子どものおねしょ

娘は、8歳になると言うのに、夜起こさないとおねしょをすることとが、多々あります。本人も気にし始めてきて、「おこしてね」とは、いうのですが 自分では、なかなかおきられないみたいです。どうしたらよいのでしょうか? (頸城村・Sさん)

子どものおねしょの件ですが、私は、できるだけ「ゆっくり」「ゆったり」待ちたいと考えています。いずれは、大人になるまでのどこかで夜尿をしなくなるわけで、それまでの期間が長いか、短いかの違いだけです。ほとんどは、それが、何かの病気によるものでもありませんし、そのために何か別の病気や問題が出てくるわけでもありません。いずれなくなるものを、いらいらしたり、余計な苦労をしているのは、つまらない話だと思います。

夜間に起こすことも、賛成ではありません。夜おきられない--これは当たり前のことですよね。大人は、朝までオシッコを我慢できます。これが、毎日、1-2回、オシッコをするために目を覚まさないといけないとなると、大変。睡眠不足になってしまいます。

夜はぐっすり眠るもの。子どもを起こす必要はありませんし、そのために、親が余計な労力を使う必要もありません(親も睡眠不足になってしまいます)。起こしてでも、夜間に排尿させるのは、体に「夜もオシッコをしていいんだよ」と教えているようなもの。全く逆のことですよね。

夜のオシッコの量が減るようにはしたほうがいいのですが、夕方からずっと、水分を制限するのは、ちょっとやりすぎ。水分も、のどがかわけばほどほどに飲んでかまいません。それより、塩分制限をしてください。塩分をとりすぎると、それがオシッコとして出るときに、水分を多く伴っていきます(つまり、尿量が増えます)。しょっぱい物を食べると、水が飲みたくなるのは、オシッコででていく水分が増えるからでもあります。

寝る前には1回、排尿をさせ、あとは、ぐっすり眠って下さい(お子さんも、親も)。途中、お布団をぬらすと大変でしょうから、大きめの使い捨てオムツをしてあげたらいいんではないですか?そうすれば、本人と家族の負担が少なくなります(ちょっとお金はかかりますが)。

ただし、本人の気持ちの負担が大きければ、夜に1回ぐらいは起こしていいかもしれません。また、小学校5年ぐらいになると、そろそろ学校で宿泊体験などがあります。その時の不安感なども子どもにとっては重荷になりますので、その前ぐらいで、そろそろ小児科医がお手伝いしてもいいかな、と考えています。いくつかの薬がありますので、それらを使ってみます。あくまでも、その薬が治療の中心ではなく、本人の発達を少し促してあげるだけです。

3原則:起こすな、怒るな、あせるな

これがいいと思いますが、いかがでしょうか。

2000.6.19

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塚田こども医院Q&A2000年6月