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       小学校一年生の子供をもつ親です。夏休みに入るにあたり、学校より保健便りのなかの諸注意の一つとして、「ツベルクリン反応、反陽転者は、絶対に日焼けをしてはいけません」という一文がありました。まず、「反陽転者」という言葉の意味が分からない。また、どうして日焼けをしてはならないのか?その理由がわからない。そして陽性であってもいろいろと注意書きがあり 
       1.紫外線の強い山、海、炎天下での長時間の運動は避けること 
       2.早寝して十分睡眠を取り、一日の疲労はその日のうちに取るよう心がける 
       3.偏食をなくし、バランスのとれた食事を、規則的にとる 
       4.疲れやすい、顔色が悪い、食欲がない、やせる、寝汗をかく、微熱が続く、元気がない等の変化があった時は早期に受診すること。とかかれています。陽性反応というのは、結核に対して免疫ができているということではないのですか? ちなみに、わが子は、今回(小学一年時のツベルクリン反応検査)で、陽性反応でした。(神奈川県・Sさん) 
      ツベルクリン反応の判定基準は、現在は陰性と陽性のみです。 
      (さらに陽性はその程度で弱陽性、中等度陽性、強陽性に分けられます。) 
      陰性と陽性の判定は発赤の大きさで決められ、円形であれば直径、楕円形であれば長径が10mm未満と以上とで別れます。 
      そして、ツ反応陰性は結核に対する免疫がない状態で、BCG接種を受けます。 
      ツ反応陽性は結核に対する免疫がある状態で、BCG接種は受けません。 
      また陽性は通常は免疫がある状態ですが、ときには結核という病気そのものに罹患しているときもあり(強陽性の時など)、詳しい検査を必要とすることもあります。 
      「陽転」というのは、BCG接種を受けたことにより、陰性だったツ反応が陽性に転じることを言います。 
      以前は、乳幼児期に毎年ツ反応を行っていて、陽転が確認されるまで、BCGが行われていました。 
      現在は乳幼児期に1回BCGを接種し、その後は小学1年に2回目のツ反応を受けるので、このときに陽性になっているときが初めての「陽転」です。 
      お尋ねの「反陽転」という用語は一般的ではないようで、私自身も初めて耳にしたのですが・・ 
      おそらく、「陽転していない」つまり「陰性でBCGを受けた」児童のことをさしているのではないでしょうか。 
      つまり、BCG接種者は健康の上で十分に注意して下さい、という趣旨かと思います。 
      その「注意」の内容ですが・・ 
      BCG菌は直射日光に弱いので、接種直後はその部位が乾くまで直射日光にあたらないように指導しています。 
      数分間で乾きますので、その後は普通で結構です。 
      「この夏に日焼けしないように・・」というのは、こういったところから出ているのでしょうか? 
      あるいは、BCG部位がケロイド化することがまれにあるので、そのことを心配されているのでしょうか? 
      (通常は上腕の外側中央に接種してもらっていますが、肩に近いところはケロイドになりやすいと言われています) 
      私の理解では、「子どもとしての普通の生活」をおくっていていただいていいと思っています。 
      その上で、何かおかしいと思うことがあれば、医師などにご相談下さい。 
      注意書きの4は、こういった症状があれば結核感染をおこしている心配があるということでしょう。 
      「ツ反応陽性」と言う中に結核患者も含まれている可能性があるという意味で書かれているのだと思います。 
      ですが、まあ常識的に対応していただければいいことで、ことさら強調することもないと思います。 
      キーワード:BCG接種後の注意 
      2001.7.20
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