下の子が風邪をひきやすい・・

今日は、7月に生まれた3番目の子供について質問します。8月の終わり頃から9月のはじめにかけて風邪を引きました。こんなに早く引くなんてと驚きました。(中略)こんなに早くから病気をするなんて、免疫がないのでしょうか? 混合ですが、母乳も続けています。これからも小さいうちにいろんな病気をしそうで気になります。上の子2人はこんなことはありませんでした。 (新津・Hさん)

下のお子さんのことですが、3人目というと、この子のように、わりと早くから風邪をひいたり、いろんな感染症をもらってしまうものです。

よく「生後半年〜1歳ぐらいは、あまり病気をしない」と言いますが、これにはいくつか理由があります。

ひとつは、生まれるまでにお母さんからもらってきた免疫です(移行抗体といいます)。お母さん自身が、生まれて出産するまでに様々な感染症にかかっていますね。その結果、それらに対する免疫(抗体)ができているわけで、それらが胎盤と通じて胎児に与えられます。

でも、全ての抗体が与えられるわけではありません。例えば百日咳の抗体は、ほとんど赤ちゃんへはいきません(そのため、生後3か月をすぎたら早めに三種混合の予防接種を受けることをすすめています)。さらに、お母さんも「あらゆる全ての感染症」を経験しているわけではなく、お母さんが風邪をひけば、赤ちゃんもその病原体に対する免疫がないので、赤ちゃんもいっしょにひいてしまうことになるでしょう。

そして、母親からもらった移行抗体も、次第に少なくなってきます。数か月、長くても1年以内のは、もうなくなってしまいます。そのあとは、赤ちゃん自身が、風邪などの病原体に闘って、自分で作り出していかなければなりません。もちろん、予防接種もそうで、ワクチンに対して免疫を作ることで、本物の病原体に対する有効な免疫になります。

では、今回下のお子さんがどうして風邪などをひきやすいか・・ですが、上のお子さんたちがいるからです。上の子どもたちは、多くのウイルスや細菌を持っていて、それを下の赤ちゃんにせっせとうつしている状態です。下の子は、生まれて間もなくから「洗礼」を受けるというわけです。(その分、早くから免疫がどんどん作られるわけですが)

赤ちゃんが風邪などの感染症にかかるのは心配でしょうが、ある程度は仕方ないと思っていただいた方がいいですね。いつも言っていることですが、「子育ては風邪をとともに」。風邪を引かせない「完璧な育児」はありません。

もちろん、赤ちゃんが病気をしたときに、それが重症なのか、特別な状態なのか、見分ける力は親ごさんには必要です。たいしたことないというときには、そう落ち込まずにいて下さい。

以上のことは、三人兄弟の末っ子で、かつ早生まれの私が、子どものころに体験した中で得た「人生訓」です(ホントです)。

キーワード:移行免疫

2000.10.12

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塚田こども医院Q&A2000年10月