脂漏性湿疹のケア

2ヶ月の息子のことでお伺いします。1ヶ月のころから、頭に脂漏性湿疹ができ、今は、かさぶたのようになっていて、固く、それが頭の真上から額のほうにかけて全体にうろこのようになっています。馬油でふやかしてとってみたりもしたのですが、よくなりません。このまま自然に取れるものなのでしょうか。自然にとれるのならいいのですが、治療しなければならないでしょうか。(上越・Kさん)

お子さんの脂漏性湿疹のことでお話しします。生後すぐから半年ぐらいまでは、多くの赤ちゃんが脂漏性湿疹を作っています。程度の差はあるので、そのままにしていていい子から、しっかりとお薬を使わなくてはいけない子もいます。

一般的なケアとしては、まず清潔にしておくこと。お風呂に入ったとき、よく石鹸を使って洗ってあげて下さい。石鹸は「ベビー石鹸」が一番いいようです。これは普通の石鹸より油分をよくおとせるようにしてあります(逆に、アトピー用の石鹸は油分をあまり落とさないようにしてあります)。

あまりに程度が強くて、「うろこ状」についているようですと、ただ洗うだけでは落ちてこないので、あらかじめ(お風呂に入る1時間から30分ほど前)、オリーブ油などを少し塗って、柔らかくしておくと取れやすいようです。この油は、「ふやかす」ために使うので、お風呂でよく取って下さい。ときどき、お風呂上がりに使っているのと見かけますが、湿疹を治す働きはなく、逆効果かもしれません。

さらに、赤みや痒みが強いときには、治療としてのお薬が必要になります。医師によりやり方はいろいろかと思いますが、私は、頭の中はステロイド外用剤(ローション・タイプのものが使いやすい)、顔は非ステロイド剤(アンダーム軟膏など)を使うことが多いです。痒みが強いときには、かゆみ止めの飲み薬も使うことがあります。さらに、特に夏場は化膿していることがあり、そんなときは抗生物質の内服・外用を併用します。

「うろこ状」のものを取らずにそのままにしていると、地肌の湿疹が強くなり、赤みや痒みが増してきます。夏場などでは、臭いにおいをさせていて、細菌感染をおこしていることもあり、やはりスキンケアをしっかりしてあげたいと思います。

けっこう強い脂漏性湿疹でも、生後半年ほどでおさまってくるのが普通です。もしその頃、湿疹がより強くなり、体の中や手足のもあるようですと、アトピー性皮膚炎も心配ですので、診察を受けてください。(とくに食事アレルギーの関係しているアトピー性皮膚炎は、離乳食が始まってからはっきりとでてきます。)

以上、私の息子のひどい脂漏性湿疹のケアをしながら、考えていたことです。(もう20年以上前の話になりますが・・)

キーワード:脂漏性湿疹

2001.2.23

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塚田こども医院Q&A2001年2月