大泣きする赤ちゃんと「疳の虫」

子供の「大泣き」に困っています。今3ヶ月と3週間の息子です。毎日3回くらいひたすら何をしても泣きつづけます。昼間は30分くらいから1時間くらい、だっこして、どうにか寝ますが、夜はひどいときは2時間以上続きます。おっぱいをあげようとしても思い切りのけぞっていやがるのですが、最終的にはおっぱいを飲んで、寝てしまうことが多いです。顔を真っ赤にして、時にはチアノーゼがでるほど泣きます。結局はおっぱいが欲しいのかと思ってはいるんですが、いやがって体をそらせて、すいついいてくれないので、よくわかりません。「夜泣き」とも違うし、どうしていいかわかりません。自分なりにたくさんスキンシップもとれてると思うし、いっぱいおしゃべりしてると思います。(中略)本当は何か他に理由があって、それをあたしが気付いてあげられてないんじゃないかと思うと、子供に対して申し訳なくなります。何か、本当は理由があって泣いてるのでしょうか?それを分かってあげれればこんなに泣くこともなくなるんでしょうか?毎日毎日息が止まるんじゃないかと思うほど泣くので、かわいそうで仕方ありません。何か、解決法があれば教えていただけないでしょうか?(福岡県・Wさん)

小さいお子さんの子育て、大変ですね。
何をしてほしいのか、言ってくれないので、まわりでオロオロしてしまうこともよくあります。
親も少しずつ学習していくなかで、「まあこんなところかな」といった「勘所(かんどころ)」が分かるようになっていくものです。

赤ちゃんの大泣き・・親のほうが泣きたくなりますね。
好きなだけ泣ける赤ちゃんがうらやましくなります。
いろんなことをされているようですが、何かはっきりした要求があって泣いているわけではないときは、まあ様子眺めをしていていいのではないでしょうか。
疲れてくれば寝るでしょうし、お腹が空いてくればオッパイを飲むでしょう。
親が神経をすり減らす必要はありませんね。

生まれ持った性格はいろいろです。
私も3人の子を育ててみて、三者三様、みんな違います。
転んで血が出ていても泣かない子もいれば、道の上に大の字になって大泣きする子もいます。
面白くないことがあっても、さっと気分を変えて平気でいられる子もいれば、要求が通るまで大泣きしている子もいます。
環境や育ち方も違うのでしょうが、性格の違いも大きいものがあるんだな、といつも思っています。

昔、「疳(かん)の虫」という言葉を使っていました。
神経質で、少しのことで大泣きをしたり、大騒ぎをしたりします。
扱いにくい(親の立場からは)子のことをそんなふうに言っていました。
なかなかいい表現かもしれません。
というのは、その子の性格を「悪い」とするのではなく、他からその子に悪さをしているものがあるというように考えるわけですから。
(これを問題の「外在化」と言います)
そうすることで、その子をゆとりを持って見守ってあげることができるのではないかと思っています。
(転んだときに、「痛い痛いのパパのところに飛んでけ〜!」ってすると、その「痛み」が子どもの体の中から抜け出ていくことって、ありますよね。あれです)

「疳の虫」というと、宇須救命丸(こんな名前でしたっけ)が有名ですね。
精神の安定化作用があるようですので、試してみてもいいかもしれません。
私がときどき使う漢方薬に「甘麦大棗湯(かんばくたいそうとう)」があります。
これも夜泣きなどによく効く子がいて、処方することがあります。
夜泣きのために親が心身をすり減らしているときなど、親のために使います。

まとまった話にはなりませんが、子育てを楽しみながら、余裕をもってお子さんの成長を見守ってあげられるといいなと願っています。
またご心配なことがあれば、ご連絡下さい。

2001.11.7

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塚田こども医院Q&A2001年11月