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2009年11月29日

御礼

 本日、新型インフルエンザ予防接種の第2回予約受付を行いました。当初予定していた家族数の1.5倍ほどの方からご予約いただきました。

 まだ夜が明けない頃からお待ちになった方もおられます。予約開始の時間よりも前になりましたが、予定数を上回っていたため、早めに受付を始めました。

 受付の事務は院長一人で行ったので、スムーズではなかったかもしれません。もし不手際などがあったとしても、どうぞご容赦下さい。

 医院までお越しになったのに予約受付のできなかった方もおられたようです。申し訳ありません。いずれワクチンの納品状況などを見ながら、3回目の予約受付ができるかと思っています。その際はまたこのHPなどでもご案内をいたしますので、どうぞご利用下さい。

 それにしても・・これだけ多くの方々が子どもたちへのワクチン接種を望んでいるというのに、それにきちんと応えてあげられないことを、本当に心苦しく思います。

 もっと多くのワクチンが、一日も早く、そして子どもたちのために届けられたら、現場でこんなふうに混乱することもないでしょう。親御さんが不安に思われることもないでしょう。

 根本的には日本のワクチン生産の体制が問題ですし、それを指導してきた厚生行政の問題です。新型インフルエンザワクチンに限らず、あらゆる予防接種で日本は「後進国」です。

 必要な方たちに、必要なワクチンが十分に供給できるような体制を作ること・・本気できちんと取り組んでほしいと思います。そのことをあらためて、今日の予約受付しながら身にしみて感じました。

投稿者 tsukada : 21:16

2009年11月28日

今週の感染症情報

◎インフルエンザ
○マイコプラズマ
△手足口病
△ウイルス性胃腸炎
△溶連菌感染症
△おたふく
△水ぼうそう
△りんご病(伝染性紅斑)
×麻疹
×風疹

 --------------

 当地でのインフルエンザ流行のはすでに「警報レベル」です。当院の患者(ほぼすべて新型でしょう)は先週の118名に対して今週は93名。微減ですが、今週は診療日が1日少ないことが影響しているかもしれません。小学校や保育園・幼稚園などでまだ流行が続いています。引き続き警戒を。

 その他の感染症では大きな流行はありません。例年は溶連菌感染症とウイルス性胃腸炎(嘔吐下痢症)が多くなってきますが、今年はまだ少なめ。水ぼうそう(水痘)、おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)などもまだ少数です。

 持病のない子どもたちへの新型インフルエンザ予防接種が12月より行われます。残念ながらワクチンの供給が少なく、遅れ気味のため、接種の体制が十分とはいえません。当院でも対応に苦慮しているところです。

 12月後半からはワクチン不足が解消するだろうと言われています。すでに接種ができない方もおられると思いますが、しばらくお待ち下さい。

投稿者 tsukada : 14:02

2009年11月27日

11月29日の予約受付について

 新型インフルエンザ予防接種の予約受付を11月29日に行います。ご質問もいただいていますので、若干の説明をいたします。

 今回の対象は(1)1歳〜小学3年生、(2)小学4〜6年生、(3)ゼロ歳児の保護者の方です。

 (1)については「子ども」の中でもともと優先順位が高く、当院では先に予約受付を行いました。その際に多数の方から予約の申し込みが寄せられ、ワクチンの都合からも一時的に予約を中断していました。今回の予約受付は、その再開という意味合いがあります。

 (2)と(3)の優先順位は(1)よりも下位であり、前回の受付ではまだ対応していませんでした。しかし新潟県が優先順位の見直しをした結果、(1)と同じく12月前半から接種を始めることになりました。これらの方に対応するのも、今回の受付のもう一つの役割です。

 今回は100家族に限定させていただきますが、1回目の接種は12月前半にご予約できる見込です(当院の想定以上の予約回数であれば12月後半になってしまうかもしれません)。

 また(2)と(3)の方については、12月前半に専用の時間帯を設けました。詳しくは当日ご案内いたします。

 ワクチンの納入が不確かであり、かつ実際に納品されている数量も今のところは不十分です。その中で、当院として最大限の対応をしています。どうぞご理解下さい。

 12月中旬以降はワクチンの納品数が多くなる見込です。確実なことが分かり次第、3回目の予約受付を行う方針です。引き続きよろしくお願いいたします。

投稿者 tsukada : 23:59

2009年11月26日

子どもたちへの新型インフルエンザ予防接種の予約受付を再開します

●11月29日(日)午前9時より正午まで。
●医院窓口のみでの受付です(電話受付はいたしません)。
●100家族分の接種数を確保しました。
●ゼロ歳児の保護者、小学4〜6年生の接種は別に設けました。
●詳しくは当日お知らせいたします。

※ワクチンの納品予定が明確ではないため、可能な範囲で対応しています。今後十分なワクチンが確保できれば、さらに追加の予約受付をする予定です。

投稿者 tsukada : 08:41

2009年11月24日

もう一つの朗報は・・

 心待ちにしているもう一つの朗報・・新型インフルエンザ・ワクチンの納品予定については、残念ながら今日はまだ届いていません。

 届いたとしても、もしかして「朗報」にならないかもしれません・・ワクチンの本数が少なければ、子どもたちへの接種をしようと思ってもできないのですから。

 さて明日は届くかな? これが遠足の前の日だったらてるてる坊主を作るのだけれど(^^;)

 きっと小児科への配分を増やすための調整に手間取っているのだと思います。大いに期待しながら、また明日、連絡を待つことにしましょう。

投稿者 tsukada : 19:27

朗報

 ローカルな話で恐縮です。当地(新潟県上越市)でも、新型インフルエンザ予防接種に対して助成をすることになりました。

 対象は「1歳から小学6年までの子ども」、「妊婦さん」、「1歳未満の子を持つ保護者」です。

 助成額は1回目が1,800円、2回目が1,200円と、費用の半額程度が市から助成されるそうです。

 医療機関で接種し、その金額(1回目3,600円、2回目2,550円)をいったん自費で支払い、その領収書を市に提出し、助成を申し出ることになります。

 今後12月市議会に上程し、可決されてからの実行になるでしょう。対象者は29,200人、予算額は6,834万円とのこと。

 全国的にも各地の自治体で助成が決まっていますし、上越市周辺の市でもすでに助成がスタートしています。上越市は今月、新しい市長さんになったばかりなので、対応を注目していましたが、やはりやるべきことをしていただいたようです。

