風疹予防接種と免疫の付き方/抗体検査の方法

私は、先日風疹の抗体価を調べましたが、抗体がないので未感染ではないかと言われました。そして後日風疹の予防接種を受けてきました。しかし、先生から大人になってからの予防接種は効き目が弱く、もしかすると抗体価はすぐに上がらないかもしれないと言われました。もし先生の言われた様に抗体価が上がっていなければ、また予防接種を受けなければなりませんか?一度では効き目がないのでしょうか?また、私は昭和53年生まれなので中学の時に予防接種を受けているはずなのですが、抗体がなかったのは消えてしまったという事なのでしょうか?(山形県・Kさん)

一般的に風疹の予防接種は効果が良いワクチンとされています。
手元の資料では、95%以上の有効率とあります。
逆に言えば、5%未満の方が有効ではないことになります。
中学の時に予防接種をうけているとのことですが、今回免疫がないと判定されたのは、二つのことが考えられます。
(1)最初から十分な免疫ができなかった
(2)最初は免疫ができたが、年数を経て次第に抗体価が下がってきた
風疹の流行があると、(2)のメースの方の抗体が上昇することが知られています(自然のブースター効果)。
しかし、近年は風疹の流行がないため、(2)のようになってしまうことが少なくないようです。
そこで、もう一度ワクチン接種を行い、「人工的なブースター」を作る必要のある方が多くなってきています。
日本では現在は1歳に予防接種を行う方法に変更されましたが、2回目の接種を行うべきという意見がでています。
(とくにはしか(麻疹)については、欧米では2回法が一般的です)

成人に対しては効果が弱いとのことですが、私の手元の資料にはそれについて言及しているものが見あたりません。
とくに年齢差はないように思っています。

抗体の測定方法には何種類かがあり、判定に混乱が生じているという指摘があります。
一般的にはHI法を用いた検査が使われ、8倍未満を陰性(免疫なし)、8倍以上を陽性(免疫あり)としています(希釈の倍数で表します)。
ただし、8倍は陽性ではありますが、反応が弱いので、ワクチン接種をお薦めしています。
16倍以上は十分な免疫があります。
この他の方法では、正確な評価ができないものもありますので、注意が必要です。

風疹に対する抗体がきちんと上昇しているかどうかは、接種から2か月ほどしてから確かめています。
「感染を予防するに十分なレベル」まで上昇していないようでしらたら、再度(再々度)接種する必要があります。

主治医の先生とよくご相談になって下さい。

2001.11.9

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塚田こども医院Q&A2001年11月