感染症罹患後によつ予防接種の効果への影響

10月で、2歳になる息子のことでお聞きします。昨年、1歳の誕生日直後に麻疹の予防接種を受けたのですが、その3日後に突発性発疹にかかり(麻疹の予防接種の副作用ではないと言われました)40度を超える高熱で、熱性けいれんをおこしました。何かの本で、予防接種直後に病気にかかると免疫がつかない場合があると読んだように記憶しているのですが本当でしょうか? もう一度受けなおしたほうがいいのでしょうか?(福島県・Wさん)

お尋ねの件ですが、確かに予防接種前後に感染症にかかると十分免疫がつかないことがあります。
ですが、必ずそうだともいえません。
はしか(麻疹)は相当に免疫力をおとす感染症ですので、予防接種の効果が十分にでない可能性が大きいと思います。
しかし、その他の感染症については、個人差もあり、あまりはっきりしたことは分かっていないようです。

今回のようなアクシデントがなくても、実は一回の予防接種で十分に免疫がつかないこともあります。
接種直後から感染を予防するほどの免疫ができない場合もあります(一次的)。
接種直後は十分ですが、年数を経ると次第に弱くなっていく場合もあります(二次的)。
そのため、特にはしかについては、医学的には2回予防接種を受けることが必要だとされています。
実際、アメリカのほとんどの州では2回のはしか接種を法律で義務づけています。

日本では現在はまだ1回の接種が一般的ですし、法律上もそうなっています。
しかし、できればのちに2回目の接種を受けるようにされることをおすすめしたいと思っています。
あるいは、十分な免疫ができているかどうか、抗体の検査を受け、十分でないときにはやはり予防接種を受けるといいと思います。

なお、1回目の接種で十分な効果があるときに、2回目の接種を受けても問題はあり
ません。
(効果があっても弱いときにはそれを強くしてくれます。)
ですので、2回目を受ける前の抗体検査は省略してもかまいません。

2001.9.30

目次のページへ

ホームページのトップへ


塚田こども医院Q&A2001年9月