 上越市の助成は費用の半額程度ですので、やや不満もあるかもしれまん。でも対象者を、「妊婦さん」や「1歳未満の保護者」を加えたのは画期的かも。

 新潟県が子どもたちへの予防接種前倒しを決めましたが、同じように「1歳未満の保護者」も加えています(妊婦さんはすでに実施中)。子どもたちを守ろう・・上越市の市政にも同じ思いがあるのだと知り、嬉しくなっているところです。

 当院ではすでに「基礎疾患のある方」や「妊婦さん」への接種を実施しています。これまでも領収書を発行していますが、やむを得ない事情がある場合には再発行いたしますので、ご連絡下さい。

 また、来月からは持病のない子どもたちへの接種もいっせいに始まりますが、領収書は大切に保管しておいて下さい。

投稿者 tsukada : 19:14

2009年11月23日

勤労感謝の日

 今日は休日・・「勤労感謝の日」だということを、夜になって知りました。祝日の意味をわからずに過ごしているとは、日本人としては落第かな?

 11月下旬というと、北国はもうすぐ冬を迎える準備を始めるころ。私も例年は雪囲いをしたり、除雪機の整備をよくしていました。それもみぞれが降ったり、寒い中での作業になることがおおかったです

 でも今日は温かかったですね。日中は陽が差し、気温も上昇。体感温度からは初秋のようでした。

 そんなこともあって、冬の準備はほとんどできていません。きっと雪が降り始めてあわてることになりそうです。

 「勤労感謝の日」ということで、仕事らしいことはせずに過ごした一日・・でもアタマの中は、やはり仕事のことを考えていました。新型インフルエンザ予防接種のことです。

 先週、新潟県は子どもたちへの接種を12月前半に前倒しすることを決めました。当院ではそれを見越して、先に予約をとっていましたが、私の見込みを上回る動きもありました。小学4〜6年生や、ゼロ歳児の親御さんへの接種もいっしょに12月前半から接種します。

 せっかくの行政の「子どもたちを守ろう」とする強い意志決定を、当院の予防接種体制にもきちんと生かそう・・そう考えています。新しい対象者もいますし、1歳〜小学3年生の中でも予約できなかった方も多数おられます。接種の枠をさらに拡げたりすることも検討してみました。

 でもやっぱり壁に突き当たります。ワクチンの納品数が分からないのです。いつ、何本入ってくるかは、すべて行政の指示によります。今週は納品の予定になっているのですが、その本数が分かりません。いつ入荷するかも、まだ連絡がありません。

 県の担当部局も膨大な業務量をこなしながら作業をしているのでしょう。その大変さは分かりますが、でも現場も大変です。確実な数と日を、まずは連絡してほしいです。

 できれば直接担当者と話がしたいほど。でも業務に忙殺されそうになっている様子が見えてくるので、電話をかけることもためらわれます。きっと必要な連絡は来るはず・・まずは待っていることにしましょう。

 県では子どもへの接種を今後は最優先にするということですから、小児科へのワクチンをそうとう増やすことを期待しています。そして、十分なワクチン量が、早い時期に手元にとどくことが分かれば、接種をさらに拡大して行います。

 そのための方策をいろいろと考えることのできた休日になりました。どこが「勤労感謝」なのかわかりませんが、でも有意義な祝日になりました。

 それにつけてもワクチンです、問題は。もしワクチンが届かなければ・・今日考えたプランはすべて水の泡。何よりも、一日でも早く接種してほしいと望んでいる地域の子どもたちの願いに応えることができなくなります。

 この連休・・県庁内ではきっと休日返上で仕事をされたことだと思います。とんだ「勤労感謝の日」になったことでしょう。でもその結果が、明日は明後日には届くことを待ち望んでいます。

 とりあえず、県庁の方々の「勤労」に心より「感謝」しています。

投稿者 tsukada : 23:36

2009年11月22日

秋が深まりました

 このところずっと仕事が忙しく、出かけることもあまりありませんでした。今日は近くの公園へ。久しぶりの休日。そこに見たものは・・

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 すっかり深まった秋の景色でした。黄色や紅色に色づいた葉。そして地面に敷き詰められた落葉。

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 公園の中は、冬を待つだけになっています。

2009112202.jpg

 園内の木々は雪から守ってもらえるよう冬囲いがもう終わっていました。ブロンズの彫刻にまで施されていますが・・それより服を着せてあげたほうがいいように思うのですが。

投稿者 tsukada : 19:37

2009年11月21日

今週の感染症情報

◎インフルエンザ↑
○マイコプラズマ
△ウイルス性胃腸炎
△おたふく
△溶連菌感染症
△水ぼうそう
△手足口病
×麻疹
×風疹

 --------------

 新型インフルエンザ患者は今週は118名・・先週の61名からからに倍増しました。週初めにある幼稚園で「感染爆発」があり、一挙に発生数が多くなりました。地域内で広く学級閉鎖などがおきています。

 今後数週間はさらに流行の勢いが強くなるでしょう。十分に気を受けていて下さい。

 この夏以降は季節性インフルエンザは発生していないので、「A型」と診断された方はみな新型インフルエンザと考えられます。今シーズンの新型インフルエンザ予防接種は不要です。

 新潟県では子どもたちへの予防接種を12月前半から始めるよう、前倒しを決めました。具体的は予定は市役所からの連絡をお待ち下さい。

 当院ではすでに12月前半から接種を行うよう体制を作りました。今回の県の変更におおむね対応できています。現在は予約を一次中断していますが、来週中には再開する方針です。どうぞお待ち下さい。

投稿者 tsukada : 15:17

2009年11月20日

想定外

 新潟県が子どもたちへの新型インフルエンザ予防接種を前倒しすることを決めました。幼児や小学生などに対して、半月ほど早めて12月前半からの実施です。

 子どもたちを守ろうという思いが、行政にも通じたのだと思います。新型インフルエンザがすでに流行している中で、さらに業務量が増大していきますが、でも願いは私たちも同じです。可能な限り、協力していこうと思っています。

 1歳〜小学3年は当初は12月後半からでしたが、12月前半からの実施に変更・・これは私の予想どおりでした。当院ではすでに12月2日から接種できるよう体制をつくり、予約受付も行いました(現在は中断していますが)。

