妊娠中のサイトメガロ・ウイルス感染

妊娠11週目にウィルス検査を受けた結果、CMVで陽性と出ました。数値までは覚えていませんが、主治医の話では、最近感染したみたいだから今後再検査が必要ですと言われました。その後家に帰って調べてみたのですが、妊娠初期の感染はしばしば胎児に重大な影響を及ぼすとあり、あわてて病院に電話をしたところ、いつ感染したかは分からないし、今余計な心配をしても仕方ないと言われ、十分な説明を得られませんでした。風疹に感染した妊婦さんが度々中絶するという話を聞きましたが私も状況によっては中絶もやむを得ないと考えています。
CMV検査で陽性となることにどのような意味があるのか、再検査で何がわかるのか、また胎児への危険性がどれほどのものなのか教えて頂きたいと思います。(静岡・Sさん)

サイトメガロ・ウイルス(CMV)は妊婦へ感染すると胎児・新生児にも感染し、時に重い障害などが起きることがあります。
そのため、産婦人科の先生は抗体などを適宜検査されています。

まず先に確認をしておきたい点がいくつかあります。
(1)抗体があるということは免疫があるという意味で、単純にいつ感染をしたのかは分かりません。
検査の種類を工夫したり、検査を繰り返し行うことである程度感染の時期の特定ができるようになります。
(2)CMVに対する抗体は、妊婦の72%が当初から陽性だとデータが手元にあります。
これらの方はすでに免疫があるわけですので、妊娠中にCMV感染を起こすおそれはありません。
逆に妊娠初期で抗体陰性の方はCMVに対して免疫がない状態なので、その後感染を受ける可能性があり、感染経路であるセックスをしないか、コンドームを使用してセックスするように指導がされています。

ご質問からは抗体検査の詳しい内容が分かりませんが、妊娠初期にCMV感染を起こしたとは考えにくく、さらに、すでに免疫があるので今後新たに感染を起こすおそれはありません。
安心していたいいのではないかと思います。

詳しくは産婦人科の先生によくお話をお聞きになって下さい。

2003.1.21

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塚田こども医院Q&A2003年1月