離乳食途中の赤ちゃんの下痢

もうすぐ10ヶ月の女の子です。何日か下痢が続き、小児科を受診。離乳食をストップしミルクを薄めて飲ませるように、とのことで、ミルクを薄めて飲ませていました。ところが、前の晩まで飲んでいたのに、ある朝起きたら、全くミルクを飲まなくなりました。同時に、おしゃぶりもしなくなり、ほ乳瓶も嫌がるようになりました。小児科を受診しましたが、「飲んで欲しいけど飲まないのは仕方ない、おなかをこわさないように離乳食を進めていくしかない。」とのことでした。離乳食の中には、意識してミルクを使うようにしていますが、一日100分位が精一杯です。スプーン、マグマグ、ストロー、いろいろな飲ませ方を試しましたが、飲みません。まだまだ、ミルクから得る栄養が多いと思うのに、どうしたらいいか途方に暮れています。(福島県・Oさん)

離乳食の途中の赤ちゃんが、いろんな原因で下痢をすることはよくあります。
その時の対処ですが・・
母乳は少し少な目にするだけでいいのですが、粉ミルク(人工乳)はもしろ下痢を悪くすることが多いので、1回量を半分程度に少なくするか、それでも下痢の改善がみれらないようでしたら、一度粉ミルクを中止してみることも大切です。
(離乳食が進んでいない月齢であれば、乳糖不耐症用のミルクに変更)
離乳食は少し前のものに戻し、やはり1回量は少な目に(その分回数が多くなるのはかまいません)。

生後10か月ということですので、ミルクをやめて、離乳食の初期〜中期程度のものにされてはいかがでしょうか。
そしてそこにはできるだけ乳製品を「使わない」ほうが、消化には良いです。

粉ミルクには乳糖以外にも、脂肪、タンパク質がたっぷりと入っています。
「栄養価が高い」ということは、逆に言えばそれだけ消化がより必要になります。
下痢をしているというのは、消化機能が低下している状態ですので、そんなときに「栄養価の高い物」を与えるのは無理なことです。
「栄養価の低い物」こそ必要で、それを与えながら、消化機能の回復を待ち、しっかりと消化できるようになったところで(つまり下痢が改善し、食欲が出てきたところで)、少しずつ元の離乳食や粉ミルクに戻していきます。

日本人は「乳糖不耐症」という状態になりやすいものですので、下痢が始まったら、乳糖の入っている物を少なくする(または止める)ことが必要です。
この「乳糖不耐症」については、HP内にすでに詳しくかいてありますので、ご覧になって下さい。

大人が下痢をしたときのことを考えて下さい。
こってりしたもの(脂肪やタンパク質の多いもの)は自然に食べなくなりますよね。
お粥のような、炭水化物が主で、水分が多いものを、少しずつ摂るようになります。
それが自然です。
下痢をしている赤ちゃんに、こってりしているミルクや離乳食を食べさせようとしても、欲しがらなくなるのは、自然のことと思いますが、いかがでしょうか。

もちろん、下痢止めなどの必要な治療は受けて下さい。
下痢がなかなか改善しないようでしたら、再度主治医の診察を受けて下さい。

2002.6.11

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塚田こども医院Q&A2002年 6月