乳児の喘息

6ヶ月の男の子です。現在8500gです。5月6日に鼻水、鼻つまりで小児科を受診、蓄膿ですといわれ鼻水止めの薬を出されました。その後痰が絡んだような咳が出始め、薬も切れたので再度受診。今度は喘息様気管支炎と言われ去痰剤 気管支拡張剤 咳止め ステロイド(プレドニゾロン散)を出されました。さらに薬が切れた3日後受診前回の採血の結果が出ていてIge19だから喘息ですといわれ今度も同じくすりが出されました。咳と鼻水以外はいたって元気もよく食欲もあります。先生に言われるまでヒューヒューといった喘息のような呼吸には気がつきませんでした。喘息様気管支炎で初めからステロイドを飲ませるのは一般的な治療なのでしょうか?また本当に喘息なのでしょうか?(福岡・Fさん)

乳児は気管支の構造が弱いために、喘息のようにゼーゼーしやすいことがよくあります(「喘息様気管支炎」と呼んでいます)。
子どもの気管支喘息の大半はアレルギーが基礎にありますが、この「喘息様気管支炎」ではアレルギーがないのが特徴です。
1歳半〜2歳くらいになると気管支が強くなり、次第に風邪をひいたときなどでもゼーゼーしてこなくなります。
それに対して「気管支喘息」は、この頃からはっきりした症状(喘鳴や呼吸困難を伴った発作)を起こしやすくなります。
乳児のアレルギーは皮膚に出やすく、アトピー性皮膚炎と診断されている場合がよくあります。
また検査ではIgEという抗体が多いかどうかが参考になります(0歳の基準値は0〜20程度で、年齢が高くなるに従って高めになります)。
治療としては、気管支拡張薬や去痰薬が中心になりますが、「気管支喘息」のような効果がなかなかでないことが多いです。

ステロイドは気管支喘息の発作が強いときに治療で使うこともありますが、全身的な副作用も問題などから、使用期間は短期間に留めて、漫然とは使用しないことが大切です。
私自身は点滴では使用しますが、内服での使用はしていません。
(吸入は小児でも副作用の問題がないものが発売されていますが、おおむね3歳以上でないと使うことができないと思います)

お尋ねの件ですが・・
IgE19というのは、基準値内(正常範囲)かと思います。
また、ステロイドの内服は重症例でも行っていません。

治療方針については、それぞれの先生のお考えがあろうかと思いますので、また主治医の先生によくお話をお聞きになって下さい。

2003.5.16

目次のページへ

ホームページのトップへ


塚田こども医院Q&A2003年5月