一卵性双生児の「謎」

昨日、テレビ番組に双子の赤ちゃんが出演しておりました。双子に一卵性と二卵性がいるというのは知っていたのですが、一卵性の場合、精子も一つなのでしょうか?私はずっと一つの卵に精子が同時に二匹入ったために卵が分かれて双子になるんだと思ったのですが、今日、一つの卵に一つの精子が入ってその後分裂するときに二つに分かれて一卵性の双子になるという説を聞きました。もしそうなら性別の違う一卵性の双子は生まれないことになりますよね。そうなのでしょうか? (広島市・MHさん)

受精するのは、1個の精子と1個の卵子です。ここでできた1個の受精卵が、2個に分裂し、次に4個・・と分裂を繰り返し、やがて個体になっていきます。

一卵性双生児は、その過程で、それぞれ独自に分裂を繰り返す2系統の受精卵に分かれてしまった結果、まったく同じ遺伝子情報をもった二人の個体が誕生するものです。1個の卵子には、1個の精子しか入れません。(卵子と精子は、それぞれ半分の遺伝子情報をもっていますが、仮に1個の卵子と2個の精子が1個の受精卵を作ると、1.5倍の遺伝子情報をもってしまうことになります。どんな人間ができるのかな?? 多重人格はこのため・・などということは、おこりえないわけです。)

二卵性双生児は、別個の卵子にそれぞれ違う精子が入り込んで受精するものです。当然、2個の受精卵の持つ遺伝子情報は異なるわけです(父方も、母方も)。

一卵性双生児であれば、性別も含めて、何から何まで同じです。もし、性別の違う双子がいれば、その方たちは必ず「二卵性」です。(でも性別の同じ二卵性双生児もいますが。)

ということで、謎は解決されたでしょうか?

2000.2.1

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塚田こども医院Q&A2000年2月