、午後にさらに上昇していました。

 体温と同じ・・ではなく、体温以上。つまり発熱です。体調がおかしくなってしまいますね。

 今日も昨日と同じく、台風の影響で最高気温が36.2度になりました。昨日より多少は低めですが、それでも猛暑日。夏のど真ん中にいきなり突き進んだという感じです。

 今夜は台風5号が日本海側を進んでいくため、風が強く、雨もそうとう降るとのこと。穏やかなお天気は、まだしばらく先になりそうです。

投稿者 tsukada : 23:59

2007年08月02日

36.8度

 今日の気温が36.8度・・って、まるで体温の数字のようです。昨日梅雨明けして当地ですが、今日は気温が上昇。とうとう「猛暑日」になりました。

 「猛暑日」というのは、今年から使われるようになった用語。30度以上を「真夏日」と言っていましたが、猛烈な暑さを表す言葉がなかったために作られたとか。

 当地でこれほど気温が高くなったのは、台風が原因の「フェーン現象」のため。大型の台風5号が九州を襲撃していますが、台風の南風が山脈を越えて新潟に流れ込むとき、高熱になるというものです。

 といっても、一日エアコンが十分に効いた室内にずっといたので、「猛暑日」のようすは外を見て感じていただけ。仕事が終わってこれから帰宅しますが・・外には出たくない気分です(>_<)
 

投稿者 tsukada : 18:03

2007年08月01日

梅雨明け

 8月に入りました。遅れていた梅雨明け宣言が午前中に関東甲信に、午後には北陸にも出されました。新潟でも例年より10日ほど遅くなったそうです。

 確かに今日はこれまでにない暑さ。気温は35度ほど。いかにも「夏」という暑さでした。

 午後は市の乳幼児健診をいたあと、先週で終わらなかったFM放送の収録に出かけてきました。15分の番組を4週分。

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 ちょっと疲れましたね。でも・・夜は医院の納涼会。きっとビールがうまいぞ!!

投稿者 tsukada : 18:08