 予想とはずれたこともあります。小学4年〜6年生についても、同じく12月前半からの実施にしたこと。そして、1歳未満児をもつ両親も一緒に行うことにしたことです。

 当院の予約受付では、それらの方々はまだ対象にしていませんでした。優先順位からすればもう少し先だろうと思っていたのですが、そうではありませんでした。それだけ、子どもたちを主にした予防接種だという意味合いを強く打ち出しています。良い意味での「想定外」でした。

 さて当院ではどのように対応しようか・・まだ決めかねています。ワクチンの納品予定が分からないからです。予防接種の時間帯を長くしたり、診療時間の一部をあらたに当てたりすれば接種の体制は拡充できます。しかし、手元にワクチンが届いていなければ、接種したくても、そして接種できる体制を作っても、何もできません。

 報道によれば、子どもたちへの接種をより優先するためにワクチンの配分方法を見直すとあります。その結果、当院への納品が確実に増えることが分かれば、さらにもっと多くの子どもたちや、赤ちゃんの親御さんへの接種が可能です。

 このHPを通じても、ぜひ良い知らせを、早くお届けしたいと思っています。

 しかし・・県が方針を変更したことすら、マスコミ報道をみて知った状態。県からは何も連絡がありません。ワクチンの納品についての情報も皆無です。

 新型インフルエンザの流行が拡大し、そして予防接種の期日は目前に迫っています。時間との勝負になっています。

 

投稿者 tsukada : 23:06

子どもへの接種前倒し

 新潟県の新型インフルエンザ予防接種スケジュールが変更されました。「1歳〜小学6年」と「ゼロ歳児の両親」は12月前半に前倒しで実施。「中高生」は1月後半から、「高齢者」は2月後半から、それぞれ当初より遅らせて実施します。

 当院では「子どもたちへの前倒し接種」についてはおおむね対応がすんでいます。今後は「ゼロ歳児の両親への接種」を早期に行うよう、対応を検討致します。

 先日予約受付を行いましたが、予定した接種数に達したために予約をいったん打ち切りました。申し訳ありません。今後、キャンセル数やワクチンの供給数によって接種に余裕ができたときには、再度受付をいたします。その際はまたHP内でもご案内いたしますので、よろしくお願いいたします。

投稿者 tsukada : 08:57

2009年11月19日

新潟県が子どもの接種に助成?

 新型インフルエンザ予防接種をめぐって、いろんなニュースが飛び交っています。新聞の他、ネット上のニュースサイトも頻繁にアクセスしています。

 今、気になるキーワードは「新型インフルエンザ」「予防接種」など。そんな単語が目に入ると、まずは内容をチェックする毎日です。

 今日は当地のローカル紙『新潟日報』ウェッブ版で気になるニュースがありました。「県が小児接種への助成検討」というもの。市町村では新型インフルエンザ予防接種に対して助成をするところが増えてきました。県全体でも助成をさらに手厚くしよう、ということであれば良いニュースなのですが・・。

 記事には次のように書いてあります・・「助成は2回目の接種に限り、1人当たり2550円の1割程度、数百円を想定している。県は19日の対策本部会議で正式決定したい意向」

 助成をしようという意思は良いことです。2回目の接種が必要なのは子どもたちだけですから、子どもたちを新型インフルエンザから大いに守ろうという気持ちがあるのでしょう。子育てをしている若い世代の費用負担を軽減しようということも悪いことではありません。

 でも・・問題はその額。わずか1割程度、金額にして200円とか300円程度というのはどうなのでしょう。そして、そんな低額にもかかわらず、手続きはきっと面倒でしょうね。

 どんな制度になるかは分かりませんが、市町村の役所や、医療機関の事務手続きはきっと増大することでしょう。けっきょく、現場のことを分かっていないお役所仕事・・そんなふうに思ってしまいました。

 助成も大切ですし、やるならぜひ完全無料になるくらいの財政支出をして下さい。それだけの「意思」を見せてくれれば、現場も「よし、頑張ろう!」と思うかも。

 形だけ取り繕う施策は、ちゃんとやっていますよという言い訳をするためのものでは・・そう勘ぐってしまいます。

 それよりも・・新潟県は子どもたちへの予防接種前倒しをまだ決めていません。12月後半からのスタートでは遅すぎます。助成も大切ですが、子どもたち用にワクチンを確保し、一日でも早く接種をスタートさせることの方がよっぽど大切だと思います。

投稿者 tsukada : 17:50

2009年11月18日

1つ目の山

 寒くなりました。気温が2桁にならないような一日・・息が白くなっていました。冬はもうすぐそこまで来ているようです。

 新型インフルエンザの大流行がいよりよ迫ってきました。私の外来では、今週は一挙に患者数が増えています。当地(新潟県上越市)ではおそらくここ数週間が大きな山がやってくるでしょう。

 ある公衆衛生学の教授が講演でお話ししていたことを思い出します。流行の予測について・・年内に一つの流行の山が、そして年明けにもう一つの流行の山がやってくるでしょう。そして2つめの山がとても大きくなることでしょう。

 教授の予想どおりに、新型インフルエンザの流行が進んでいるようです。心して、緊張感をもって診療にあたっていきたいと思っています。

投稿者 tsukada : 21:35

2009年11月17日

新型ワクチンQ&A

 新型インフルエンザ予防接種については、いろんなご質問をいただいています。その中からいくつか。

(1)妊婦さんへの接種は、専用ワクチン(防腐剤をふくまない)が用意されていますが、納品されるのは産婦人科に限られています。さらにその生産が遅れていていて、なかなか接種を受けられない方が多いようです。

 しかし通常のワクチンの接種を受けることは可能です。防腐剤が入ってはいますが、ごく微量であり、幼児などにも普通に使っています。過剰な心配は無用でしょう。

 通常のワクチンであれば産婦人科以外でも比較的多く納入されています。当院でも接種が可能です。

 専用ワクチンでの接種がすぐにできず、ご心配な方は検討されてみてはいかがでしょうか。

(2)基礎疾患のある方に対する接種は、基本的には主治医のところで受けていただくのが一番良いでしょう。もし事情によってそれができないときには「有線対象者証明書」を発行してもらうことで、他の医療機関で受けることができます・・正確には、できるはずです。

 しかし、実際には注射を希望しても受け入れたもらえないというお話をときどき聞いています。ある新聞の投書欄にも、同様の問題を指摘する意見が掲載されたことがあります。

 かかりつけの方以外の接種を受け入れるとしている医療機関では、原則は断ることができないはずです。しかし実際にはかかりつけの患者さんを優先し、そうではない方へは接種を見合わせている医療機関も少なくないようです。

