水ぼうそうの子と接種・・

5月4、5日に、親戚の集まりがあり、小さい子どもたちも集まりました。そのなかで、4歳になる男の子が5日の夜から発熱発疹し、水疱瘡だった!!と連絡がありました。まだ1歳だったので、遊び仲間には入れてもらえませんでしたが、それでもうつってるでしょうか・・・。 (長野・Sさん)

1.「うつる時期」というのはいつ頃でしょうか。(保育園に行っているので、もし症状が出る前にうつるのであれば、ほかの子にうつす前にお休みすることもかんがえなくちゃいけないし・・・。)

伝染力のあるのは、発疹の出る丸1日前位からです。しかし、「伝染力が強い」のは、みずみずしい発疹がいっぱいある頃なので、「感染した可能性もある」といった程度にしかお話しできません。保育園等に通っている子では、実際に発疹が出てからのお休みになります。これは仕方ないことですね。

2.Q&Aも拝見したのですが、「ゾビラックス」は、今回の場合(うつったかどうか確かでない場合)でも処方してもらえるのでしょうか。

ゾビラックスは、水痘の治療のために使う薬ですので、実際に発疹がでてきて、水痘だと分かった時点から使い始めるのが通常です。でも、感染を受けた可能性が高いときには、2週間の潜伏期の後半であらかじめ使用することで、水痘の経過を軽くすることができます。しかし、これは保険適応がない使用法であり、まだ一般的な方法ではありませんので、かかりつけの小児科の先生にご相談されて下さい。

今回のご質問にはありませんが、水痘ワクチンの使用も効果的といわれています。感染を受けてから出来るだけ早くに(できれば1、2日の間に)予防接種を受けると、水痘の経過を軽く済ませることが出来るようです。(今回のケースでは、もう時間的に遅いようですね)

3.「ゾビラックス」を使った場合で、水疱瘡がうつっていた場合でも、その後予防接種は必要ですか?(うつっていなければ予防注射は必要ですよね)

水痘を発症すれば、ゾビラックスの使用の有無に関わらず、最終的に免疫はできます。予防接種は必要ありません。

今回、水痘を発症するとなると、「予定日」は19日です。その前後、お子さんの皮膚をよく見て、それらしいブツブツがでてきたら、すぐに小児科に受診してください。(最初はぼやっとした赤いブツですが、半日ほどで、その中心に柔らかい水疱が出来てきます。また、最初に出やすいのは、外陰部です。オムツ換えの時に見つけることがおおいです。)

早めにゾビラックスを使用すると、治るまでの期間を1週間ぐらいから、3日程度にすることが出来るはずです。(ゾビラックスの使用は、小児科医の中ではわりと一般的になってきていますが、水痘の経過が軽くすみそうだと使わないという先生もおられます。そんな先生でしたら「それでもぜひ処方して下さい!」とお願いして下さい。実際に、最初は軽そうでも、数日後、どんどん発疹が増えてくることもあります。とくに0歳や1歳ぐらいの年齢の小さな子では起こりがちだという印象を持っています。)

保育園に通い始めると、いろんな感染症をもらって来ることが多いので、「ぜひ、ワクチン接種を!」とお話ししています。(「こども通信」4月号に、そんなことを書きました)。法律で規定されているワクチン(母子手帳に書かれています)の他、任意接種として、水痘、おたふくかぜ、インフルエンザは「一押し」です。今回、水痘にかかってしまうと、一応治ってから1か月は予防接種をしない扱いです。

それが過ぎたら、どんどん予防接種を受けていって下さい。せっかく良いワクチンが用意されているのですから、それを利用しない手はありません。

しばらくは「爆弾」を抱えているわけですが、「不発弾」ですむことをお祈りいたしております。
また分からないことなどありましたら、どうぞ。

2000.5.11

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塚田こども医院Q&A2000年5月