2008年3月号(207号)
寒さの厳しい2月が終わり、ようやく春が近づいているようです。
3月は卒園や卒業のシーズン。子どもたちが健康で、元気よく過ごせるといいですね。
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今月の話題
●テレビやゲームに子守りをさせないで
●おもちゃによる難聴も予防しよう
●【子どもの救急】頭のトラブル
●【院内検査】身長測定
●お知らせ
●感染症情報
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■テレビやゲームに子守りをさせないで
最近「ゲーム脳」という言葉をよく耳にします。毎日のように、そして長時間ゲームなどをしていると、大脳の中の考えるという機能に障害が出てくるのではないか、というものです。
キレる子どもたちが多くなったことや、いじめなどの問題とからめて論じられることもあります。
ゲームに限らず、テレビ、ビデオ、DVDなどが家の中で長時間かかりっぱなしになっていることもあります。子どもがそれらに熱中している様子は、いまでは当たり前になっています。
しかし、これらは器械を通して一方的に情報が伝えられるもの。人間とコミュニケーションをとっているとはいえません。
赤ちゃんが言葉を覚えたり、会話ができるようになるのは、大人たちがたえず丁寧に関わっているから。赤ちゃんのそぶりの一つ一つに反応し、心を通い合わせる中で、人としての様々な能力が花開いていきます。
赤ちゃんの子守りをテレビやビデオに任せていませんか? 面白がってゲームをしているからと、放ったらかしにはしていませんか?
子育てはやはり大変です。でもその分、しっかり子どもたちの成長に跳ね返ってきます・・プラスになることもあれば、マイナスになることも。
子どもの健やかな成長のために、テレビやゲームとのつきあいには気をつけて下さい。
■おもちゃによる難聴も予防しよう
先月はおたふくかぜ(流行性耳下腺炎)にともなう難聴が思った以上に多く発生しているために、ぜひワクチン接種を受けて予防しようとお話をしました。しかし難聴になるのはおたふくかぜだけではありません。
今子どもたちで問題になっているは「おもちゃによる難聴」です。騒々しい音が出るおもちゃには十分気をつけなければいけません。
テレビ、ビデオ、ゲームなどを長い時間、大きな音で遊んでいると難聴になりかねません。また携帯型の音楽プレーヤーも問題です。
子どもは大人以上に注意が必要だといわれています。それは・・子どもは腕が短いので、おもちゃの音を耳の近くで聞くことになりやすい、騒がしい環境の中でゲームなどをすることが多いため、音量を大きくしがち、などの理由があるようです。
また自覚症状を訴えにくいのも難聴の特徴です。痛みや不快感があれば本人や周囲も早く気づきますが、それらがないため聴力低下の程度が強くなってやっと発見されることもあるようです。
難聴の予防のために、音の出るおもちゃについても十分注意をしましょう。音量を下げたり、耳から放したりして下さい。イヤホン型の音楽プレーヤーは子どもには与えないようにしましょう。
早く見つけることも重要。大人の話を聞き逃す、聞き間違える、聞き返す、テレビなどの音量をあげる、などといったことが、もしかしたら難聴のサインかもしれません。心配な時には早急に聴力検査を受けて下さい。
■【子どもの救急(38)】頭のトラブル
子どもたちも大人と同じようによく頭痛を訴えます。しかし大人に時々見られる重大な病気(脳卒中、くも膜下出血、脳腫瘍など)は少ないため、必要以上に恐れることはないでしょう。
頭痛の原因でもっとも多いのは、感冒などの発熱に伴うもの。熱が下がれば頭痛もいっしょにおさまります。辛いときには熱さましの薬を使ってみて下さい。直接痛みを止める働きもあるので、楽になることでしょう。
髄膜炎や脳炎といった重大な感染症はまれではありますが、念頭においておかなくてはいけません。とても強い痛みが持続します。頭蓋内圧が高くなるので、繰り返し吐くこともあります。ときにはけいれんや意識障害などを伴うことも。高熱になるでしょうし、全身状態がとても悪く、重症感があります。
もし髄膜炎などが疑われる場合には、できるだけ早く入院設備のある病院で診療を受ける必要があります。
片頭痛も実は子どもたちにそうとう多いという指摘があります。しかし大人と違って典型的な症状ではなく、また吐き気、嘔吐、腹痛、めまいなど多彩な訴えがいっしょにあるために、なかなか診断しづらいという特徴があります。
また片頭痛に効果のある特効薬は大人用であり、もし子どもに使ってもさほど効果はないといわれています。通常の痛み止め薬で症状が和らぐのをまっているのが現状です。
頭部の打撲もよく見かけます。青あざ(皮下出血)やタンコブ(皮下血腫)ができているだけで、本人が普通の様子ならまず問題はないでしょう。あわてず丸一日様子を見ているだけで大丈夫かと思います。
しかし、青白い顔をし、グッタリしている、繰り返し吐いている、意識がない、けいれんをおこした・・そんな時には脳障害を起こしている可能性もあります。急いで小児科、または脳外科などを受診して下さい。
■【院内検査(24)】身長測定
身長を測ることも小児科では大切なことです。子どもはたえず成長するもの。体重とともに身長も少しずつ大きくなっていきます。
生まれたときは約50cmですが、1歳では約75cmと急激に大きくなり、4歳で1mを超えます。最終身長は女性が158cm、男性が170cmというのが今の日本人の平均です。
同じ年齢の平均に比べて著しく低いとか、逆に高い場合には成長ホルモンなどの異常なども心配。また身長の伸び方(成長率)が小さい場合には、成長ホルモンだけではなく、他の病気がかくれていないかが問題になります。
虐待などのために強いストレスが与えられると身長の伸びが止まってしまうことも知られています。
身長の伸びを通してお子さんの健康状態を知ることもできます。母子手帳には幼児期の成長曲線がありますので、ぜひ利用して下さい。
もし身長の伸びについてご心配のときには、母子手帳などを持って医院まで相談に来て下さい。
■お知らせ
☆保育園・幼稚園の年長さんは麻疹・風疹混合ワクチン(2期)がもうすんでいますか? 年度内が期限です。まだの方は早めに!
☆おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)は難聴、髄膜炎など多彩な合併症があり、実はとても怖い感染症。ぜひワクチンで確実に予防を。
■感染症情報
インフルエンザの流行が例年通りに発生していました。今シーズンは12月に最初の流行があったあと、年末年始にいったん小休止しましたが、1月下旬から再度流行。2月上旬にピークになり、その後はまた下火になってきています。これまではほとんどがAソ連型だったということで、今後A香港型やB型の発生があるかもしれません。引き続き注意をしていて下さい。
一般的なことですが、マスク、うがい、手洗いを励行し、生活のリズムや食事にも配慮を。もしかかってしまったら、咳や鼻水のときに口や鼻をおおうというエチケットにも気をつけて下さい。
ウイルス性胃腸炎(嘔吐下痢症)の流行もまだ続いています。例年、春先まで流行が続きます。人から人にうつる感染症ですが、ときに食品を介し
て発生することもあります。
マイコプラズマ感染症の流行がまだとまりません。気管支炎や肺炎をおこし、咳がとてもつよくなるのが特徴。的確な抗生物質を使わないとなかなか治りません。
百日咳とRSウイルス感染症が少しずつ発生しています。いずれも咳がとても強くなりますが、対処が難しい感染症です。
水ぼうそう(水痘)、 溶連菌感染症などは少しずつの発生。
麻疹、風疹、おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)の発生はありませんでした。
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