乳児の食物アレルギー

もうすぐ6ヶ月になる男の子のことでご相談があります。生後1ヶ月半から湿疹が出始めお薬をぬってもなかなか治らなかったためアトピーと診断されました。5ヶ月目ぐらいから湿疹はかなりよくなってきているのですが、湿疹のでている子供は離乳食の開始を遅らせたほうがよいと聞いたのでまだはじめていません。離乳食開始に際して食物アレルギーなどの検査を受けてからにしたほうがいいのでしょうか?検査をうけても赤ちゃんは数ヶ月単位で体質がかわるから意味がないという話も聞いたのですがどうなんでしょうか?ちなみに3ヶ月のときお刺身を食べた後の母乳を飲むと湿疹が悪化していました。それ以降恐いのでお刺身などのなま物は食べていませんが、同じ魚でも焼いたものを食べた後の母乳では湿疹はでませんでした。アレルギー検査では生ではだめで焼いたり煮たりすれば大丈夫な魚にもアレルギーとでるのでしょうか?アレルギー検査は簡単に赤ちゃんにもあまり負担なくうけれる検査なんでしょうか?

まず「アトピー性皮膚炎」の診断についてですが、それが食物アレルギーによるものであれば、該当する食物の摂取に対しては慎重であるべきかと思います。
例えば鶏卵に対してアレルギーがあれば、離乳食の初期〜中期くらいは与えない方がよいということになります。

お子さんはアトピー性皮膚炎と診断されているとのことですが、食物に対するアレルギーがあるかどうかについて、主治医の先生に詳しくお話をお聞きになってください。
その上で、もし食物制限が必要だということであれば、何を、どのように、いつまで制限するか、などについて、指示をもらってください。

アレルギーの検査は、多くの医療機関では採血によってIgE抗体をみています。
信頼性のある検査ですし、それほどお子さんに負担になるものではないと思います。

ある食物を摂取したあとに症状が出現したり、悪化したりしても、それだけで直ちにアレルギーの原因だとするわけにはいきません。
一部の食物には、アレルギーを悪化させる物質(ヒスタミンなど)が入っていて、それによって症状が強くなることがあるからです。
背の青い魚(あるいは油っぽい魚)はその代表です。
離乳食の中で、魚は白身魚を使うようにお願いしているのも、同じ理由です。

2006.8.3

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塚田こども医院Q&A2006年