しらくも

友人の子ども(3歳・男)が3週間前に,頭にはげができて,『シラクモ』といわれたそうです。(中略)ぬりぐすりのみの治療で、なかなかなおらず、今直径6センチぐらいです。(中略)グリソビンと言う内服薬をもらい、塗り薬は塗っても無駄ですよといわれたそうです。(中略)このクリソビンと言う抗菌剤は、どのようなものでしょうか? 三歳の子どもが長期にわたり服用して、副作用の心配をしています。それとシラクモという聞きなれない病気について今後気をつけることなど教えてください。 (三重県・Hさん)

俗に「しらくも」と呼んでいるのは、頭にできた「白癬(はくせん)」による感染症のことを言います。白癬は、カビの一種で、水虫をおこす菌の親戚筋です。(できる場所によって、呼び方などが変わります)頭にできると、汚いふけのように、ぼろぼろと頭皮が落ちてきますし、その場所は毛髪も抜けてくるので、はげになってしまいます。この状態をケルスス禿瘡(とうそう)と呼んでいます。診断は、見ただけで分かることが多いです。

カビは、皮膚が弱くなっていると繁殖してきます。湿疹のところに加わってくることもありますし、とくに副腎皮質ステロイド剤を使うと、皮膚の抵抗力を落とすので、なおさらカビが生えてくることがあります。(ステロイド剤が悪いといっているのではありません。もし湿疹にステロイド剤を使っていて、もし悪化するようなら、こういった感染症の発生を考えてみる必要があります。)

治療ですが、水虫と同じで、なかなか塗り薬が効きません。一応やってはいただきますが、やはり内服薬が必要です。それが、処方されたグリソビン(一般名「グリセオフルビン」)です。これをある程度の期間、服用することで、きちんと治ってきます。(この期間は、その子によってまちまちで、経過を診てもらいながら、治療を続けて下さい。)

そこで、この薬を子どもたちに使って良いかが問題なのですが、私自身は、使っています。まず、他に有効な薬がないから。もう一つは、特に子どもにとって問題になる薬ではないから。

この薬にも副作用はいろいろとありますが、注意して使えばそれほど多くはありません。さらに、それが特に子どもたちにおきやすい、ということはないと、私は理解しています。

そのほか、一般的に気をつけることは、頭髪の清潔・・つまり、毎日シャンプーを使って洗髪すること、ぐらいでしょうか。

では、また分からないことがありましたら、ご連絡下さい。

キーワード:しらくも

2000.7.10

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塚田こども医院Q&A2000年7月