卵アレルギー児へのインフルエンザ予防接種

卵アレルギーでもインフルエンザの予防接種はやったほうがよいでしょうか? この件について、おたずねします。
1.10歳になる娘(小学校4年生)は、生まれつきの卵アレルギーと診断され、以来除去食(学校給食でも除去)対応をしているところです(もちろん、火を通したもの等一部除去を解禁してきています)。これまで、上越市に転勤してくる前のホームドクター(小児科・アレルギー科)の先生の見解に従い、インフルエンザの予防接種を見送ってきた経緯があります。
2.他方、先日、先生のところで、今年8月はしかの予防接種を受けました。はしかの予防を受けた際には、特別問題はありませんでした。
3.できれば、娘にインフルエンザの予防接種を受けさせたほうが良いとは思いながら、卵アレルギーとの関係で、なかなか決断できません。
 というのも、偶然かもしれませんが、最近卵入りの食品の除去をゆるめてきた時期に、軽い喘息が再発するなど若干体調が乱れ気味なことがあります(現在、喘息の関係で、近くの医者で処方されたザジデンとテオドールを服用中です)。
 また、たまたま別の医院でみたインフルエンザ予防接種の申しこみの用紙に「卵アレルギーの方は医師に相談してください」という趣旨の記載がありました。(上越市・Sさん)

まず一般的なこととして、インフルエンザ予防接種は年齢を問わず受けていただきたいと思っています。
その上で、副反応が予想されるのであれば、慎重に対応する必要があります。

鶏卵アレルギーのある方への接種がよく問題なりますが、結論的には、なんら問題なく接種できています。
これは、インフルエンザ・ワクチン中に鶏卵由来のタンパク質が検出されないからです。
ワクチンの製造過程で「精製」するとき、ワクチン成分以外はまず含まれていないほどになっています。
また、日常的に鶏卵を厳密に完全除去する必要がなければ、大きな問題はないと考えていていいと思います。

お子さんの場合は、すでにはしか(麻疹)ワクチンで副反応がなかったのですから、インフルエンザ・ワクチンに対しても大丈夫かと思います。

2001.11.2

目次のページへ

ホームページのトップへ


塚田こども医院Q&A2001年11月