これからのインフルエンザ予防

私の学校で、保健だよりに「予防接種も予防の一手段です」とのせたところ、保護者から「学校では接種をやってくれないのか」という問い合わせが担任のほうへきたそうです。そこで思ったのですが、確かに予防接種が有効であり、かつ副作用も心配ない、ということになると、また以前のように学校での集団接種ということがおこる可能性があるのでしょうか? せっかく個人接種が定着してきたのに、保護者の中にはいまだに学校がどうにかしてくれると考えている方もいるようです。(上越市・MMさん)

今、大問題になっていることです。以前の学校での集団接種は、おそらく復活しないでしょう。

5年ほど前に予防接種法が改正され、インフルエンザが削除されました。(このため、現在インフルエンザの予防接種は法によらない「任意接種」で行われています。)この時同時に、「集団接種よりも個別接種」「義務接種ではなく、本人や保護者の同意を得ながら行う勧奨接種」の方向に、大きく梶を切りました。
インフルエンザの予防接種を、もう一度法律の中に入れていただくことで、安心して受けることのできる体制になる(費用負担もなくなる)と考えています。すぐには実現しないでしょうが、その方向も模索している段階です。

そして、(以下は個人的な意見ですが)もし予防接種法の中に復活したときは、「個別接種」「勧奨接種」の枠組みの中におかれるので、かつての「学校における義務的な集団接種」にはならないと考えています。(インフルエンザを、現在と異なる枠組みを作って、その中に入れるということもあるかもしれませんが、その可能性は低いように思います。)

1999.12.2

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塚田こども医院Q&A1999年12月