任意接種で事故がおきたときの対応

公費でない予防接種を受けた場合、その副作用による事故が起きたとき(たとえば麻疹の予防接種で脳炎になったとき)は、打ってくださった先生はなんらかの責任を問われるのでしょうか。 (Yさん)

任意接種は、医師(医療機関)と本人(子どもの場合は保護者)との間での、「任意の契約」に基づいて行われる接種です。もしもの副作用などの事故がおきた場合は、第一義的にはその医師(医療機関)が責任を負うことになります。(法による定期接種であれば、市町村長が第一義的な責任を負うことになっています。)これは、通常の医療行為における責任の取り方と同じです。

さらに、その事故の責任が、医薬品としてのワクチンに起因するのであれば、「医薬品副作用救済基金」というところが補償することになっています。(市町村長が救済する時の額の、おおむね半額程度ということです。)もちろん、医師側に「故意、過失」があれば、補償するのは医師側の責任になります。

水ぼうそう(水痘)、おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)のワクチンは、もともと任意接種ですので、やはり医療機関に申し込んで受けて下さい。年齢は両者とも1歳以上ということになっています。これは、ワクチンを製造する段階で、1歳以上のお子さんに接種して、効果・副作用等の確認をおこなっています。メーカーには、それより小さいお子さんについてのデータがなく、メーカー側から接種をすすめるわけにはいかないという事情があります。しかし、1歳になる前に移行免疫がなくなっているのは、麻疹と同じ事情ですので、私は希望者には接種を行っています。(実際には、1歳未満で希望される方はほとんどいませんが・・)

ゼロ歳児に対する麻疹ワクチンは任意接種ですので、親御さんから希望があるだけで簡単に行うわけにはいきません。その医師・医療機関でのご判断もあります(私と違う判断をされるところも多いと思います)。

キーワード:任意接種での医療事故

2001.4.4

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塚田こども医院Q&A2001年4月