日本脳炎の予防接種の受け方

去年の5月に日本脳炎の初回1回目を打った後、おたふくかぜにかかってしまい、そのままの状態です。今後どのようにすすめていけばよいのか教えていただけませんでしょうか。(東京都・Oさん)

幼児期の日本脳炎の予防接種(第1期)は、基本としては1年目(標準は3歳)に2回(1〜4週間隔)、2年目(同4歳)に1回おこないます。なかなか予定通り行かないことがありますね。行政としては、法律に決められている回数を守ることになるので、何らかの形で3回の接種をおこないます。

いろいろなケースがあります。

(1)1回接種後4週をこえてしまった場合:
これは接種できるようになったときに次の2回目を接種します。3回目はその約1年後でけっこうです。(これで十分な免疫ができるとされています)

(2)1回目から1年程度あいた場合:
その年に2回接種するか、1回接種して3回目をさらに翌年に接種する。(いずれでも十分な効果があるようです)

(3)1回目から2年以上空いた場合:
あらためて2回接種し、翌年に1回を接種します。これは、1回の接種だけでは不十分で、最初からやり直す必要があるからです。ただし、この場合には法律に定めた回数を超えてしまいますので、4回目の接種は任意接種(自費)になるかと思います。

(4)初回2回接種後2年以上あいた場合:
これは十分な免疫が持続しているので、もう1回接種しておわりです。

いずれの場合にも、第2期(標準は小学4年)、第3期(同じく中学2年)を受けていただくことで、その後、ほぼ一生日本脳炎から守られる免疫ができると期待されます。

ということで、お子さんの場合は、やり直す必要はなく、今から2回目の接種を受けていただくことになります。なお、市町村によっては、春〜夏前に集中して接種を行っているようですが、もしそうのようでしたら、この春までまって2回目の接種を受けていただくことでもかまいません。

蛇足ですが、私たち小児科医は、予防接種を積極的に受けていただくことによって病気の予防をお願いしていますが、一部では「予防接種不要論」あるいは「有害論」もささやかれています。ワクチンの安全性を常に高める努力は必要ですし、一番効果的な接種はどのようにすればいいか、絶えず見直すこともしなければなりませんが、簡単に「しなくてもいいよ」「かかったらその時・・」といった意見があることを、残念に思っています。

Oさんのように、しっかり予防接種を受けておこうとする親御さんが折られることをうれしく思います。

キーワード:日本脳炎予防接種

2001.1.8

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塚田こども医院Q&A2001年1月