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2006年03月06日

春一番は花粉症到来のサイン

 今日は新潟では雨の一日でしたが、関東などでは“春一番”が吹いたとか。いよいよ春がそこまでやってきているんですね。でも・・杉花粉も一緒に飛んできています。花粉症の方にとっては、歓迎されない季節なのかもしれません。

 日本人で花粉症は2割ほどもいるという推測があります。そうすると2,000万人以上にもなるわけで、ものすごい数です。症状の程度はさまざまですので、その人たちがみな治療を必要としているわけではないでしょう。でも、逆に治療を受ける人は少なく見込んでも数百万人はいることになりそうです。

 小児科は、以前はそれほど花粉症に関係ありませんでした。小学校の高学年くらいからときどき見かけるくらいで、来補的には大人の病気とされていましたので。でも、最近はどんどん低年齢化しています。保育園や幼稚園の子どもたちでももう珍しくありません。2、3歳くらいでもそれらしい子どもがもういるくらいです。「低年齢化」の傾向は花粉症にも現れているようです。

 十数年前、花粉の調査をしてたことがあります。毎日どれくらい、どんな花粉が飛んでくるかと調べるのです。数年間続けましたが、毎日のこととなると、けっこう大変な作業でした。ワセリンを塗ったプレパラート(ガラス版)を24時間屋外に置いておき、染色したあと顕微鏡で花粉を見ます。

 見慣れると花粉の種類も容易に分かるようになり、それなりに面白かったです。1センチ四方の中に何個の花粉が着いているかを調べるのですが、カチャカチャと計数機(車掌さんが乗客数を数えるのに使っていた物です)で一つひとつカウントしていきます。数個、数十個くらいならいいのですが、多いには数百の単位で花粉が着いています。それを性格に数えるのはけっこう大変。

 そして、その数を調べても、「いつから花粉の飛散が始まったか」「どんな日が多いか(少ないか)」といったことが分かるだけで、治療に直結するわけではありません。また、データを全国で共有化したりして活かすこともできませんでした。ある意味で“自己満足”で終わってしまう仕事でした。だんだんと診療が忙しくなってきたりして、花粉調査から遠ざかってしまいました。

 そして気づいたのです、私の周りには「人間センサー」がいるということを。周囲にも花粉症の人が少なくありません。何しろ「石を投げれば花粉症患者に当たる」くらいに多いのですから。家族にも職員にもいますので、花粉の飛散が始まるといっせいにクシュンとしはじめます。だから「直感的に」分かるのです。

 当地でもそろそろ怪しくなってきました。花粉症の方、早めに予防薬を使用し始めるなど、どうぞご準備をお願いします。

投稿者 tsukada : 2006年03月06日 23:37

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