ウイルス性胃腸炎

嘔吐下痢症について質問があります。嘔吐下痢症は生まれてから毎年のようにかかっているのですが、何よりも子供も辛そうだし、看護する大人も辛いものです。去年などは嘔吐がひどく、水分も口から取れないため、かかり付けの先生に点滴を打ってもらいました。その後、私自身も嘔吐と下痢がうつってしまい、産婦人科で点滴をしてもらった経験があります。その1ヶ月後ぐらいにまた子供がかかりました。そういう辛い経験があるので、嘔吐下痢症と聞くと物凄く神経質にならざるおえません。今年は、8ヶ月の娘もいるので兄弟感染の恐怖(!)もあります。何か予防方法はありますか? 1年のうちに2回以上かかる事もあるんですか? 大人にもうつるのですか?(去年の私のように)感染経路はやはり嘔吐物や便などの排泄物ですか? また、潜伏期間はどれぐらいでしょうか? 教えて下さい。 (愛知県・りんままさん)

ウイルス性胃腸炎(嘔吐下痢症)は、集団での発生をおこすことがよくあります。家庭内と、保育園・幼稚園などです。

これは2つの経路がかんがえられるのですが、1つは、患者さんからの二次感染です。ウイルスが胃腸の中で大量に繁殖しているので、吐いたものや下利便の中に大量のウイルスがいます。それが何かのことで口にはいると、同じ胃腸炎にかかってしまうことがあります。吐いたものや下利便の始末をきちんとし、扱う人の手洗いなども確実に行う必要があります(これが予防でもあります)。

もう一つの経路は、食事を介してです。とくに小型球形ウイルス(SRSV)は、カキの中にいますので、生で食べるのは心配です。必ず加熱したものを召し上がって下さい。(酢でしめるのも、不十分です)この他は、胃腸炎にかかっている人が調理をし、その方から排出されたウイルスが初品を汚染しておこすことは、一応考えられます。ウイルスに汚染されたあとに加熱だれていれば安全です。(加熱されたあとの食品が汚染されれば、危険です。)この経路による患者の発生が集団でおきれば、「食中毒」としての対処が必要になります。

これをおこすウイルスは多数ありますので、何回もかかってしまいます。潜伏期は1〜3日と短期間です。

子どもさんがかかると、いっしょにいる大人もかかってしまいます。私自身も、一冬に何回かかかっています。看護婦などの職員も同様です。最近は軽い症状ですんでいますが、流行のまっただ中にいると、もらってしまうのも仕方ないことかなと思っています。(職業上の感染なので「労災」では、と職員とは話しています。もちろん冗談ですが)

キーワード:ウイルス性胃腸炎

2000.10.23

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塚田こども医院Q&A2000年10月