ステロイド外用薬の副作用がでているのでは?

6ヶ月の娘がお世話になっています。4ヶ月の時にこちらへ移ってきました。それまで他県に在住し、そこで生後一ヶ月のときから顔のぶつぶつが「乳児湿疹」ということである皮膚科にかかっていました。そこで頂いていた薬を、「症状がひどくなればこの薬、軽くなればこの薬」といわれ、アトピーではないということだったので使っていたのですがいっこうに良くなりませんでした。こちらに来てから娘がじんましんで塚田先生に診ていただいた際、お薬の本をもらってみると、前述の皮膚科での薬はステロイドであることがわかり、(アルメタ、ヒルドイド)知らずに3ヶ月も使い続けていたことを知ってショックでした。塚田先生にかかってからはアンダームのみを使っていますが、ステロイドの副作用は止めてからもずっと続くと聞いて心配です。今も時々浸出液がでたり肌の色が変わっているのが気がかりです。今後どのくらいすればステロイドの後遺症?は軽減していきますか?また、現在アレルギーということで食事制限の指導を頂いていますが、他に皮膚のことで気を付けることがあれば教えてください。よろしくお願いします。(上越市・Hさん)

ステロイド外用剤のことでは、心配されるお母さん方が多いですね。確かに、「長期・大量・漫然」と使用していると、副作用の問題が出てきます。局所(塗っていた皮膚)の問題としては、かえって赤くなったり、薄くなったり、感染を誘発したりします。これはステロイドを数週間以上、多めに使っていると起きることがあり、またこうなったときに急にやめるとかえって症状が悪化することもあります(リバウンド)。また全身の皮膚の中で起きやすいのは、目の周りやほっぺなどの顔だということです。全身的な問題としては、本来ステロイドを作り出す器官である副腎皮質の働きが弱くなることもあります(通常、内服で長めに使用しない限り、外用ではおこりません)。

こういったことをお話すると、ステロイドがとても悪いお薬のお薬のように思われるかもしれませんが、湿疹などの皮膚の病気をよくするためには大変良いお薬であり、普通の使い方をしている限り、とくに問題がおきるものではありません。

ステロイドは絶対使いたくないという方もおられるのは承知しています。ですが、「症状の軽いうちに早めに使う」ことで、結果として弱いステロイドを、少量・短期間使うだけですみます。逆にステロイドを使わないために症状が重くなり、あとで治療するときには、強い薬を多量・長期間使用せざると得ないことになりかねません。

ということで、適切な使い方をしていただければ、とても良いお薬だと考えています。もちろん、診察を受けて、どこにどのような使い方をすれば良いか、十分に聞いて下さい。また、こういった外用療法はいわば対症療法です。アレルギーの元になっている原因(食事、環境因子としてのホコリ・ダニ・ペットなど、精神的ストレス、感染など、日常生活の中での様々な問題)をきちんと解決しない限り、同じことを繰り返したり、悪化させることもあります。

ところでお子さんの場合は、食事のアレルギーもあるとのことですね。離乳食の初期〜中期はとても大切ですので、よく栄養士からの指示に従って下さい。また、皮膚の様子はステロイドの副作用としての皮膚病変がある、ということではないですよね。現在、副作用がなければ、今後でてくることはありません。滲出液がでているとのことですが、これも診察してみないと分かりませんが、湿疹そのものによるものもありますし、感染をおこしているのかもしれません。それにより対処の仕方が異なってきますので、また診察にいらして下さい。

皮膚のケアは、丁寧に行って下さい。たえず清潔になるようにしていてほしいですが、食事のあと、すぐに洗ってあげたり、汚れているようなら、一日に何度でも洗って下さい。最近は低刺激性の石鹸などの、赤ちゃんのためのスキン・ケア商品がいろいろとでていますので、それらを利用するといいですね。

キーワード:ステロイド外用の副作用

2001.5.6

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塚田こども医院Q&A2001年5月