麻疹と風疹の予防接種の順番

風疹の予防接種は麻疹の予防接種のあとにおこなうことに決められていますが、その理由は? (上越保健所管内市町村予防接種担当者会議にて)

両者とも接種を受ける期間は満12か月(1歳)から満70か月(7歳半)未満とされていますが、「麻疹の予防接種は1歳をすぎたら早めに受けて下さい」とお願いをしています。

これは、麻疹という病気が重症になりやすく、伝染力が強くて流行しやすいため、法律に定められた1歳に達したら、できるだけ早めに免疫をつけておきたいからです。

風疹は妊娠初期の女性がかかると胎児の奇形をおこす可能性があり(先天性風疹症候群)、風疹の予防接種はその予防が主な目的です。そのため、以前より妊娠可能な年齢に達する前の女性に予防接種を行っていました(中学女子に対する接種)が、それだけでは風疹の流行を抑えられないので、流行しやすい幼児(男女とも)に接種して、流行しないようにする方針に変わりました。

従って、両者の予防接種の意味合いが異なるため、麻疹の予防接種を優先して受けていただいています。これが逆になっても、医学的に問題になることはありません。

なお、麻疹ワクチンはもっとも発熱率が高いことから、個別接種で行うことと定められています。やむをえず集団接種で行っているとしても、「広域的予防接種」(いわゆるB契約)を使って、1歳をすぎたら早めに、かつ確実に麻疹の予防接種が受けられるようにしていただきたいと存じます。

キーワード:麻疹ワクチン、風疹ワクチン

2001.2.21

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塚田こども医院Q&A2001年2月