大人のポリオ・ワクチン

昨年、テレビ等で「昭和49年から昭和50年にかけて接種した人は,免疫が弱い」ということを聞きました。夫婦共に、この年に受けているのですが、免疫が弱いのでしょうか? もう一度、受けなくていけませんか? これから、子供が予防接種を受けるのですが、私達に感染しませんか?そして、妊娠している場合は、どのようにしたら良いですか?よろしくお願いします。 (板倉町・KKさん)

厚生省の調査で、昭和50年〜52年に生まれた方のポリオ(小児麻痺)の免疫の付き方が弱く、できれば再度接種を受けることをお勧めしています。理由が2つあります。

(1)日本ではポリオの患者さんは発生していませんが、東南アジアなどではまだ心配な病気です。

(2)ポリオ・ワクチンを接種した乳幼児の周囲にいる方が、そのお子さんの腸管内で増殖したポリオ・ワクチンを間接的に接種することがあります。このとき、まれに「野生化」といって、いちど弱くした病原性がまた復活しているこ
とがあります。そうすると、もし免疫のない方ですと、ポリオ・ワクチン由来の病気にかかってしまう可能性があるといいことが指摘されています。

ということで、この間に生まれている方は、接種を受けられるといいと思います。接種は(1)については、海外旅行する数ヶ月前に、(2)については、お子さんがポリオ予防接種を受けるときにいっしょにされるのがいいです。

接種は、年齢が7歳半をすぎると法律ではカバーできないので、任意接種になります。さらに、ポリオ・ワクチンは特殊で、どこでも、いつでも接種出来るわけではありません。当院では、ご希望の方がおられるときに、できれば何人がいっしょにまとまって、接種を行っています。

妊娠中でも、安心して受けていいワクチンです。

2000.4.3

目次の
ページへ

ホームページのトップへ

塚田こども医院Q&A2000年4月