2007年12月号(204号)
今年は季節の移り変わりがゆっくりだと思っていたのですが、大間違いでした。
先月にはもう積雪。
11月としては記録的なのだそうです。
灯油などの価格高騰もあり、この冬はひときわ厳しくなるかもしれません。
心配ですね。
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今月の話題
●絆を紡(つむ)ぐということ
●映画の裏舞台
●【子どもの救急】今冬のインフルエンザ対策
●【院内迅速検査】体温測定(1)
●お知らせ
●感染症情報
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■絆を紡(つむ)ぐということ
上越市を舞台に撮影された映画「絆」が完成し、当地で試写会が行われました。テーマになったのは手紙を通しての人と人との結びつき。「郵便の父」前島密が生まれた上越市は、そのロケに最高の場所でした。
実直に郵便配達一筋の主人公(勝野洋さん)とその娘さんとの「親子の絆」を縦糸にし、そこに夫婦、友人、地域の人たちなどとのさまざまな絆を横糸に織り込みながら、この映画は作られています。
父親に反発して家を飛び出していった娘ですが、自分の帰るところはやっぱり家なのだと気づき、戻ってきます。「家に帰るのに理由なんていらない」というセリフが、心に響きました。
今の社会は何でも便利です。誰とでもすぐに連絡がとれます。でも、心を通いあわせることは難しいですね。お互いの気持ちを丁寧に伝えることが大切。そして相手の気持ちに思いを寄せることも忘れずに。
当たり前のことが当たり前ではない社会になってきているようです。
■映画の裏舞台
映画『絆』が今春、上越市で撮影され、このほど完成。そのお披露目が先日行われ、感慨深く見せていただきました。私が多少関わらせていただいたいう意味で特別な思いがあります。
一つには初めて出演したこと。役は小児科医ですので「役作り」をする必要もないはずなのですが、撮影の時はとても緊張しました。
もう一つは制作に多少関わったこと。主人公の奥さん(柏木由紀子さん)が病院で亡くなる場面で医療上のアドバイスをさせていただきました。緊急時の医師・看護師の動き方やセリフ、薬剤や医療器具の使用法、心電図モニターの操作などを指導。ウソがあってはいけませんが、医療現場そのものを再現しても分かりづらいものになるでしょう。ちょうど良い具合にアレンジしていく必要があり、そんな点に腐心しました。
多くの有名な俳優さんたちの近くにいて、「素顔」をかいま見ることができました。みなさん、優しくて感じの良い方でした。
スタッフの方々は、映画を作るために並々ならぬ情熱を持っていることを知りました。一つ一つの場面をおろそかにせず、とことん納得がいくまで撮影を続けていました。そんな様子を見ていただけに、完成した映画がキャストやスタッフの汗の結晶なのだということが良く分かります。
映画の題名になった「絆」・・とても大切な意味合いがあります。私にとっては、この映画の制作を通して、とても大きな「絆」を数多くの方と作ることができました。一生の思い出に残ることでしょう。
■【子どもの救急(35)】今冬のインフルエンザ対策
毎年冬場に流行を繰り返しているインフルエンザ。今シーズンは1か月ほど流行の始まりが早いと言われ、一部の地域ではすでに患者発生が始まっています。流行の規模やピークの時期がどうなるかは分かりませんが、十分に警戒しておく必要があります。
もっとも心配されているのは、インフルエンザそのものよりも治療薬の一つであるタミフルのことでしょう。服用後に異常行動をおこし、転落などによって死亡するという事例が報告されたからです。それを受けて厚生労働省は、10歳代にはタミフルを原則として使用しないように通達を出しています。
しかし異常行動とタミフルの関係についてはまだ結論が出ていません。服用していないインフルエンザ患者や、もう一つの治療薬であるリレンザ(吸入薬)使用後でも事故がおきているからです。
従ってタミフルを使わないから安心だということではなく、インフルエンザにかかった子どもたちは必ず大人が一緒についていて、様子を見守るようにして下さい(とくに発症後2日間)。
インフルエンザにかかったら・・治療薬をどのように使うか、なかなか迷うところです。解熱剤は一時的な効果だけで、積極的に使用することはおすすめできません。いくつかの漢方薬は症状をやわらげるためには役に立つことがあります(麻黄湯、麻黄附子細辛湯など)。
水分を十分にとり、暖かくしてゆっくり休むことが基本です。
もちろん予防にまさるものはありません。ワクチン接種は一定の効果がありますので、ぜひ早めにすませておいて下さい(とくにタミフルを使用できない10歳代)。
流行期は手洗い、マスク、うがいなどの励行を。人混みを避けることも大切です。また、咳やくしゃみをするときはティッシュペーパーで鼻と口を押さえ、他人の顔に向けないようにするという「咳エチケット」も大切です。ぜひ守って下さい。
■【院内迅速検査(21)】体温測定(1)
果たして体温測定を検査といえるかどうかは別として、体温はとても重要な医療情報になります。
人間は「恒温動物」と呼ばれるとおり、体温を一定の範囲に維持して生きています。それが低すぎても高すぎても普通の活動ができなくなってきますし、時には重大な臓器障害から死に至ることもあります。
さらに正常の身体活動をするためには狭い範囲で体温が安定している必要があります。これが「平熱」です。生後まもない乳児の平熱は37.5℃程度まで。その後少しずつ下がり、幼児以降ではおおむね37.0℃までを平熱としています。
体温が上昇している状態は、何か体に異常があるとき。小児では大半が感染症による発熱ですが、それ以外にも熱中症などによるうつ熱(余分な熱が体にこもっている状態)などもあります。
体温測定は基本中の基本ですが、実は以外と難しいもの。間違えた測り方をしていることがよくあります。体温測定の注意点は次回にお話しします。
■お知らせ
☆年末年始休診のおしらせ
●12月31日(月)〜1月3日(木)まで年末年始の休診をいただきます。ご不便をおかけしますが、よろしくお願いいたします。
●年内は29日(土)午前の外来までになります。
☆『くすりのしおり』が「内服」に続いて「外用・注射」もできました。当院で使用している薬のことが詳しく分かります。(無料)
☆インフルエンザ予防接種を年内いっぱい実施しています。12歳以下は2回、13歳以上は1回の接種です。お早めにどうぞ。
■感染症情報
先月(11月)は急に寒い日が多くなり、子どもたちも体調を崩しがちのようです。風邪などが多くなってきました。
ウイルス性胃腸炎(嘔吐下痢症)が増加したのも例年と同じ傾向です。これからの冬場は発生しやすくなりますので注意を。急に吐いたり下痢をしたりする感染症。乳幼児がかかりやすいのですが、周囲にいる大人にも感染していきます。とくに高齢者は脱水のために急に容態が悪くなることもあります。もし発生したら吐物や下痢便の始末を丁寧に行い、二次感染を予防するようにして下さい。
水ぼうそう(水痘)が一部の園で流行し始めました。伝染力が強いので、これから一挙に流行が拡大するかもしれません。あらかじめワクチンを受けておくと軽くすみます(任意接種)。
マイコプラズマ感染症の流行も続いています。咳がとてもつよくなるのが特徴。百日咳も発生していて、こちらも強い咳が特徴的。
溶連菌感染症、おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)などは少しずつの発生でした。麻疹、風疹、インフルエンザの発生は当院ではありませんでした。
現在インフルエンザ予防接種を行っています。昨冬から10歳代へのタミフル使用ができなくなったため、もし流行が始まると治療に苦慮することが予想されます。ぜひワクチン接種を早めにすませるようにして下さい。
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