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2009年10月14日

情報がない!

 このところ新型インフルエンザによる子どもたちの死亡例や重症例が毎日のように報道されています。いたましい限りです。何とかならなかったものかと思えてなります。

 ワクチンの効果は完全ではないと分かってはいるのですが、それでももし予防接種がすんでいれば、違った結果になったかもしれません。そう思うと、本格的な流行になるまえに、一日でも早く予防接種をしてあげたと思います。

 日本でもいよいよ来週から新型インフルエンザ予防接種が始まります。まずは医療従事者が対象で、11月には基礎疾患を持っている方や妊婦さん。12月後半から1歳から小学3年の子どもたち・・というふうに、順次予防接種を受けていただくことになっています。

 しかし本当にこの通り進むのか、よく分かりません。私たちにはきちんとした情報が届いていないのです。先週後半で県庁より、新型インフルエンザ予防接種を行うかどうかの「意向調査」と、最優先とされる医療従事者の接種希望者数を報告するように連絡があります。

 そして来週には私たちへの接種が始まるというのに、その後の連絡は皆無。いつ、どこの薬問屋に、どれくらい注文を出すのか、ワクチンはいつ納品され、いつから接種ができるのか、全く分からないのです。

 今日のニュースでは、東京都では作業の遅れから1週間延期するそうです。でも、よその自治体の情報は直接には関係ありません。私のいる新潟県の情報が必要なのです。

 そんな状況ですから、その後の予防接種についても全く分かりません。すでに患者さんや地域の方から、新型インフルエンザ予防接種についてのお問い合わせもいただいていますが、何も答えられません。市民の方々の困っているでしょうが、私たち現場も困っています。

 基礎疾患を持つ方々には早めに予防接種をしようということで11月に予定されていますが、ワクチンがいつ、どれくらい入荷するか分からないので、患者さんがたにお勧めしていいのかどうかもためらっています。接種対象になりそうな方々のリストを作り始めていますが、接種そのもののお約束すらできないでいます。

 政府の計画では12月後半から1歳以上の幼児などへの接種が順次始めるとしています。しかし具体的なワクチン納品予定が分からないと、予約の受付もできません。「後半」ということで、12月16日から接種を予定してよいものかどうか。予約をしていただいても、もしワクチンがその日に間に合わないと、大変なご迷惑をおかけしてしまうことになります。

 国は標準的な接種スケジュールを決め、都道府県は実際にいつからどのように始めるかという「具体的なスケジュール」を決めるのだそうです。でも、それをいつ決めるのかは分かりません。お役所としてはそれでいいかもしれませんが、それに振り回されることになる現場は混乱必至です。

 何よりも、一般の方々がとても不安に思われることでしょう。接種を希望してもなかなか受けられないという事態も生じるかもしれません。

 もっときちんと情報を出してほしい。国も自治体もきちんと対応してほしいものです。

投稿者 tsukada : 2009年10月14日 23:56