乳幼児のインフルエンザ予防接種の効果

インフルエンザ予防接種は1歳未満は免疫が付きにくいそうですが、これは予防接種を打たなかった場合と全く変わらないのか、打っていなければもっと酷くなったけれどもインフルエンザの症状は出てしまう・・・のどちらなのでしょうか? エチル水銀の問題も気になりました。(北海道・Sさん)

乳幼児に対するインフルエンザ予防接種の効果が成人・高齢者に比して弱いとされているのは事実です。
ちょうど本日より予防接種法が改正され、65歳以上の高齢者にたいするインフルエンザ予防接種が法律の中できちんと位置づけられました(公費の補助ができました)。
この検討過程で、小児に対する効果の検討が引き続き必要とされ、数年先に再度検討し直すことが決まっています。
見通してしては、数年後には小児に対しても、公費の補助のもとでインフルエンザ予防接種を行うことができるのではないかと、私は思っています。

効果が弱いというのは、統計的な話です。
「発症を予防するに十分な抗体価の上昇」が得られる人の割合を比較しています。
ワクチン接種を受けた乳児の全員に免疫ができないということではありません。
しかし、残念ながらせっかく受けたのにインフルエンザにかかってしまう率が他の年齢より多いというのも事実であり、今後のワクチンの改良や接種方法の改良が必要だと思います。
一人ひとりのお子さんに、接種によって100%の免疫を保障できないのは残念ですが、その点もご承知の上でワクチン接種を受けていただきたいと思います。
(この点は、他の年齢についても共通です。)

インフルエンザ・ワクチン中にメチロサールが防腐剤として使用されています。
これは有機水銀ですので、微量とはいえ、好ましくはないとされ、現在、それを使用しないよう改良中です。
ただし、それが自閉症の増加と有意の関連があるとする意見は、医学的に論議される必要があると思います。
その点だけで、今現在、インフルエンザ予防接種を受けないほうがいいとする根拠には乏しいと思っています。

2001.11.7

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塚田こども医院Q&A2001年11月