手足口病のあとの予防接種の受け方

7月6日に手足口病にかかりました。(ぶつぶつがではじめた)現在は、かさぶたも取れて治ったようです。来週になったら、はしかの予防接種に行こうかと思っているのですが、発症してから2週間くらいしかたっていないので接種してもいいかおしえてください。(新潟市・Nさん)

予防接種を受けるとき、一般には体調が良いかどうかがポイントです。
また、その時に良くても、今後体調を崩すことが予想される場合には、見合わせておいた方がよいときもあります。
例えば、感染症にかかったあと、まだ十分に回復していないときや、大きな合併症も予想されるときがそうです。

感染症というのは多くのものが含まれていて、重症のものから、鼻風邪ぐらいの軽いものまで様々です。
そのため、簡単には「重い感染症」と「軽い感染症」とに分けて考えています。
「重い」ときには、いちおう1ヶ月ほどは予防接種を受けずに様子を見てもらっています。
はしか、おたふくかぜ、水ぼうそうなどがそうです。
これらは、1ヶ月ほどたっていれば、十分に体力や免疫能が回復しているし、病気による合併症が出ると思われる時期を過ぎていると考えられるからです。
(もっとも、はしかについては、免疫の低下が著しく、個人的には数ヶ月は避けていたほうがいいのではないかと考えています。)

「軽いもの」は、それが治って1週間ほどしていればかまわないというのが一般的です。
通常の風邪、軽い気管支炎や扁桃炎などがそうです。
(鼻風邪のように普通に登園できる程度の軽微なものでは、その途中でもかまわないかもしれません。)
ご質問の手足口病はこちらに入ると考えて良いと思います。
手足口病の症状そのものは軽いですが、合併症として髄膜炎をおこすことがまれではありません。
この髄膜炎は、手足口病の治りかけに多く、1週間ほどたってなにもおきていなければ、もう安心ですね。
そういった意味合いで、今回はしかの予防接種を受けることは、問題ないと思います。

ただし、当日の体調などにもよりますし、診察の上で接種の可否が決められます。
あるいは、予防接種の担当医師のお考えが、それぞれ多少違うことがあるかもしれませんので、よくお話をお聞きになって下さい。

PS
「かさぶたがとれ」というお話ですが、手足口病は最初は固い水疱で、治ってくると赤黒い発疹になります。
かさぶたにはならないと思うのですが・・
(私たちがかさぶたと表現するのは水ぼうそうですね)

キーワード:手足口病と予防接種

2001.7.20

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塚田こども医院Q&A2001年7月