おたふくかぜの予防接種

今日はおたふくかぜについて教えてください。昨日子供の予防接種に行ったのですが、その時すぐそばにたぶんおたふくかぜにかかっているだろう、という子供がいました(潜伏期間だったみたいです)。その子と接触したのはほんの4〜5分程度なのですが、子供に移ったのではと心配になりました。1ヶ月しないと他の予防接種は受けられないので、移ってないことを願うしかありませんが、男の子なので少し心配です。でも、もっと心配なのは主人のことです。おたふくかぜにかかっていないので、もし子供がかかり、それが主人に移ったら大変だと思うのですが、今からでも予防接種を受けたほうがいいでしょうか?それとももしかしたらもう移ってるかもしれない今からでは遅いのでしょうか? そろそろ次の子供をと考えているので、予防接種が今からでも有効であれば急いで受けたいと思いますが、その後はどの位子供は作らないほうがいいのでしょうか?(新潟市・Yさん)

おたふくかぜのことでお話をします。潜伏期は2〜3週間。伝染力ははしか、水ぼうそうなどに比べるとそれほど強くはありません。他の人にうつす時期は、耳下腺の腫れがあるときです。それまでは、ほとんどないと考えて構いません。

ということで、昨日の接触程度では感染していないと考えていいのではないかと思います。(地域内で流行しているようでしたら、そのほかの機会に感染を受けているかもしれませんが・・)

大人も免疫を持っていないと感染を受けることがあります。成人男性の場合は睾丸炎が30%、成人女性では卵巣炎が7%程度合併するとのことです。(ただしこれらは片側だけでおきるのが多く、もう一方が健康であれば、精子や卵子はちゃんとできるので、実際には不妊の原因にはあまりなっていないようです)もちろん、通常の症状だけでもけっこう大人はしんどいですから、かからなくてすむようにしておいたほうがいいですね。「子どものころにかかってはいないようだ」という大人も方も、ぜひ予防接種を受けて下さい。

今回、仮にお子さんがおたふくの感染を受けたとしても、これから2〜3週間の間はまだ伝染力がないので、その間に先にお父さんがワクチン接種をして免疫を作っておけば心配なことはおきないですみます。

予防接種を受けたあと妊娠してはいけないと言うのは、風疹のときだけです。成人女性が風疹ワクチンを受ける際には、その1か月前から2か月後までの3ヶ月間、妊娠を避けてもらうよう指導しています。(ただし、実際に妊娠しても奇形の子どもが生まれたという報告はありません。わざわざ中絶をすることはしてません。)おたふくワクチンについては、男女とも妊娠についての心配はありません。(気分的にすっきりしないようでしたら、ワクチンウイルスは1か月以内には体内からなくなり、免疫もできてきますので、1か月ほどあけておけばいいのではないでしょうか)

なお、おたふくワクチンは内科の先生は用意していないことが多いので、大人でも小児科でご相談されるといいと思います。

キーワード:おたふくかぜワクチン

2001.5.22

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塚田こども医院Q&A2001年5月