 主な理由は、ワクチン供給の少なさです。自院に通っている子どもたちに行うだけのワクチンすら十分に納品されていない状況では、希望される方の全てを受け入れることはできない、ということなのでしょう。

 一方では、かかりつけ医療機関で接種できず、さらに他に接種してもらえるところが見つからない方にとっては、大変なことです。「ワクチン難民」ともいえる方ができてしまうのは、やはり問題。早急に十分なワクチンの供給と、きちんとした見通しを医療機関にしめしてもらいたいものです。

 ちなみに、当院では現在「基礎疾患のある方」や「妊婦さん」への接種を行っていますが、まだワクチンに多少の余裕があります。ご希望の方はお問い合わせ下さい。

投稿者 tsukada : 23:59

2009年11月16日

流行が本格化

 感染爆発・・そんな言葉を思いながら診療をしていた一日です。朝早くから、新型インフルエンザの患者さんが次々と来院。午前中だけで40名近くになりました。

 隔離棟・・今日はその真価を発揮した初めての日になりました。診察によってインフルエンザと診断された子どもたちだけではなく、高熱がでるなど、症状からインフルエンザらしい患者さんには最初から隔離棟に入っていただきました。

 時間帯によっては通常の待合室よりも隔離棟のほうが混雑していることも。こんなに利用したのは、完成してから初めてのことです。

 いや・・もっと混雑したこともありました。先週のこと。新型インフルエンザ予防接種(幼児など)の予約受付のために医院を訪れる方がとても多いため、患者さんと分かれていただき、隔離棟で待っていただいたときです。

 わずか4日間で予約がいっぱいになり、受付をいったん終了することになったわけですが、わずか2日前のことです。週末がすぎ、状況は一変しました。

 インフルエンザ流行の速さにもびっくりしていますが、予約業務が数日でも遅れていたら、とても診療を行えない状態になっていたかもしれません。そう思うと、予約受付は薄氷を踏むようなギリギリのタイミングだったのだといえるのかもしれません。

 夕方までに60名ほどのインフルエンザ患者さんを診療しました。わずか一日です。これは大流行の始まりなのでしょう。そして、ここ数週間、さらに規模が大きくなっていくことでしょう。

 季節性インフルエンザ予防接種がまだ終わっておらず、院内はやや混乱気味です。それに加えて、新型インフルエンザ予防接種も一部の方にしかできていません(基礎疾患のある方と妊婦さん)し、健康な幼児などへの接種がまったく始まっていない中で、本物の新型インフルエンザ流行が始まってしまったことに困惑しています。

 新型インフルエンザにかかった時には、早く抗インフルエンザ薬を使い始めらるようにする・・子どもたちを守るために小児科医ができることは、まずこのことに尽きると思います。

 流行が本格化して、親御さんたちは子どもたちの健康や命のことを心配されていることと思います。ここは私たちも出番だと心得ています。しっかりと診療し、子どもたちを守っていこうと思っています。

 明日も今日と同じように、あるいはそれ以上に新型インフルエンザの患者さんが来院されることでしょう。もっともっと頑張ります!

投稿者 tsukada : 23:59

2009年11月14日

今週の感染症情報

●インフルエンザ↑
○マイコプラズマ
△ウイルス性胃腸炎
△おたふく
△溶連菌感染症
△水ぼうそう
△手足口病
×麻疹
×風疹

 --------------

 インフルエンザ患者は今週は61名・・先週の34名からほぼ倍増。県内では他に地域より流行の始まりが遅くなっていましたが、いよいよ本格化してきました。小中学校などで学級閉鎖が相次いでいます。健康管理に十分気をつけていて下さい。

 新型インフルエンザ予防接種が、現在は基礎疾患のある方と妊婦さんに対して行われています。1歳以上の子どもたちへは、新潟県は12月後半からですが、前倒しで検討中とのこと。まだ結論がでていませんが、一日も早く接種を始めてほしいと当院からも要望を出しています。

 その他ではおたふくかぜ(流行性耳下腺炎)がやや目立ってきました。溶連菌感染症、胃腸炎、水ぼうそうなどは冬場に多くなる感染症です。

投稿者 tsukada : 18:55

予約はいったん終了です

 1歳以上のお子さんへの新型インフルエンザ予防接種について、当院では11日より受付を行ってきましたが、本日をもっていったん受付を終了いたします。

 通常の季節性インフルエンザ予防接種よりも多くの方に受けていただけるように設定したのですが、当方が予想したよりもはるかに多くの方からご希望がありました。

 電話がつながりにくく、予約できなかった方もおられることと思います。すべての方にご予約いただけなかったことを、申し訳なく思います。

 今後はしだいにキャンセルもでてくると思います。新型インフルエンザの流行が拡大し、患者さんが増えてくることでしょう。また、他の医療機関でも接種を受けられるわけで、そのためのキャンセルもあると思います。

 ワクチンの供給については行政が決めることですので医療機関側が予測するのは難しいのですが、12月後半以降はおそらく十分なワクチンが納品されるのではないか、と考えています。その時点で、ワクチンに余裕があり、さらに希望数が多いときには、予防接種の時間枠を増やすなど、さらなる対応をすることも検討しています。

 今後のことは未定ですが、子どもたちを新型インフルエンザから守るという立場にたって、これからも診療を続けていきます。ご理解いただきますよう、よろしくお願いいたします。

投稿者 tsukada : 16:04

2009年11月13日

予約状況

 新型インフルエンザ予防接種(主に1歳〜小学3年生)の予約を取り始めて3日目。当初の混乱した状態はやや解消し、落ち着いて予約をしていただけるようになりました。

 これほどの予約申し込みがあるとは、当院にとっては想定外のこと。それに十分に対応できなかったわけですが、「想定」していなかったことが問題なのだと言われればその通りです。

 日々の反省をふまえながら、業務をその時々で見直し、改善できるものは改善する・・それもスピーディーに。まだまだ十分ではないかもしれませんが、その方向で努力をしています。

 かんじんの予約状況ですが、当初の予定数にほぼ達しています。とくに12月前半はいっぱいになり、今日は12月後半から始まるスケジュールで予約をお取りしています。

 しかしそれもそろそろ・・。明日の予約状況をみて、いったん受付を終了するかもしれませんが、御了承下さい。

投稿者 tsukada : 23:59

2009年11月12日

ご迷惑をおかけしております

 新型インフルエンザ予防接種のうち、幼児などの子どもたちを対象にした予約受付を始めて2日目。今日も多くの方にご予約いただきました。おそらく初日を上回る数になると思います。

