湿疹の悪循環

最近特に口のまわりがひどくなってきて、血がでるほどひっかくことがよくあります。その箇所がなおっても別の場所(口のまわり)が赤くなってきて、同じことの繰り返しです。かかりつけの先生は「強い薬を使えば一時的にはよくなるけど、体質改善が必要だから…」というのですが、それでいいのかどうか、体質改善をすればアトピーは治るのかというのが疑問です。(後略)(新潟県・Nさん)

口の周りはいろんな食べ物やよだれなどがつくために、アトピー性皮膚炎でなくても赤くなり、かゆがることの多い箇所です。
いつも清潔にしておくことがとても大切で、一日に何回も石けんを使って洗ったり、必要に応じて早めに薬を使うようにして下さい。
外用薬は基本的には非ステロイド薬(アンダーム軟膏など)が基本ですが、程度が強い時には短期間(数日)ステロイド薬を使うこともあります。

確かに外用薬によって「体質を改善」している訳ではありませんが(その前に改善すべき体質かどうかも不明ですが)、どんな湿疹も赤みや痒みのある状態をそのままにしておくと、そこの皮膚は正常のバリアー機能を失っているために、引っ掻くことや少しの汚れも刺激によってもますます状態が悪くなっていきます。
そうなるとさらに治療が難しくなり、いわば「悪循環」に陥ることになります。

そうならないように、早めにきちんとした外用療法を行うことは、とても大切です。
軽いうちであれば、弱いステロイド薬を少量使うことで効果が出ますし、早めに非ステロイド薬に切り替えることもできます。
何より、痒みから解放されることで、本人は楽に過ごせることになります。

そういった観点からも治療を見直すことが必要かもしれません。

2002.4.25

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塚田こども医院Q&A2002年 4月