インフルエンザ予防接種のあとの腫れ

今日、インフルエンザを受けたました。最近、注射をすると、その部分が硬くふくらみます。赤ちゃんの時は違ったような気がします。点滴の時は大丈夫なのですが。本人も、痒いと言います。これは、アレルギーなのでしょうか? (上越・Iさん)

インフルエンザ予防接種のあと腫れているとのことですが、さほどひどいものでなければ、そのままで自然に引いていきます。赤みや痒みが強いようなら、冷やしてあげたり、お薬を使うこともあります(虫さされに使うようなお薬です)。

いろんな予防接種をしていますが、そのなかで腫れやすいのは、三種混合、インフルエンザ、日本脳炎などです。これからは「不活化ワクチン」という種類で、元の病原体のごく一部をワクチンとして使っています。(このほかの麻疹、風疹、BCG、ポリオなどは、弱毒化した生きた形の病原体をつかうので、「生ワクチン」と呼んでいます。)不活化ワクチンは、その働きを強めるためにアジュバントという、いわば増強剤が配合されています。これが赤みや腫れをおこすのですが、配合を少なくすると効果が不十分になるので、ある程度はどうしても必要です。個人差も相当あり、あまりに強い反応をおこす子は、次回の接種から量を減らすこともあります。

注射をした場所をどう揉むかは、実は小児科医のなかで議論になっています。以前から、不活化ワクチンのときは「よく揉んで」と言っていましたが、あまりに強く揉みすぎると、かえって皮下組織を壊すこともあります。皮下のやや深いところに注射し、揉まない方が腫れが少ない、というレポートもあります。そのため、私たちは「優しく揉んで」という言い方をしています。

不活化ワクチンのあとの腫れは、とくにアレルギーによるものではなく、不活化ワクチンにつきものの副反応だということです。

キーワード:予防接種、腫脹

2000.11.5

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塚田こども医院Q&A2000年11月