 予約専用の電話(フリーダイアル)だけではなく、医院の代表電話もずっと話し中になることが多く、ご迷惑をおかけいたしております。予約をとりたいけれどつながらないという方だけではなく、医院に通常のご用の方からも、おしかりを受けています。

 窓口での受け付けも始めましたが、こちらも正直に申しまして私たちの予想をはるかに超える方にお越しいただきました。朝の早い時間は普通に受付をしていたのですが、待合室が混雑し始め、患者さんよりも多くの方が予約のために待っている状態になりました。

 そのために急きょ「隔離棟」を予約受付のために利用することにしました。午前中の早い時間(おそらく9時半くらい)に決めたのですが、この点でものちにおしかりを受けています。

 このほかにも受付の方法や対応について、ご意見やご要望などを多数お聞きしております。限られた人数の職員で、限られたワクチンで、限られた予約の予定数でしか実施できません。なかなか全ての方にご満足いただけるような完璧な業務を行うことは難しいのですが、いただいたお声を反省材料にしていきます。

 ただ・・院長の私が言うのはおかしいかもしれませんが、職員はよく頑張ってくれています。通常の診療や保育の業務を行いながら、平行して予約受付の業務もこなしています。朝早くから、夜も遅くまで・・とくに係の者は集計作業のために毎日数時間の残業もしてもらっています。

 職員は一生懸命やっていますし、なによりも多くの子どもたちに、一日でも早く予防接種を受けていただき、新型インフルエンザから子どもたちを守りたいという一心で行っています。そういった点もご理解いただければと思っています。

 なお、12月前半はほぼ予約がいっぱいになりました。また12月の途中からは多くの医療機関が予防接種を行える体制ができてくると思います。多少遅れるかもしれませんが、すべての子どもたちが接種を受けていただけるだけのワクチンは国が確保し、供給することになっています。今ここで予約を入れなければ受けることができない、ということではありませんので、ご安心下さい。

投稿者 tsukada : 23:59

2009年11月11日

ドキドキ(3)

 看護大学の講義は“無事”終了。2日間の日程の最後だったので、当院の子育て支援についてもお話をしてきました。とくに「病児保育」については、存在そのものが新鮮だったようです。

 前回の講義に対しても質問も多数よせられていました。回答を説明するのに多少時間が掛かりましたが、でも前回の復習にもなりましたので、よかったことかも。

 さらに私への個人的な質問・・どうして小児科医になったのか? 小児科は忙しいか? 子どもたちに接するときに看護師としてどんなふうにすればいいか?・・などについても、講義時間はオーバーしていましたが、お話させていただきました。

 これで一つの「ドキドキ」は解消。

 もう一つの「ドキドキ」は新型インフルエンザ予防接種の予約です。午後1時に電話での受付を開始しましたが、用意した4台の電話はつながりっぱなし。5時に終了するまで、受話器をおけばすぐ次の電話がかかってくる状態でした。

 今日予約いただいた総計は千数百件になりました。多くの方にご予約いただき、ありがとうございました。

 でも電話がつながらず、ご予約できなかった方も多数おられると思います。申し訳ありませんでした。明日以降も引き続き予約をとらせていただきますので、またお電話下さい。

 それにしても多数の親御さんが、子どもたちへの接種を希望している・・強く望んでいることがよく分かりました。12月中は日曜・祝日の予防接種をするなど、体制を強固にしているところです。しっかりと取り組んでいきたいと思います。

 しかし、新たな「ドキドキ」・・県が子どもたちへの接種の前倒しを、今のところまだ決めていません。今日、県庁内で専門家により会議があったとのことですが、方向としては前倒しを皆が考えているわけですが、問題はワクチンの量。国からの配分が遅れたり、数量が少なくなったりと、先が十分に読めないようなのです。

 さて、当院では「見切り発車」をしてました。もし万一、県が前倒しを見送ったら・・ワクチンの確保が難しくなるかも。そうならないことを願ってはいますが、でもしばらくはまだ「ドキドキ」が続きます。

投稿者 tsukada : 23:59

2009年11月10日

ドキドキ(2)

 明日にむけて、もう一つドキドキしていることがあります。それは新型インフルエンザ予防接種のことです。

 1歳〜小学3年生については、当院では12月2日より接種を行えるよう体制を作りました。その予約受付が、明日も午後1時から始まります。

 しかし、新潟県の接種スケジュールでは12月後半から行うことになっています、今のところは。子どもたちへの接種が重要だということで、前倒しして実施するよう国も働きかけているようですし、何よりも親御さんや、私たち小児科の現場にいる者からの強い要望もあります。きっと計画を変更することでしょう・・。

 その会議が明日行われるようです。きっとそこで決まるのでしょう。でもどのように決まるか、まだ分かりません。計画の変更なしであれば、予約をいただいても接種できないことになります。まさか、新潟県は出遅れたままでいい、という結論になることはないものと信じているのですが・・。

 院内の接種の体制を作り、混乱をさけるためにも予約していただくことは必要です。接種までに多少に期間も必要。そう考えると、予約受付開始は当院では明日になりました。

 午後1時から電話受付を行います。数台の電話機を確保していますが、きっとラストまで鳴り続けることでしょう。

 でももしかして、いただいた予約を変更しなくてはならなくなる・・そんな事態がきたらどうしよう。早く、そして子どもたちのためによい方向で、県が態度を決めてくれることを願っています。

 そんなことでもドキドキしています。受験の合格発表の前のような気分です(>_<)

投稿者 tsukada : 23:59

ドキドキ(1)

 明日は市内の看護大学で講義。臨床小児科学の一部を担当させていただきます。90分授業を2コマ。「循環器(心臓など)」と「腎臓」がテーマです。

 この2つは昨年から担当しているので、私もまだ不慣れ。昨年の講義記録やスライドを見ながら、内容を思い出していたところです。

 前回は3コマでしたので、時間的にはラクです。でもちゃんと教えられるか、ドキドキしているところです。

 まるで受験の直前のような気分です(-_-)

投稿者 tsukada : 23:30

2009年11月09日

濃厚接触者

 インフルエンザ患者さんが家庭にでたとき、お仕事を休まなくてはいけないのか、よく尋ねられます。「濃厚接触者」という扱いですが、当初、新型インフルエンザがもしかしたら強毒性かもしれないという時には1週間ほど休むように指導されました。しかしその後「弱毒性」であることが分かり、さらに流行が拡大してまん延の状態になったことから、自宅待機などの対応は必要ないとされています。

