妊娠中からのアレルギー対策

現在妊娠中7ヶ月で、産後は母乳の予定です。妊娠中は牛乳や卵や肉を避けたほうがいいとありましたが、現在まで普通にとっていて特に食物制限していませんでした。(摂取は適量)
最近産まれてくる子が食物アレルギーにならないか心配です。アレルギーは遺伝が多いと聞きますが、妊娠中・産後で制限しなければいけない食物や摂取量はありますか?また私はアレルギー性鼻炎なのですが、鼻炎でもアレルギーの一種として食物アレルギーになったり、何か影響することはありますか?よろしくお願い致します。(Oさん)

アレルギーの体質は遺伝しやすいと言われていますので、お子さんがいずれ何かのアレルギーの病気をもつことはあるかもしれません。
それを完璧に防ぐことは、難しいでしょう。
でも、やはり注意をしていくことで、あまり大きなトラブルにさせないこともできるかと思います。

子どものアレルギーの病気は、まず食物アレルギーによるアトピー性皮膚炎から始まることがよくあります。
それが強いと、1〜2歳でダニやホコリに対するアレルギーが加わり、気管支喘息を発症していくことも少なくありません。
その後はアレルギー性鼻炎や結膜炎(花粉症など)へと進展していくこともあります。
これを「アレルギー・マーチ(行進)」と呼んでいます。
その最初の食物アレルギーを起こさないですむようにするために、ある程度食事に注意をしていく必要があります。

食物アレルギーで最も多いのは鶏卵と牛乳です。
それらを、妊娠中も「過剰にとらない」ようにして下さい。
鶏卵は生のものはやめていただき、十分に加熱したものを適度に。
牛乳もほどほどに。
生まれてからも同様の注意をお願いします(母乳を与えている間・・もちろん、できるだけ母乳の方がいいです)。
赤ちゃんの離乳食は5か月くらいから、ゆっくりと始めて下さい。
当初は炭水化物を中心に(重湯、お粥のたぐい)。
動物性タンパク質は生後8か月くらいから、十分に加熱したものを少量ずつ、試しながらにして下さい。
1歳くらいになると、生の鶏卵や牛乳以外であれば、適量を食べてもかまわないと思います。

このように食事に注意をしていただくことで、食物アレルギーも発症も少なくなり、ひいては喘息などもさほど起こさないですむのではないかと考えられています。

なお、途中でお子さんにアトピー性皮膚炎などの症状がでているようでしたら、早めに小児科を受診し、よく診てもらって下さい。

2006.4.5

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塚田こども医院Q&A2006年