今年もあと1か月。例年より冬の訪れは遅いような気もしていますが、油断しているとあとが大変。早めに雪の準備をと、気ばかりあせっています。
「師走」。まさに院内を走りながら診療しています。これは小児科医のための言葉だったんですね。
■20世紀から21世紀へ・・
もうすぐそこまで21世紀が来ています。昨年の大晦日は2000年問題があり、落ち着きませんでしたが、この新年はゆっくりと過ごせることでしょう。
20世紀は人類にとってどんな時代だったのでしょうか。文明や経済が飛躍的に発達したはずなのに、戦争がおき、飢餓や貧困、そして心の貧しさはかえって拡大しているように思えます。決して幸せなことばかりではありませんでした。
新しい21世紀が、そんな不幸な歴史に別れをつげ、本当に次の世代が幸せに暮らせるような地球にしていかなくてはいけません。今生きている私たちの世代は21世紀の途中で消えていきますが、人類、そして地球はずっとずっと続くのですから。
次の世紀に責任を持てる大人になりたいと願っています。
■短 信
◆当院では、使用しているお薬についての情報をまとめた「くすりのしおり」を発行しています。その「内服編」の第4版ができました。現在「外用・注射編」も作成中です。無料ですので、どうぞご活用ください。
◆血液一般検査(白血球数など)とCRP(感染の重症度を示すたんぱく質)は小児科の診療ではとても大切なもので、院内で検査できる体制を作っています。その器械の一部を更新し、2台同じものをそろえました。検査時間の短縮と、1台が故障しても支障がないようにするためです。
◆インフルエンザ予防接種は、おおむね年内で終了する予定です。日程とワクチンの余裕が少なくなっていますので、ご希望の方は早めにご連絡下さい。
■子どものけいれん
冬場は、いろいろな「けいれん」の子どもを診察するようになります。
一番重要で心配なのは、脳炎(あるいは脳症)です。これはウイルスや細菌が脳の中に入り込み、脳の組織を壊すものです。けいれんのほか、強い頭痛、繰り返す嘔吐、そして意識消失が次々とおきてきます。けいれんも持続したり、繰り返したりし、急激に重症化していきます。緊急の処置が必要です。
髄膜炎は脳の周りの髄膜の炎症です。脳炎ほどの強い症状はありませんが、しかし治療が遅れると後遺症を残すこともあります。
脳炎が「有名」になったのは、インフルエンザがそれをおこすことが知られるようになったためです。日本では一冬に数百人の子どもたちがかかり、100〜200人ほどが亡くなっています。
そして、最も多いのは熱性けいれんです。風邪などの熱をだす病気の初期に、急な発熱に脳がついていけず、けいれんをおこしてしまうものです。これはそのままゆっくり待っていると、1〜2分でけいれんがとまり、少したつと元に戻ってくれます。子どもたちの8%がおこすと言われていて、決して珍しいものではありません。
といっても、初めて目の前でけいれんを見ると、寿命が縮まるほどびっくりしますね。そうっとしてあげるのが大切で、大きな声をかけたりゆすぶったりしないでください。自然に止まるけいれんが止まらなくなってしまいます。
慌てて救急車を呼ぶ必要はありません。けいれんが終わってから、普通に受診をして大丈夫です。
冬場は熱をだす病気が増えるので、もしかしたら「遭遇」するかもしれません。心構えだけは持っていて下さい。
■CRPという検査は?
【質問】子どもたちが風邪をひいて病院へ行くと、時々CRPという検査をします。先生に聞いたら、細菌に感染してるかどうかの検査だそうですが、もう少し詳しく教えていただけますか? (新潟・Hさん)
【答え】「C反応性蛋白(C-reactive protein)」といい、その頭文字をとってCRPと略記しています。通常は血液中にはないタンパク質ですが、「炎症」がおきて、体の組織が壊れると血液中に増えてきます。
いろんな病気のうちで「炎症所見」が強いときには、このCRPの数字が高くなってきます。その代表が、各種の感染症で、小児科では、まずこの感染症だけといってもいいかもしれません。
感染症の種類や、病気の段階で異なってきますが、CRPの数字によって感染症の重症度を示すと、単純には次のようなります。(単位はmg/dl)
・0〜1:ほぼ正常
・〜2:やや上昇(まだ軽症)
・〜5:中等度上昇(中くらいに問題)
・〜10:高度上昇(相当問題)
・10〜:極めて高値(重症!)たとえば、高熱が出ていての、CRPが低値であれば、ゆっくり待っていてもいいような、軽い感染症。もしCRPが高値なら、点滴治療、入院なども早急に必要な感染症・・というように見分けていきます。
CRPだけで全ては分からないので、本人の様子、診察所見、そのほかの検査所見なども参考にしながら、総合的に判断するのですが、でもこのCRPは、大いに役に立つのです。
<11月7日ホームページQ&Aより>
■事故予防のヒント(4)
冬場は火傷(やけど)に注意を。家の中の熱い物は乳幼児の手の届かないところに。アイロン、ポットなどのほかにストーブなども危険。
■12月の感染症情報
先月(11月)は、やはり冬場の感染症をいろいろと見かけるようになりました。暖かい日が数日続くと少し落ち着き、雨降りが続くとまたはやってくるというパターンがあったようです。
一番目立つのは普通の感冒ですが、扁桃炎、気管支炎などになったいた子も少なくありませんでした。中にマイコプラズマによる肺炎の子が何人かいました。これは咳と痰がひどい一方で熱などはさほどではありません。一部の抗生物質は効果がありませんので、診断をしっかりつけた上で治療する必要があります。
水ぼうそう(水痘)、おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)が一部の園・学校ではやってきています。とくに水ぼうそうは伝染力が強いので、大きな流行になってくる恐れもあります。溶連菌感染症、嘔吐下痢症(ウイルス性胃腸炎)も増加傾向です。寒い季節は注意の必要な病気です。
インフルエンザはまだ見かけていません。
■当院から [感染症情報] を毎週お伝えしています
◆TEL0255-44-5959 情報番号5555(無料)
◆FM−J(エフエム上越76.1MHz)=金曜13:30〜
◆上越有線放送=月曜18時〜
■12月の予定
●年末年始のご案内
年内は29日(金)午前まで診療し、新年は4日(木)からです。◆院長出務
・上越市乳幼児健診 6、13、20日
◆有線放送「健康ライフ」 18日朝6時〜
「冬の病気/嘔吐下痢症など」◆富岡保育園講演会 15日午後1:30-
「乳幼児の家庭での病気の対応」◆FM-J「あつまれ元気っ子」(当院提供)
毎週水曜午後4:35〜(76.1MHz)
・ 6日北諏訪保育園
・13日三郷保育園
・20日諏訪保育園
・27日高士保育園
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