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2009年06月18日

水道水は安全?

 先日、夏の水分補給には水道水が一番だと書きました。それについて、お問い合わせをいただいています。簡単に書きましたので、お読み下さい。

 基本的に水道水は安全です。多種の基準があり、それに適するものを上水道として供給しています。水道管を流れてきて、蛇口から出た直後の水質が問題ないことが保証されていると考えてください。(例えば大腸菌は一定の数以下になっています)

 ただし・・長い時間、貯留している水道水は質が低下している可能性があります。たとえば長い時間、蛇口を閉めたままにしてある場合。(蛇口を開いて、水の温度が下がってくれば、その後の水道水は問題ありません)

 マンションなどに貯留してある水について、そのままでは飲用に適しません。簡易水道なども対象外です。

 赤ちゃんや子どもに「湯冷まし」を使うことが多いようですが、いったいどんな意味があるのでしょうか。

 一度沸騰させるので、その時は雑菌がいなくなるでしょう。でも、消毒のために入れてある成分(塩素)もなくなるので、冷えたあとは急速に雑菌で汚染されていきます。すぐに使うのであればいいのですが、長い時間使うというのは問題です。作り置きはできません。

 冷やすために使う容器も、きっと雑菌がついているでしょうから(量は少ないので、すぐに問題になることはありませんが)、中にいれる「水」にだけ注意をはらっていても、あまり意味はありません。

 赤ちゃんでも、水道水をそのまま飲用して何ら問題はありません。

 ただし・・生後6か月までは母乳などの乳汁以外にはいっさいの水分摂取は必要ありません。湯冷ましも不要ですし、まして果汁などは与える必要はありません。汗をかく夏場でもそうですし、入浴後でも乳汁以外は不要です。(2年ほど前に「授乳・離乳の支援ガイド」が発表され、考え方が変わっています。)

 医療の現場でも、水道水は普通に使っています。
・小児の水薬に「水」を加える場合には、水道水を使っています。(滅菌水や蒸留水は殺菌力がなく、長持ちしません)
・手術の際の手洗いなどを水道水で行うのも普通になってきています。
・けがや火傷の処置でも、消毒はせず、水道水できれいに洗うのが、今では普通のことです。

 以前は上水道を通じてクリプトスロリジウム感染症が発生した事がありました。塩素消毒では除去できないためです。今はその点も改善されつつあるようです。

 正確さに欠ける書き方でなかなかご納得いかないかもしれませんが・・。「水道水は安全」であり、さらに「水道水こそ安全」だとご理解下さい。

投稿者 tsukada : 2009年06月18日 18:00