リンパ節の腫れ

子どもの後頭部(耳の3センチぐらい後ろのところ)に”できもの”のような膨らみが2つあるのを見つけました。色はありません。いつからできていたのかはわかりませんが、1センチぐらいの大きさで触ると中に何かあるのがわかります。柔らかくて、中の物は動くので、膿がたまっているような感触です。本人は元気で、かゆがる様子もないので気づきませんでしたが、いざ見つけると気になります。子どもの病気の本なども調べましたがわかりませんでした。あせもや、虫さされではないようにみえます。これだけの情報ですが何かわかることがあれば教えていただけないでしょうか? (Yさん)

これはおそらくリンパ節の腫れだと思います。耳の後ろ(後頭部の横)には、ちょうど目立つ位置にリンパ節があります。また、骨(頭蓋骨)の上にリンパ節があるので、少し腫れるだけでも、グリグリとしているように見えてきます。

リンパ節はもともと細菌やウイルスを殺す場所です。近くに化膿している傷があると、腫れてきます。リンパ節は細菌などを殺しているので、「良い働き」をしていることになります。

夏場は腫れが強くなりやすいのですが、それは、汗の腺が開き、そこからいつもより多くの細菌などが入り込むからです。もちろん、「とびひ(膿痂疹)」や「あせものより(毛包炎)」があれば余計に腫れてきます。大きさでは、1センチぐらいになることもあります。固さは堅めのもので、コロコロと動きます。痛みはなく、熱をもつこともありません。

「膿がたまっているような感触」という表現はあわないのですが、場所や他の所見から推測して、このリンパ節の腫れだと思います。このこと自身には問題はないので、あせもやとびひといった皮膚の感染症などがなければ、なにもしないでいいと思います。

通常は、夏がすぎると、このようなリンパ節の腫れが次第に落ち着いていきますので、また経過を見ていって下さい。

なお、「悪い働き」をしているというのは、それ自身が化膿しているとき(腫れが数日で急激に強くなり、痛みと熱を伴います)、悪性のもの(痛みはありませんが、腫れが次第に大きくなり、首などの他の場所もグリグリと腫れてくる)などです。心配があるときは、小児科などを受診されて下さい。

キーワード:リンパ節の腫れ

2000.8.4

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塚田こども医院Q&A2000年8月