おたふくかぜの診断とその後の予防接種

インフルエンザの予防接種についてお聞きしたいのですが、1回目を10月31日にしまして、つい最近(11月21日)に発熱しまして翌日、少しほっぺたがふくらんできたので、診察して頂いたら、おそらくおたふくでしょう、とのことでした。熱もはれも3日間ぐらいでひいていきました。それで2回目のインフルエンザの時期をうかがうと12月8日と先生はおっしゃいました。少し疑問に思って保健所に問い合わせましたらおたふくから1ヶ月はあけた方がいいですねとのことでした。いったいいつ2回目を接種したほうがいいのでしょうか。あと確実におたふくだったのか血液検査で確認しなくてもいいのでしょうか。(おそらくという言葉がひっかかっているので)(富山県・Mさん)

診断は通常は臨床症状で行っていて、血液検査などはしていません。
このときに、地域や家族・園などでの流行の様子はとても参考になります。
(現在、当地域ではとても流行しています。そちらではいかがですか?)
流行が全くなく、一人だけ「おたふく」というのは、ちょっと考えにくいです。
逆に、流行があれば、そうとうの可能性でおたふくという診断が確実になります。
臨床診断としては、耳下腺の腫脹(片側または両側)です。
ですが、耳下腺腫脹のないおたふくもありますし、ほかの病気で耳下腺腫脹のおきることもあります。
ただし、耳下腺腫脹は1週間程度続くことが多く、他の原因による耳下腺腫脹が2日前後で終わってしまうのと対照的だという印象をもっています。
いずれにせよ、確定診断は血液の検査等によりますので、診断をよりはっきりさせたいのでしたら、主治医の先生とご相談になって下さい。

予防接種を受けるタイミングについてです。
大きな病気をしたときは、1ヶ月程度あけることが多いです。
これは、その病気から回復し、合併症等がないことを確認する期間が必要だからです。
また、予防接種の効果が十分に現れないといけないからでもあります。
「1ヶ月」というのは、いわば便宜的な期間で、実際にはケースごとに判断されるべきです。
病気としては、はしかはとても重い病気で、1ヶ月以上たっても十分に免疫力が回復していない可能性もあります。
その他の病気では、1ヶ月以内でも予防接種の効果にはさほど問題はないと思います。
また、病気の合併症が現れる期間としては、例えばおたふくによる髄膜炎は発症から1〜2週間ほどでおきてくるので、それ以上たっていれば予防接種と重なりあうことはないでしょう。

一方、予防接種の必要性や緊急性もあります。
身近に大きな感染症の流行があり、できるだけ早く免疫をつけたい場合には、病気の回復から一定の期間をおかずに予防接種をするべきときもあろうかと思います。
インフルエンザについても、1月以降には流行してくるので、年内に予防接種をすませておきたいと思います。

そういった意味合いで、今回の接種の日程が決まってきたのかもしれません。
主治医に、おたふくの診断と、接種時期を確認されるようお願いいたします。

2001.12.3

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塚田こども医院Q&A2001年12月