CRPという検査

子どもたちが風邪をひいて病院へ行くと、時々CRPという検査をします。耳から血を採って、1分くらいで結果が分かります。先生に聞いたら、細菌に感染してるかどうかの検査だそうですが、もう少し詳しく教えていただけますか? (新潟・Hさん)

これは当院でもよく行う検査です。正しくは「C反応性蛋白(C-reactivu protein)」といい、その頭文字をとってCRPと略記しています。通常は血液中にはないタンパク質ですが、「炎症」がおきて、体の組織が壊れると血液中に増えてきます。

いろんな病気のうちで「炎症所見」が強いときには、このCRPの数字が高くなってきます。その代表が、各種の感染症で、小児科では、まずこの感染症だけといってもいいかもしれません。(このほかには、悪性腫瘍、膠原病などでも高値になってきます。)

感染症の種類や、病気の段階で異なってきますが、CRPの数字によって感染症の重症度を示すと、単純には次のようなります。(単位はmg/dl)
 ・0〜1:ほぼ正常
 ・〜2:やや上昇(まだ軽症)
 ・〜5:中等度上昇(中くらいに問題)
 ・〜10:高度上昇(相当問題)
 ・10〜:極めて高値(重症!)

たとえば、高熱が出ていての、CRPが低値であれば、ゆっくり待っていてもいいような、軽い感染症。もしCRPが高値なら、点滴治療、入院なども早急に必要な感染症・・というように見分けていきます。

CRPだけで全ては分からないので、本人の様子、診察所見、そのほかの検査所見なども参考にしながら、総合的に判断するのですが、でもこのCRPは、大いに役に立つのです。

当院も、院内でCRPがすぐに分かるように検査機器(2台)をそろえています(当院では、採血は大人と同じように静脈から取らせていただいています)。

キーワード:CRP、炎症所見

2000.11.7

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塚田こども医院Q&A2000年11月