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2013年03月22日

風疹による先天異常を防ぐために

 もし妊娠初期の女性が風疹にかかると胎児の異常が生じる可能性のあります(先天性風疹症候群、目・耳・心臓の先天奇形)。それを防ぐために成人女性は風疹に対して十分な免疫を持っていることが必要です。十分な免疫があれば、仮に周りに風疹の流行があっても風疹にかかる心配はありません。

 免疫の有無は抗体検査で分かります。HI法で8倍以上あれば陽性。8倍未満は陰性であり、免疫がありません。8〜16倍は陽性なのですが、抗体価が低く(弱陽性)、風疹を予防するだけの十分な免疫があるとは言えません。そのため、風疹抗体価(HI法)が16倍以下の方は予防接種を受けることをお勧めしています。32倍以上は十分な免疫があり、風疹にかかる心配はありません。

 抗体検査は妊娠初期に行われています。もし十分な免疫がないことが分かったら、妊娠中に風疹にかからないよう注意をして下さい。夫や子どもなど、ご家族の方は積極的に風疹ワクチンを受けておいて下さい。

 風疹ワクチンは妊娠中には接種できませんが、分娩後はいつでも接種ができます(授乳中でも可能です)。早めに風疹ワクチンを受けて、次の妊娠に備えるようにして下さい。
 
 当院では次のような料金で検査と予防接種を行っています。大人の方にも行っていますので、どうぞご利用下さい。(麻疹についても免疫をつけるため、麻疹・風疹混合ワクチンをおすすめしています。)

 ●抗体検査(自費) 3,150円
 ●予防接種(任意) 麻疹・風疹ワクチン 8,250円
           風疹ワクチン 5,550円(いずれも税込)

【参考】「HI法による妊娠中の診療指針」(風疹流行にともなう母児感染の予防対策構築に関する研究、2004年)

投稿者 tsukada : 2013年03月22日 13:32