2007年6月号(198号)
今月は医院が17周年、わたぼうし病児保育室が6周年を迎えます。
地域の中でお役に立てていることを実感し、嬉しく思っています。
まだ課題も多く、これからも子どもたちのために努力していくつもりです。今後ともどうぞよろしくお願いします。
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今月の話題
●麻疹の根絶はいつの日?
●【子どもの救急】 こんにゃくゼリーで窒息死!
●【院内迅速検査】超音波検査
●麻疹の予防接種と抗体検査
●お知らせ
●感染症情報
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■麻疹の根絶はいつの日?
突然ふってわいたような麻疹(はしか)の流行。東京の大学などでは、感染が広がらないよう長期間休講にするなど、その社会的影響は大きいものがあります。
麻疹はワクチン接種で予防できる感染症ですが、本物の病気より免疫の付き方が弱いため2回の接種を行うのが世界の常識。でも長らく「日本の常識」ではありませんでした。
日本もやっと昨年度から2回になりましたが、それまではずっと1回だけ。十分な免疫がなくなっていたことが、今回の麻疹騒動の根底にあります。
とりあえず流行が終息しても、この状況を解決しない限り、将来も同じ事を繰り返すでしょう。
大きな子どもや青年たちにきちんと予防接種を行うことは国の責任ですが、残念ながらその動きはありません。先進国では「根絶」に近くなってきているのに、日本は発展途上国並みの惨憺たる状態。
予防接種行政についても、「どげんかせんといかん!」と思う毎日です。
■【子どもの救急(29)】 こんにゃくゼリーで窒息死!
以前、こんにゃく入りゼリーによる乳幼児の窒息事故が相次ぎました。当初は小さなカップに入っている形状から、小さな子が丸ごと吸い込んでしまうために窒息事故が起きやすいと考えられていたようです。そのため、より大きなカップに入れ、スプーンですくって食べるようにしたり、注意を促したりしていました。
しかしまた窒息事故がおきていることが公表されました。今回は7歳という大きなお子さんです。
こんにゃく入りゼリーはいろいろな種類が売り出されています。いくつかを購入し、試食してみたところ、窒息しやすい原因が分かりました。材質そのものが問題だったのです。
こんにゃくを使うことでゼリーの弾力がそうとう増します。スプーンでは崩れたり、切ったりできないくらい硬くなっています。
小さく切って食べても、誤って気管に入ってしまったら自分の力ではどうすることもできないでしょう。子どもだけではなく、高齢者にとっても危険な食べ物と言えます。
欧米ではこんにゃく入りゼリーの販売は禁じられています。日本でも同様の対策をとらない限り、また事故はおきてしまうかもしれません。
まずは、子どもにはこんにゃく入りゼリーは食べさせないようにお願いします。
もし窒息事故が起きてしまったら、赤ちゃんでは頭を下にして抱きかかえ、背中を強くたたくこと。幼児では後ろから抱きかかえ、お腹の上の方を握ったこぶしでグッと押し上げるようにしてみて下さい。
■【院内迅速検査(15)】超音波検査
超音波検査(エコー)は、医療の現場ではなくてはならないものになっています。身近なところでは、胎児の様子を見ることで妊娠の管理が容易にできるようになり、産科では必需品です。
体の中の様子を、ブラウン管に映し出し、直接見ることができない臓器の状態を、間接的に見ながらその場で動く映像として確かめることができます。
痛くないのもこの検査の特徴。また、レントゲン検査のような放射線被曝などの問題もありません。
検査のしやすい臓器や病気がある一方、超音波検査では分からないものもありますし、検査をする者の能力によっても検査の結果が代わってきやすいと言われています。
小児科では、例えば腹痛の原因を調べるために腹部を見たり、心臓の病気を調べたりすることが日常的になってきました。
ただし、私自身が直接検査をするのは時間的に難しいので、当院では主に臨床検査技師が検査を行い、診療に役立てています。
■麻疹の予防接種と抗体検査
麻疹流行が社会問題になっていますが、そのために麻疹抗体検査が試薬不足から十分に実施できない状態になっています(6月中には改善するということですが)。当院では麻疹予防接種等の対応を次のように行っています。
●麻疹(はしか)が全国で流行し、とくに15歳以上の成人に多発しています。麻疹はワクチンで確実に予防できますが、2回の接種が必要です。小学生以上で2回受けたことのない方は、早急にワクチン接種を受けて下さい。
●麻疹単独ワクチンは全国的に品薄になっているため、主に麻疹・風疹混合ワクチンを使用しています。風疹の免疫も作ることができます。
●小学生以上の子どもたちでまだ2回目の接種を受けていない方も、ぜひ麻疹・風疹混合ワクチンを受けて下さい。
●小学生以上の子どもや大人の方のへワクチンは、法定接種ではなく任意接種です(自費診療)。
●麻疹に対する免疫があるかどうかを知るために抗体検査がありますが、全国から検査依頼が集中し、検査センターが対応できなくなっています。検査が可能になった時には、またお知らせいたします。
●料金表:麻疹予防接種 5,500円、麻疹風疹混合予防接種 8,250円、麻疹抗体検査 3,150円
■お知らせ
☆水谷修氏が上越に!
●上越青年会議所主催で、「夜回り先生」こと水谷修氏の講演会があります。
●6月10日(日)14:30〜16:00、上越文化会館(入場無料ですが、入場整理券が必要)
●当院でも入場整理券をお預かりしています。ご希望の方はお早めにご連絡下さい。
☆細川佳代子氏講演会
●当院主催第3回子育てフォーラムが開催されます。NPO法人「世界の子どもにワクチンを」日本委員会理事長の細川佳代子氏の「ボランティアの私-可能性への挑戦-」というご講演です。
●7月7日(土)13:30〜15:30、上越市民プラザ(入場無料、保育ルームあり)
●入場整理券を差し上げています。ご希望の方は医院までご連絡下さい。(保育ルームは予約が必要です)
●多くの方のご参加をお待ちしております。
☆「いじめ根絶県民集会」が6月16日(土)県民会館で開催(13:30〜16:30)。院長もリレートークに参加し、お話しします。
■感染症情報
心配していたインフルエンザの流行は、5月中旬になってようやく終息しました。例年は1月後半から流行が始まりますが、今年は1か月ほど遅く始まり、2か月ほど遅れての終息。結局流行の規模は数年来の大きなものになり、インフルエンザがやはり大きな感染症であることを印象づけました。
すでに話題に上ることが少なくなっていますが、新型インフルエンザの発生も心配です。タミフル副作用の問題もあり、今後も引き続き重大な関心を持って臨んでいく必要があります。
代わってウイルス性胃腸炎の流行が目立っていました。嘔吐や下痢といった症状は、これからは食中毒でもおきますので、注意を。
溶連菌感染症が増加。のどがとても痛いときには心配です。
水ぼうそう(水痘)、おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)も流行中。ワクチンで十分予防できます(任意接種)。
りんご病(伝染性紅斑)も目立っています。
マイコプラズマによる気管支炎・肺炎もまだ発生中。近年は内服での抗生物質に十分効果がでないことが多く、治療に苦慮しています。
麻疹、風疹の発生は当院ではありませんでした(1例、東京の大学に通学中の学生が麻疹にかかり、ほぼ治ったあとで受診しました)。
麻疹は全国で流行中。2回のワクチン接種で確実に予防できます。小学生以上の子どもと大人の方は、任意接種ですが必ず受けて下さい。
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