 もちろん健康管理には気をつけていて下さい。さらに熱がでるなど、インフルエンザらしい症状があれば仕事にいったりせず、受診をして下さい。

 外来では今でも、家族に患者がでたら出社するなと言われたという方がおられます。どうも情報がきちんと伝わっていないようですね。当初厳重に行われた感染拡大予防策が、今でもまだ変更されずにいるようです。

 もっとも厚労省からの通知や通達は山のようにたくさん出ています。それもしょっちゅう変わります。現場の医療機関に直接届くものは多くありません。県や医師会と通じてときどき届くのですが、必ずしも新しいものとはいえず、またよくかわるのですが、その全てがきちんと伝えられていないために、どの通知が生きているのか、分からなくなることがあります。

 厚労省のホームページに最新のものが載っているので、それを毎日のようにチェックしています。でも・・こんなことで、厚労省の考え方が浸透するのか疑問です。必要は情報は発信している・・知らないのは自分で見にいかない現場が悪いのだ・・そんなふうに言っているようにも思えます。

 典型的な「通知行政」です。振り回されて四苦八苦している現場のことは、目に入っていないのでしょうか。

投稿者 tsukada : 23:59

いよいよ本格化

 当地でもインフルエンザ患者さんが増えてきました。大流行が目前に迫ってきているのが良く分かります。

 迅速キットでインフルエンザAであれば、まず100%新型インフルエンザと考えてよいでしょう。季節性インフルエンザの流行する時期ではまだありません。

 あるいは、迅速キットで陰性であってもインフルエンザらしい症状があれば、インフルエンザにかかっていると考えて(そして新型インフルエンザとみないして)治療を開始すべきでしょう。

 抗インフルエンザ薬にはタミフル(内服)とリレンザ(吸入)があります。いずれも5日分がセット。使用を始めると2日ほどで解熱することが多いのですが、薬は最後まで使ってください。

 そして、熱が下がったからといってすぐに普通の生活ができるわけではありません。しばらくはウイルスを排出していますし、体調が元に戻るのにも日数がかかります。解熱後少なくとも2日間、できれば発症から1週間ほどしてから、集団生活にもどるようにして下さい。

 合併症で問題になるのは主に2つ・・脳症と呼吸不全です。いずれも発症から早くおきる傾向があるようです。熱が出始めたその日、あるいは翌日くらいで発症し、ぐんぐんと状態が悪くなることがあります。お子さんの様子をよくみていて下さい。

投稿者 tsukada : 23:30

2009年11月08日

新型インフルエンザ予防接種のご案内(2)

 子どもたちに対する予防接種を、できるだけ早く行おうという機運が高まっています。1歳〜小学3年生も優先で行いますが、当初の国のスケジュールは12月後半からでした。

 ワクチンの都合がついたということで、国は12月前半から始めるとのスケジュールに変更しました。さらに先週には厚労省の政務次官が11月中旬から始めるように、自治体に対して通知をしたということです。

 具体的な接種スケジュールは都道府県が策定します。すでに前倒しを発表した自治体もあります(東京都は11月後半から)。当院のある新潟県は・・まだ態度を決めていません。

 しかし、私はきっと接種計画を早めるものと予想しています(希望的観測かもしれませんが)。少なくとも当院では何があっても受け入れようと思っています。

 1歳〜小学3年生への接種は、当院では当初は12月16日から行う計画でしたが、見直しました。半月早めて12月2日より接種できるよう体制を作りました。

 11月11日より予約を受け付けますが、ご案内の内容が変わっていますので、宜しくお願いします。

 新しい案内書をこのHPにアップしてありますので、参考にして下さい。(HPのトップページをご覧下さい)

 なお、もし万一、新潟県の計画が変わらない場合には予約された方に個別にご連絡をさしあげます。さらに(可能性はとても小さいのですが)11月後半などに、さらに前倒しされるようでしたら、接種日を追加して、再度ご案内をさしあげます。

投稿者 tsukada : 20:17

新型インフルエンザ予防接種のご案内(1)

 新型インフルエンザ予防接種は、現在は「基礎疾患のある方」と「妊婦さん」が対象です。

 当院をかかりつけにされていない方も受け付けています。慢性の病気があり治療を受けているかたは、主治医の先生から「優先対象者証明書」を発行してもらって下さい。

 当院を受診中の方は、私が指示をしますので、証明書は不要です。

 妊婦さんはすでに発行されている母子手帳をみせていただければけっこうです。(お腹が大きくなっていれば、見た目で分かりますが・・一応そうなっています)

 当面、ワクチンの供給量が少ないため、土曜午後にお集まりいただいて、いっせいに接種しています。ワクチンを使い始めて24時間以内で使いきるよう指示があるためです。(金曜夕方に接種することも可能ですので、ご希望の方はご連絡下さい。)

投稿者 tsukada : 20:03

2009年11月07日

10ml容器のナゾ

 新型インフルエンザ予防接種が始まっています。先月は医療従事者に、今月からは基礎疾患のある方や妊婦さんが対象です。

 当院でも今週から本格的に接種を行っています。まだ季節性インフルエンザ予防接種が終わっておらず、むしろそちらがメイン。そこに新型インフルエンザ予防接種が入ってきていますし、お子さんによっては同時接種もあります。現場は混乱気味です。

 混乱に拍車をかけているものに「10ml容器」という問題があります。

 季節性インフルエンザワクチンは1ml容器に入っています。1回の接種量は成人(13歳以上)0.5ml、6〜12歳が0.3ml、1〜5歳が0.2ml、ゼロ歳が0.1ml(新型ワクチンはゼロ歳には接種せず、それ以外の年齢での接種量は季節性ワクチンと同じ)。小さな容器であれば、少ない人数で使い切りますので、現場では使いやすいものです。

 ところが新型ワクチンは、1mlのほかに10ml容器もあります。県が医療機関にどちらのワクチンを何本にするか割り当て、問屋に指示し、納品されます。今週、当院に届いたのは主には10ml容器。

 10ml容器は使い勝って良くありません。幼児(1〜5歳)は何と50人分になります! 小学生では33人分、中学生以上(成人も)でも20人分です。それだけ多くの方に、いっせいに行う必要があります。(厚労省からは、開封後は24時間以内に使い切るよう指示がきています)

