予防接種を受ける順番は?

今年の5月に出産しました。もう3ヶ月たつので、そろそろ予防接種を始めようと思うのですが、何から初めて良いのか分かりません。市から予防接種手帳みたいな物を送られて来て、それをよく読んだのですが、あまり詳しいことが書かれていません。集団予防接種は、9月と11月にあるので、近くの保健所で行う予定です。しかし、私は職場に復帰するため、子供を10月から近くの保育所に預ける予定ですでに入所も決まっているのですが、やはりそういった所で怖い病気を移されないかと不安になってしまい、三種混合なども、保育園に入る前にやっておきたいと思ってるのですが、何からやればいいのかわかりません。。それぞれ受けた後に間隔を空けなければいけませんし、うまい具合に保育園に預ける前までにやれる予防接種は全部やっておきたいと思うし・・・どうしたらよいでしょう。(静岡県・Uさん)

予防接種のスケジュールについての質問ですね。
お子さんは今3ヶ月で、あと2ヶ月ほどで保育園に通い出すとのこと。
その間に全ての予防接種を受けることは無理ですが、大切なものを順に受けていくようにしてください。

まずは三種混合
法律に基づくもので(定期接種)、生後3ヶ月から受けることができます。
通常、約4週間おきに3回を受けます。
三種混合の中の百日咳が問題で、赤ちゃんがかかるととても重症になることもあり、その一方で、お母さんからの移行免疫がほとんどないため、早くから実施しています。

次はBCGでしょう。
これは結核を予防するワクチンですね。
生後すぐから行うことができます。
三種混合の3回の中で接種することもできます。
ただし、BCGを接種すると次の接種まで4週間以上あけることになっています。
(逆に三種混合からは1週間あければ他の予防接種をうけることができます。)

1歳のお誕生日を過ぎたら、はしか(麻疹)の予防接種を早めに受けて下さい。
はしかはとても怖い病気ですし、伝染力も強力です。
法的には1歳以降ですが、任意接種ではそれより早く受けることもできます。
移行免疫が生後半年でそろそろ切れてきている赤ちゃんもいるとのことですので、1歳前でも集団生活をしていて、感染を受ける機会が予想されるお子さんにはお勧めしています。
ただし任意接種については、よく理解し、協力してくれる小児科医が必要です。
(薬としてのはしかワクチンにも、1歳以上で使用すると書いてあります。)
かかりつけの先生にお聞きになってください。

はしかの予防接種が終わると、そこから4週間以上あけて、風疹ワクチンを受けてもらっています。
ただ、風疹は現在は流行がみられていませんし、子どもにとっては重い感染症ではありませんので、急ぐ必要はありません。

はしかと風疹ともに、次の接種まで4週間以上あけて下さい。

以上にあげたもの以外の「定期予防接種」は2つ。
ポリオの予防接種は、ポリオが日本ではほぼ皆無なので、やはり急ぎません。
(周囲で一斉に投与を受けるときには、いっしょに受けてもらったほうがいいようですが)
年齢は生後3ヶ月からで、6週間以上の間隔をあけて2回受けます。
ポリオを受けると次の接種まで4週間以上あけます。
もう一つは日本脳炎ですが、これは3歳から始まりますので、しばらくはありません。

これ以外の任意接種で受けて欲しいものが3つ。
インフルエンザ:毎年秋にあります。
インフルエンザは毎冬に流行し、中には脳炎・脳症といった重篤な合併症もあります。
ぜひ受けておいて下さい。
1〜4週ほどおいて2回、他の予防接種まで1週間おいてください。
0歳の赤ちゃんも受けることができます。
なお、このワクチンは「症状を軽くすませる」程度の効果だと思っていて下さい。

おたふくかぜ:生後1歳から。
とても効果がよく、予防接種を受けておくと、まずおたふくかぜにはかかりません。
はしかの予防接種のあと、受けてはいかがでしょうか。
次の接種まで4週間以上あけます。

水ぼうそう:生後1歳から。
こちらはときにあとで本物の水ぼうそうにかかってしまうこともありますが、でも軽くはすんでいるようです。
はしかの予防接種のあと、考慮して下さい。
同じく、他の接種は4週間以上間隔をあけてください。

以上で原則的な話は終わりです。
法律は日本中どこでも共通ですが、実施主体である市町村の体制はまちまちかと思います。
個別接種か集団接種かが一番ですが、集団ですと、日にちの指定があります(それにとらわれる必要はないのですが)。
個別接種については、医療機関の受け入れ体制はみな違いますので、親御さんの希望通りいかないこともあるでしょう。
まして任意接種については、実施しているかどうか、お聞きになってみてください。

予防接種を積極的に受けようというお気持ちをうれしく思います。
でも、お子さんが集団生活に入るといろいろな感染症をもらうなど、きっといろんなトラブルがあります。
その一つひとつに丁寧に対応していくことが、子育ての大切なところかなと思っています。
また何かご心配なことがあれば、どうぞ御連絡下さい。

2001.8.16

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塚田こども医院Q&A2001年8月