成人男性の風疹予防接種

主人が31歳なのですがまだ風疹をやっていません。成人女性の風疹の予防接種はよく聞くのですが成人男性の風疹の予防接種は必要なのか、また、効果があるのか、何科で受けたらよいのか、費用はどのくらいかを知りたいです。(千葉県・Tさん)

風疹という病気が問題になるのは、一番は「先天性風疹症候群」をおこすことです。
妊娠初期の女性が風疹にかかると、高率に胎児に奇形が生じてしまいます。
いわば「奇形を予防する」というのが風疹ワクチンの最大のねらいです。
ですので、この点からは男性がかかってもかまわないとも言えます。

日本で風疹の予防接種が始まった当初は、中学生の女子だけを対象にしていました(イギリス方式)。
しかし、「効率的」と思われていましたが、実際には十分な効果をあげることができませんでした。
それは、14、15歳くらいで接種しても、妊娠可能な30台(ときには40台)まで20年以上も感染を予防するだけの免疫レベルを保つことが難しいことが次第に分かってきたからです。

そこで方針を転換し、風疹の流行そのものをなくそうということになりました(アメリカ方式)。
成人女性がもし免疫をもっていなくても、風疹の流行がなければ、先天性風疹症候群の赤ちゃんが産まれることはないというわけです。
風疹は幼児などの小児の間で流行しますので、幼児期の早い段階で、「男女とも」ワクチン接種を受けてもらうようになったというわけです。

以上の点からは、奥さんが風疹に対する免疫をしっかりもっていれば、男性はあえてワクチン接種を受ける必要はありません。

ただし、大人が風疹にかかると、1週間ほどはお仕事を休まなければならなくなるでしょう。
そういった意味では、やはり予防接種を受けておいたほうが良いことになります。(本人のために)

成人のワクチン接種は任意接種になります。
内科でされていないようでしたら、小児科にご相談になって下さい。
(ワクチンの種類、量とも小児と成人とでは変わりがありません)
費用は全額自費ですし、「公定価格」のようなものはありません。
病医院にお問い合わせになって下さい。(当院のものはHP上でお知らせしています。)

2001.12.13

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塚田こども医院Q&A2001年12月