 10ml容器にすることで、ロスが少なくなり、より多くの方に接種ができるのだと説明されています。でも本当にそうなのか、疑問です。もし、例えば幼児だけなら一度に50人接種しなければ、残りは破棄されます。極端には最大幼児49人分が、使われず無駄になる可能性もあります。

 1ml容器には実際は1.2ml入っています。注射器にワクチンをつめるときに、針先に液が残るので、余分に入れておく必要があるのだそうです。

 でも計算上ではすべてを10ml容器にしたところで20%、見かけ上増えるだけです(10ml容器を1ml容器10本分として)。実際には半分ほどを10ml容器で生産するということですので、10%の増加です。これが果たして多いのか、それほどではないのか。

 10ml容器にしたことによって破棄されるワクチンが増えれば(確実に増えるわけですが)、むしろ接種人数が少なくなることになりかねません。(ワクチンは医療機関の買い取りで、返品は認められていません。破棄するとそのコストはすべて医療機関の持ち出しです)

 新型ワクチンは、今はまだとても貴重。もし余って、捨てるようにあってはもったいない・・そんな精神で、ぎりぎりまで使い切りました。ムダがでないように予約を調整するのも、けっこう大変です。今日は最後に少しだけ残ったので、急きょ連絡をして来ていただいた方もおられました。

 完全にカラになった10ml容器をながめて、最後の1滴まで子どもたちの健康作りに役立てることができたことを、とても嬉しく思いました。

 でも疲れました。こんなことに神経をすりへらしているのが医療の現場だってことを、厚労省のお役人たちは知らないでしょうね。

投稿者 tsukada : 19:06

今週の感染症情報

●インフルエンザ↑
○マイコプラズマ
△手足口病
△ウイルス性胃腸炎
△水ぼうそう
△ヘルパンギーナ
△おたふく
△溶連菌感染症
×麻疹
×風疹

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 新型と思われるインフルエンザの流行が、上越市内でも本格化してきました。今週当院で確認したのは34名で、先週の18名からほぼ倍増。

 今週は上越教育大学で大流行のために全学が閉鎖され、小中学校などで学級閉鎖も相次いでいます。来週以降、さらに患者数が増大する可能性があります。

 周囲に患者発生があり、急な発熱など、インフルエンザらしい症状がある場合には、検査は必要ではありません。タミフル、リレンザなどの抗インフルエンザ薬を早めに使うほうが大切です。

 日ごろから手洗い、うがいなども丁寧に。もしかかったら、他の方にうつさないようにマスク着用もお願いします。

 新型インフルエンザ予防接種が「基礎疾患のある方」などにも始まりました。「1歳~小学3年生」は、新潟県の計画では12月後半からですが、前倒しする方向で検討中とのこと。今後の報道などに注意していて下さい。

投稿者 tsukada : 15:15

2009年11月04日

新潟県も・・?

 新型インフルエンザの本格的な流行が始まっています。日本中で、子どもたちの入院患者が増え、そして残念ながら亡くなる子もけっして少なくありません。

 完璧な予防にはならないかもしれませんが、それでもワクチン接種を一日でも早くしてあげたい。接種計画を前倒ししてもらえないだろうか。

 小児科医としてそんなことを声を大にして叫んでいますが、県庁にも伝わったのでしょうか。今日、県知事が記者会見で「早く接種できるよう見直す」と話したそうです。

 実際にはワクチンの供給量や、接種する医療機関の対応など、課題があるのは承知しています。でも議論している時間はもうないのでは。

 新潟県のスケジュールでは、幼児などに対しては12月後半からとなっています。せめて国が示している12月前半、そしてできることなら東京都が決めた11月後半から接種するよう、スケジュールをぜひ見直しを。

 当院では現在、接種の対応を再検討中です。当初は県のスケジュールに従って12月後半から予定を組んでいました。もし半月前倒しになるのであればそれを完全に受け入れ、12月にはいって直ちに接種できるよう対応が可能でしょう。(そもそも当院では、11月末までに季節性インフルエンザ予防接種を終わりにし、12月からは新型インフルエンザ予防接種を行えるように計画していました)

 さらに11月後半からのスタートになるのなら・・季節性インフルエンザ予防接種と平行して行うので、やや難しい面もあるのですが、それでもできる限り対応するつもりです。

 さあ、現場は着々と準備を進めています。あとは行政が意思決定するだけ。子どもたちを新型インフルエンザから守るために、思い切った対応をお願いします!

投稿者 tsukada : 21:27

もうこんな季節です

2009110401.jpg

 きのう、薪ストーブを使い始めました。今シーズン初めて。あったかいですよ(^_-)

 隣の市では積雪が数十センチにも。ニュースで見たのですが、すっかり冬景色です。

 でも・・除雪をしなくちゃいけないと思うと、うかれてはいられません。

投稿者 tsukada : 19:43

2009年11月03日

院内掲示

 院内の待合室に掲示板を設置しています。医院からのお知らせ、流行している病気のこと、予防接種のことなど、いろいろな情報をお伝えしています。

 その中に、新型インフルエンザのことや、ワクチン接種のことなども入れていたのですが・・多くの情報といっしょになっているために、分かりづらかったのではないかと思います。

 そこで掲示板を一新しました。

2009110302.jpg

 「新型インフルエンザの病気と予防接種」だけの、専用掲示板にしたのです。迫りつつある大流行、そして親御さんの関心がとても高い予防接種・・それだけをお伝えすることにしました。

 これまではおもちゃ箱をひっくり返したような状態だったかもしれません。これからはすっきりです。

 そこに私たちが最もお伝えしたい情報を厳選しています。どうぞ参考にされて下さい。


※掲示した内容は次の通りです。
●当院の対応
<通常時> 診察により新型インフルエンザと診断された方は隔離をいたします。「隔離室」または「隔離棟」へご案内します。
<大流行時> 大流行になった時は、症状などから新型インフルエンザが疑われる方には直接、隔離棟を利用していただきます。その際は医院の外で「振り分け(トリアージ)係」の職員が対応いたしますので、指示に従って下さい。
 また、流行規模がそうとう大きい場合には、休日などでも当院で診療するよう検討中です。具体的なことは、その都度掲示やホームページなどでお知らせします。
みなさんへのお願い
1.発熱、咳、鼻水などの症状のある方は必ずマスクを着用して下さい。
2.手洗い、うがいなども励行して下さい。
3.周囲の流行や症状から新型インフルエンザが疑われる方は受付にお伝え下さい。

