大人のおたふくかぜの予防

我が家には17歳になる男子がおります。この子は まだ おたふく風邪に かかっておりません。(予防注射もしておりません。)下に 5歳の娘がおりますので、この子からの 感染を 恐れ、とりあえず 娘には、予防接種を早めに受けさせました。
予防接種をしていても罹ってしまうことがあるのでしょうか? 万一の事を考えると、幼稚園に行かせるのが心配です。娘から長男への2次感染が怖いのです。
そして、長男自身が 家庭外で 感染してくる事も あるかと思います。大人になって おたふく風邪に罹ると大変な事になってしまうケースが多いと聞き、いったいどうしたら良いのか悩んでいます。17歳でも 予防接種は受けられますか? (奈良・Nさん)

ご質問の件ですが、どうぞ大きいお子さんも、ぜひおたふくかぜのワクチンを受けて下さい。(量は小さい子も大人も同じです。生ワクチンなので、それで十分効きます。)

ご心配のように、おたふくかぜは、大人の男性がなると睾丸炎・副睾丸炎になるおそれもありますし、おたふくだけでも、1週間ほどお仕事などがお休みなってします。(女性の方も、卵巣炎などをおこしているという話もあります)

また、お子さんがおたふくかぜになったときも、数%に髄膜炎の合併症が起きてしまいます。たいがいは後遺症なく治りますが、それでも1-2週間の入院が必要になります。

一方で、ワクチンによる副作用も心配かもしれませんが、この髄膜炎が2,000-10,000人に1人程度、おきるおそれがあるといわれています。程度は自然のウイルスより軽くて、数日の安静だけで、後遺症なく治っています。副作用がゼロではありませんが、頻度も程度も軽いので、心配されずに受けていいものと考えています。

ワクチンの効果は、100%に近いものがあり、ほとんどの方は、まず一生、おたふくかぜにかからずにすむ程度の十分な免疫ができているようです。

下のお子さんはすでにワクチン接種をすませていますので、もうかかる心配はありません。体の中でウイルスが増殖できないので、他の方へうつすことはありません。(「運び屋」にはなりません)

その点で、上のお子さんが、今すぐに感染することは少ないと思いますが、でも大人になってからのことも考えると、やはりワクチン接種を受けておくことをお勧めします。ぜひ受けに行って下さい。

2000.6.2

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塚田こども医院Q&A2000年6月