●合併症に注意
新型インフルエンザにともなう合併症として、とくに次の2つが重要です。
<脳 症>季節性インフルエンザによっても、日本で毎年数百人の子どもたちがかかり、重症な合併症です。新型インフルエンザでも同じ程度かそれ以上に発生しています。
 意識がもうろうとしている、けいれんが長時間続いている、けいれんを繰り返してい る、嘔吐を繰り返している、急に走りだすなどの異常行動がある、異常に興奮したり暴れ たりしている、一日中眠っているなどの症状がある場合には脳症が疑われます。すぐに受 診し、診察を受ける必要があります。
<呼吸不全>新型インフルエンザでは重症な肺炎をおこすことがあります。
 息苦しさを訴えている、顔色がとても悪い、横になると呼吸が苦しくなる、異常に呼吸 数が多い(目安は1分間の呼吸数がゼロ歳は50回以上、1〜4歳は40回以上、5歳以上は30回以上)などの症状がある場合には、酸素吸入を含めて緊急の対応が必要です。

●予防接種(1)
 一日も早くみなさんに予防接種を行いたいと思っていますが、実際には県のスケジュールに従って接種が行われます。(今後、接種が早まる可能性もあり、そのつど対応していきます)
 当院では、かかりつけにしていただいている方以外の方も接種を受け付けます(妊婦、高齢者なども)。
<1歳〜小学3年生> 当院では12月16日より接種を行います。水曜午後、土曜午後のほか、12月中は日曜・祝日も接種を予定しています。
 予約受付は11月11日午後1時からです。
 詳しくは案内書をご覧下さい。

●予防接種(2)
<基礎疾患のある方> 当院では11月5日より接種を行います(毎週土曜午後)。小児では喘息が主になります。当院かかりつけの方には医院から個々に連絡をしています。他の医療機関をかかりつけとされていて当院での接種を希望される方は、主治医より「優先接種対象者証明書」を発行してもらって下さい。
<妊婦の方> 同じく11月5日より接種を行います。専用のワクチンを希望される方は産婦人科で接種を受けて下さい。一般の方と同じものでよい場合には、当院でも接種を受けることができます。「母子手帳」をご持参下さい。
<接種方法など> 現在は「2回の接種」とされていますが、今後成人に対しては「1回」に変更される可能性があります(子どもたちへの接種が前倒しになるでしょう)。
 接種料金は1回目3,600円、2回目2,550円と決められています。

投稿者 tsukada : 11:08

あったかい二人

 急に寒くなりました。やはり11月・・晩秋なのですね。

 いつも医院を楽しませてくれるディズニーのフィギアに新作が登場しました。冬バージョンのミドル・フィギアです。

2009110301.jpg

 ミッキーがミニーにちょっかいをだしています。かわいいですね。こんなふうに二人がからんだ(?)フィギアは、今まであまり目にしていません。珍しいですね。

 外は寒いですが、二人(正確には2匹ですが)を見ていると心があたたまります。・・ちょっとうらやましくもなりますが(^^;)

投稿者 tsukada : 10:57

2009年11月02日

インフルエンザがいよいよ・・

 当地でも、新型インフルエンザと思われる患者さんが急増中。今日の外来でで6名の患者さんを確認しました。

 夜間診療所の出番でしたが、確か8名のインフルエンザ患者さんがいました。大部分は市内の大学の関係者。

 今日の夕方から急に高熱になり、夜間診療所にやってきていました。学生さん、職員さんなどの他に、週末に大学祭に出かけていって中学生もいました。

 新型インフルエンザの潜伏期は2〜3日。ということは、やはり週末のイベントで移し合ったということなのでしょう。

 ところで夜間診療所でインフルエンザと診断したのは症状や所見、そして大学の関係者ということから。迅速検査はしていません。

 みな短時間(わすか数時間)で高熱になり、寒気、だるさ、関節痛などがとても強い特徴があります。まるで判でおしたように同じ症状です。

 もはや普通の風邪ではありません。インフルエンザとしか考えられない症状です。

 迅速診断は一定の役割があります。しかし、完全ではありません。発症から半日程度以上たっていないと、必ずしも陽性になりません。もともと季節性インフルエンザの診断キットですから、新型インフルエンザの感度には問題があるかもしれません。

 もし迅速診断を実施していたら・・夜間診療所をおとずれた方の何人かは「インフルエンザとは診断できない」ということになってしまいます。検査を優先させると、治療のタイミングがかえって遅くなってしまうことになるでしょう

 新型インフルエンザの治療のコツがあるとしたら、できるだけ早く診断し、抗インフルエンザ薬による治療を始めること。そんな意味でも、むしろ「迅速検査を実施しない(頼らない)」ことに意義があります。

 ということで、これから当地でもいよいよ大流行になりそう。みなさん、体調に気をつけてお過ごし下さいね。

投稿者 tsukada : 22:45

一挙に冬?

 11月に入ったとたんに、急に寒くなりました。北海道ではもう大雪。天気予報では、今夜は新潟でも山の方は雪になるといっていました。

 昨日も午後から天気がくずれ、一挙に冬に向かって一直線? わずか一日で季節が一つ、くるっと回転してしまったようです。

 さきほど夜間診療所の勤務からもどってきましたが、自動車の示している路面温度はわずか3度。真冬なみです。

 ときどき強い雨と風になります。雨がみぞれになってきたようです。やっぱり今夜は冷えそうです。

 冬はもうすぐ。そしてインフルエンザも大流行ももうすぐのようです。

投稿者 tsukada : 22:21

2009年11月01日

今日から11月

 今年もあと2か月になりました。北海道では雪になっているとか。新潟は、今朝はまだお天気もよく、公園のお散歩もいつものようにできました。

2009110101.jpg

 公園では落ち葉を踏みしめながらのお散歩。もうすっかり秋の気配。

 そして樹木の雪囲いが始まっていました。早いねと思ったのですが、そんな準備もしておなかければいけない季節になっているんですね。

 天気予報では午後から崩れるとか。そして明日からの数日は冷え込むようです。もうすぐそこまで冬がやってきているのですね。

 そろそろ薪ストーブも使えるかも(^^;)←ストーブのことを思うとつい嬉しくなりますが、顰蹙(ひんしゅく)をかいそうなので、あまり公言しないようにしましょう。

投稿者 tsukada : 10:41